騒人 TOP > エッセイ > エッセイ > 吾輩は司書である(13)
麻梨
著者:麻梨(あさり)
銀魂と廃墟と三浦しをんさんと箱根駅伝をこよなく愛する性別♀。最近の悩みは仕事帰りに寄ったプールで監視員のおじさんに(真剣に泳いでいたにもかかわらず)「大丈夫? ビート板使う?」と心配され、それをさらに職場で話して笑われたこと。大体毎日幸せに生きています。そう見えないらしいけれど。上記で勘のいい人ならうっすら察せる通り、書くことにおいてド素人です。
エッセイ/エッセイ

吾輩は司書である(13)

[連載 | 連載中 | 全29話] 目次へ
「図書館間相互貸借」について司書である著者が解説。図書館同士で資料を貸し借りできる制度なのだが、近くの図書館に欲しい資料がなくても借りられる可能性があるのだそう。マニアックな資料が必要なとき使えます。
 相互貸借

 強制的に話の主軸を図書館に戻します。
「図書館間相互貸借」という言葉をご存じでしょうか。
「としょかんかんそうごたいしゃく」と読みます。
 三回早口で言ってみましょうか。噛みますね。
 聞きなれない言葉でしょうから、念のため解説。
 文字の通り、図書館同士の資料の貸し借りをすることを示します。
 申請した図書館は資料を借り受し、一時的に自館の資料として個々の利用者に貸出を行えます。
 もっとざっくり説明しましょう。
「最寄りの図書館には所蔵がない。けれど県内のどこかにはある本を取り寄せることができる」制度です。
 購入しない形で資料を用意する、所謂「リクエスト」ですね。
 ――それって県内の本は全部利用できるってこと?
 一概にイエスとは解答できません。
 その図書館の特色により、他館に貸し出せるものは制限があります。
 また、当然ですが自館の個人利用が優先。申請してすぐ準備ができるわけではないので、新刊や話題の作品には不向きと言えます。
 ――じゃあどんな本が欲しい時に使う制度なの?
 ズバリ一言。

「マニアックな資料が欲しい時」です。

 あぁ、もうこれ図書館業界の人に袋叩きに合いそうですね。(でもあながち間違っちゃいないはず)
 図書館は流行に左右されることなく資料を保存しているので、一度所蔵した資料を簡単に除籍できません。最寄りの図書館になくても、諦めるのはまだ早い! 案外どこかに眠っていたりするものです。郷土資料とかは特に当て嵌まりますね。
 私は以前、資料を手配する担当だったので、ぶっちゃけ「絶対ないだろ」「どこに需要あんだよ」「むしろどうして所蔵した(よくやった!)」という物を扱ったり……げふんげふん。
 もちろん、それでも準備できない資料もあるので、そういうときは素直に霞ヶ関へ足を運んでください。国立国会図書館大先生という最終兵器をお勧めします。

 図書館のサービスは使ったもの勝ち。
 せっかくです。端から端までいろんなサービスを試してみるのはいかがでしょうか。
(つづく)
(初出:2015年04月07日)
前へ1 ...... 10 11 12 13 14 15 16
登録日:2015年04月07日 15時28分

Facebook Comments

麻梨の記事 - 新着情報

  • 吾輩は司書である(29) 麻梨 (2017年04月19日 16時47分)
    外面はスペックの高い女子二名。ひとりは腐女子でもうひとりはダブルパンツ。見抜けるモノはそうざらにはおるまい……。人は見かけによらないというお話。(エッセイエッセイ
  • 吾輩は司書である(28) 麻梨 (2016年12月01日 15時57分)
    簡単に答えが得られない問題に対し、考える力を育てようと「図書館を使った調べる学習講座」ワークショップを担当することになり……。(エッセイエッセイ
  • 吾輩は司書である(27) 麻梨 (2016年07月02日 13時54分)
    マニアックスポット「目黒寄生虫館」に突撃。全長8メートルのサナダムシに仰天し、体内から引きずり出されるところを想像して怪しく身もだえする麻梨なのであった。(エッセイエッセイ

