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君塚正太
著者:君塚正太(きみづかまさた)
昭和六十年五月二十三日生まれ。日本大学第三中学校卒、中央高等学院卒、クラーク国際専門学校ボディガード科卒。十九歳後半、この頃より執筆活動を始める。イタリア国家警察、フランス国家憲兵隊に少尉として赴任。
コラム/生活・暮らし

殺人鬼の発生とその欲動構造について(4)

[連載 | 連載中 | 全5話] 目次へ
女性が連続殺人鬼になる可能性はきわめて少ない。しかし、FBIの資料には両面価値の紅一点と云える例が載っている。それは…。
第4部

 今までの調査では、女性が連続殺人鬼になる可能性は極めて少ない。なぜなら、かかる体質遺伝学と第二次性徴の影響によって、その可能性は軽減されるからである。つまり、元来本能的に攻撃性を持つ男性とそれを持たない女性との間の溝は大きいのである。さらには体質遺伝学上、女性には月経があり、それは殺人が起こる時期と関係している場合がある。

 もちろん、これは男性にはない。男性にない独特の周期を持った犯人を追跡する場合にはこの方法がよく使われる。主に月経に入る前に女性は犯罪を起こすようである。そこには少なくとも第二次性徴と男性化へのわずかな移行が見られる。
 それは男女ほどに顕著ではなく、フロイトの述べる転移、幼児期の回想や虐待された事などを被害者に転移させ、解消する場合が多々見られる。

 ある一人の女性を見本に取れば――これはFBIの資料から拝借したものであるが、それはまさに両面価値の好一点だといえる。彼女は普段は平静を装っていたが、月経の時期になると好んで普段はあまりしない化粧をし、街中へくり出した。そして声をかけてくる男を部屋に連れ込み、彼らが安心したところを狙って、サバイバルナイフで喉と男根を切除した。

 しかし連邦捜査局に追われる中、一人の愛する男性が現れ、最終的には愛憎の入り混じった気持ちで彼と接していた。それからわずかして、もはや警察に捕まるのが分かりきった時には彼女は男性の喉をかっきった。だが男根までは切除はしなかった。
 その後、まもなく彼女と男性の遺体が、突入した警官隊により、発見されたというわけである。ここには厄介な因果関係が見られる。まず男根の切除とはフロイトの述べる象徴化の理論か、おそらくは幼児期の深い内的傷害が関与している可能性が高い。したがって、この問題は両面価値のよい見本であるといえる。愛憎の入り混じった感覚、それが最終的な男性の殺害方法から察せられるのである。
(つづく)
(初出:2014年11月22日)
登録日:2014年11月22日 14時39分
タグ : 殺人 論文 心理学

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