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みやしたゆきこ
著者:みやしたゆきこ(みやしたゆきこ)

コラム/エンターテイメント

トーキョー・テレマカシー(4)

[連載 | 連載中 | 全4話] 目次へ
「おかあさんといっしょ」の収録を見学しに行ったTVオタクの著者。売店にはでかすぎるキャラがそびえ立ち、あまりにもレアなグッズが並んでいる。詳細な収録レポートが楽しい。
 相性の悪かった源さんに珍しくオイシイ目にあわせて貰った9月。今まで、たまには燃えてみろだの、燃えたら当てろだの、わがままなことを言って悪かったな、源さん。ま、あんまり源さんばかり酷使するのもかわいそうなので、たまには夢夢ちゃんにも働いて貰おうと思ったのが大間違いだった。全然ダメ。かすりもしないでやんの。確変どころの騒ぎじゃないって。こてんぱんにやられて帰る道すがら、秋風が身にしみるぜ。ひゅー。
 ま、相変わらず勝てないパチンコの話はおいといて。

 時は、9月2日月曜日。晴れ時々雨。東京は渋谷にあるNHK放送センターの見学コースに行ってきた。お目当ては「おかあさんといっしょ」だ。「おかあさんといっしょ」の収録は、ぬいぐるみ劇の「ドレミファ・どーなっつ!」、歌と体操、古今亭志ん輔師のコーナーがそれぞれ別におこなわれているらしい。NHK教育テレビのおねえさんをおおいなる独断と偏見をもって評価するという「おねえさんミシュラン」、NHK教育テレビに関する些末な情報を掲載する「東京奇天烈電視台」を擁する「東京福袋」ホームページを主宰するみやしたとしては、一度くらいはナマのおねえさんを見てみたい、と思ったわけである。事前にNHKに電話して、体操と歌の収録があることを確認、その日は3本撮りということなので、2回目の2時10分を目指して、いざ渋谷へ。ところで、今は、放送センターって見学料払わないと入れないのね。知らなかった。昔はタダだったのになあ。ま、金とるだけあって、建物はすっかり小綺麗になってたけどね。

 ハイビジョン放送の実験だの昔の番組の資料だの、TVオタク入ってる私にとっては、じっくり見たいコーナーがいろいろあったんだけど、今日の目的はなんといっても「おかあさんといっしょ」だ。収録時間に間に合わないと何しに来たんだかわかんなくなっちゃうんで、後ろ髪ひかれる思いでそれらのコーナーを走り抜け、とにもかくにも「おかあさんといっしょ」のスタジオが見える場所へ。

 すでにリハーサルは終わっており、本番収録まで15分ほどの時間がある。その間はからっぽのステージに煌々と照明が当たっているだけで、見ててもちっとも面白くないので、とりあえず、時間つぶしに売店へ行く。途中、子供が遊べるちょっとしたスペースがあり、そこにはみど・ふぁど・れっしー・そらおの4人衆(4匹衆か)が展示してある。しかし、でかい。特にそらお。でかいぞ、こいつは。2メートルどころの騒ぎじゃないな。たぶん2メートル半はあるだろう。テレビで「おかあさんといっしょ」を見ていると、たまに恐がって泣いている子供がいたりするが、その気持ちよくわかる。大人の私でもかなりコワイと思うもの。休日には、このスペースで、前任の「にこにこぷん」のアトラクションもあるということなので、じゃじゃまるファンは必見だ(ちなみに「にこにこぷん」は、現在、NHK衛星で活躍中)。売店には、テキストなどの雑誌・書籍やビデオなどと、ニャンチューだのにんたまだのビッグバードだのといった、NHKで放映されている子供番組のキャラクターグッズが売られており、「秀吉」扇子とか「のどじまん」テレカといった、あまりにもレアなグッズもある。誰が買うんだよ、のどじまんテレカ。ちょっと欲しいけどさ。

 さて、そうこうしているうちに、本番収録の時間だ。
 子供たちの間に茂森あゆみ(歌)、速水けんたろう(歌)、佐藤弘道(体操)、松野ちか(トライ・トライ・トライ!)が座っているのが見える。見学コースからは、セットや照明機材が邪魔でメインのステージが死角になっていたが、「トライ・トライ・トライ!」や茂森の歌の収録は見やすい別のステージで行われるので、おねえさんの観察には十分である。照明機材の隙間からチラチラと見えるナマのおねえさんやおにいさんは、なかなかありがたいモノがある。やはり、なんでもナマはいいものだ。それにしても、見学コースと銘打っているんだから、スタジオの中がもっとよく見えるような構造にするべきじゃないだろうか。頼むよ、NHK。金とってんだし。まずは、子供たちと一緒に歌の練習。スタジオ内の音声はまるで聞こえないので、何の歌だか全然わからないのが残念だ。歌の収録が終わると、別のステージで「トライ・トライ・トライ!」のリハーサルと本番である。今日のアイテムはリボン。松野が、マンツーマンで子供に振りを教えた後、本番となる。学生時代は新体操の選手だった松野は、いかにも体育会系らしく、その動きはなかなか勇ましい。立っている時は、足は肩幅手は腰だし、歩幅も広いぞ。ずりさがるキュロットスカートを人目もはばからずにぐいっと引き上げる姿は、無邪気で可愛い。収録中、頻繁にヘアやメイクをスタジオの隅で整えている茂森と好対照である。

 さて、続いて、茂森の歌の収録である。今日の歌は、「我がクレヨンには肌色がないので残念ながら緑色のクレヨンを使って描いたら母の絵はあたかもカエルのようになってしまったことだなあ」といった内容のシュールな歌詞(絵本作家としても有名な五味太郎作詞)がナイスな「ないないクレヨン」。

 そして、この後、佐藤が登場し、子供たちお待ちかねの体操となる。今、オンエア中の体操は「あ・い・う」っていうんだけど、ご存じだったろうか。もう「ぞうさんのあくび」ではないのだ。「あ・い・う」は、人なつこい佐藤のキャラクターをうまく生かしており、見ていて楽しい。今回、見学してわかったのだが、体操の収録の時にカメラの外では松野・茂森・速水も体操をしている。あきっぽい子供たちを集中させるためには、あらゆる手段を使わなければならないのである。それでも、ぼんやりとどこか別の方向を見ている子が必ず1人2人いるわけで、そんな子の親はさぞイライラしていることだろうと思う。

 すべての収録が終わると、子供たちと出演者一同で記念撮影。ここで意外なキャラクターが活躍していた。志ん輔師匠のコーナーのレギュラーである「へびくん」「ぶたくん」のコンビが、カメラに子供の注意を引く役を引き受けていたのであった。カメラマンのうしろについたてのようなものがあり、シャッターを切る時に、そこから「へびくん」「ぶたくん」がにゅっと出る。撮影後へびくんは筒に、ぶたくんは巾着状の袋にそれぞれしまわれていたのは、なかなか滑稽な眺めであった。きっと、スタッフの間では、それぞれ「へび筒」「ぶた袋」と呼ばれているのに違いない。いいなあ、あれ、欲しいなあ。
(つづく)
(初出:1996年05月)
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登録日:2010年08月11日 13時50分

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