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君塚正太
著者:君塚正太(きみづかまさた)
昭和六十年五月二十三日生まれ。日本大学第三中学校卒、中央高等学院卒、クラーク国際専門学校ボディガード科卒。十九歳後半、この頃より執筆活動を始める。イタリア国家警察、フランス国家憲兵隊に少尉として赴任。
コラム/生活・暮らし

殺人鬼の発生とその欲動構造について(1)

[連載 | 連載中 | 全5話] 目次へ
殺人を犯す人間の遺伝的要因、気質要因とはなにか。心理学と精緻なる精神で殺人鬼の内面を徹底分析する論文、第一弾。
第1部 その根底にある殺人衝動について

 私が精微なる精神を伴って、調査した結果はこうであった。連続殺人鬼にはパラノイス(偏執病)が見られる。もちろん、これは遺伝的なものであり、殺人衝動の根底にあるものである。数多の殺人鬼は、器質欠損、通俗用語を用いれば、外因性精神病を伴っているもの、もしくは内因性精神病を伴っている。比率から述べれば、後者の方が圧倒的に多い。内因性精神病の根底には遺伝が関与しており、それが人格に及ぼす影響は絶対的だといえる。ゴットシャルトの報告によれば、人が環境からこうむる影響は遺伝素因のものより、かなり少ない。およそ2.5倍、遺伝素因は環境素因より生涯にわたって強い影響力を与え続ける。推進力(努力、粘着性)にいたっては、六.三倍もの甚大な遺伝素因の関与が認められる。これらの事を鑑みても分かるとおりに遺伝の影響は群を抜いて、その人物の人格形成に関与している事になる。十八世紀の哲学者ショーペンハウアーはこの事を叡知的性格と名づけた。彼の論説のいくばくかは修正を必要とするが、それでもなお彼の形而上学的な視点を忘れる事はできない。もし彼に間違いがあるとすれば、それは環境素因をなおざりにした事にある。ダーウィンの「種の起源」にあるとおり、私たち、生物は長い間の環境素因の影響により、徐々に変革するのである。これはメンデルの法則にもある。
 したがって、この事を殺人衝動の範疇に含むなら、それは先入観となる。私がこの第一部で示したいのは、このような事である。内因性精神病のパラノイスを中軸におき、その後に外部的な要因として、先入観を位置づける事である。先入観とはあくまで遺伝素因の下部に位置するものであり、犯罪心理学で言われる動機とは先入観なのである。
 よって、この二つの欲動を中軸にこの問題を解き明かす必要があるのである。
(つづく)
(初出:2014年10月07日)
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登録日:2014年10月07日 13時03分
タグ : 殺人 論文 心理学

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