麻梨の電子書籍 - 新着情報

  • 吾輩は女子大生である 麻梨 (2014年07月19日 15時04分)
    女子大生、麻梨の日常と就活、就職までを記した悪ノリエッセイ22編。下着ドロにあった友人とその後の行方、理解してもらえない趣味など日常のあれこれに始まり、企業説明会、「お祈りメール」こと不採用通知について、「私服でお越し下さい」という面接などの就活エッセイも。「初めて人にいうんだけどさ」と前置きされて、なぜか性癖をカミングアウトする友人たち、人泣かせの彼女たちを潜りぬけ、見事、内定をつかめるか麻梨!(エッセイエッセイ
  • S――私が失恋(こい)したあなたの話 麻梨 (2014年05月06日 19時21分)
    端書は創立記念式典に出展するため文芸部のリレー小説をまとめることだった。役割を押しつけられることになった藍瑠が文芸部部室だった第四美術室に向かうと、そこにはひとり油絵を描く変わり者ヒナノがいた。部誌を渡す代わりにモデルとなり脱いだ藍瑠。絵の具を水場で落としているとそこに見慣れぬ青年が現れる。二卵性双生児のうら悲しいストーリー、いったんは幽霊となった学生とその案内役のヒミツ、机に書いたメッセージでやり取りする全日制と定時制の生徒とそれぞれの事情、体育倉庫に忍び込んだ小学生と女子高生の会話、二股を噂されるふたりの困惑。同じ高校を舞台に、それぞれの恋と想いがひとつに繋がっていく切ないラブストーリー。(小説現代

エッセイ/エッセイの記事 - 新着情報

エッセイ/エッセイの電子書籍 - 新着情報

  • 吾輩は女子大生である 麻梨 (2014年07月19日 15時04分)
    女子大生、麻梨の日常と就活、就職までを記した悪ノリエッセイ22編。下着ドロにあった友人とその後の行方、理解してもらえない趣味など日常のあれこれに始まり、企業説明会、「お祈りメール」こと不採用通知について、「私服でお越し下さい」という面接などの就活エッセイも。「初めて人にいうんだけどさ」と前置きされて、なぜか性癖をカミングアウトする友人たち、人泣かせの彼女たちを潜りぬけ、見事、内定をつかめるか麻梨!(エッセイエッセイ
  • 作家の日常 阿川大樹 (2014年03月29日 20時06分)
    「D列車でいこう」「フェイク・ゲーム」などの著作で知られる人気作家、阿川大樹氏のエッセイ「作家の日常」。オンラインマガジン騒人で連載されていた当作品に、第0回「小説家の誕生と死」――小説家になる前のエピソードを加えて再編集しました。小説家に必要な資質、仕事場・道具、編集者とのつきあい、印税と原稿料についてなど職業作家の日常を赤裸々に告白。氏のファンだけでなく、小説家を目指している人や作家という職業に興味のある方にもオススメのエッセイです。(エッセイエッセイ
  • ワールドカップは終わらない 阿川大樹 (2010年06月13日 17時23分)
    熱狂と興奮の中で幕を閉じた2002FIFAワールドカップ。日韓同時開催のワールドカップとして記憶にも新しい。ジャーナリスト/エッセイストの阿川大樹が1年半の取材と20日間のボランティア、5試合のスタジアム観戦を通じ、舞台裏、客席、オフィスや街…、多角的な視点で「事件」としてのワールドカップを描く。
    価格:315円(エッセイエッセイ

あなたへのオススメ

  • 吾輩は司書である(16) 麻梨 (2015年08月29日 14時35分)
    SF近未来クライムサスペンスにドハマリした著者。ドラマに頻繁に出てくる哲学に影響され、西洋哲学書を読んでみたのだけれど。(エッセイエッセイ
  • 吾輩は司書である(6) 麻梨 (2014年09月30日 18時42分)
    保育園・学童・図書館。道を挟んで小学校に囲まれ、保育園とは廊下でつながっている図書館。大群の子供に進撃され、遠慮のないカンチョーを喰らう筆者。園児たちとの関わり。(エッセイエッセイ
  • 吾輩は司書である(5) 麻梨 (2014年09月09日 13時26分)
    花も恥じらう二二歳、短大同期の三人で秘宝館「性神の館」に突入。がっつり解説コースを選んだ筆者たちが驚いたその内容とは?(エッセイエッセイ