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麻梨
著者:麻梨(あさり)
銀魂と廃墟と三浦しをんさんと箱根駅伝をこよなく愛する性別♀。最近の悩みは仕事帰りに寄ったプールで監視員のおじさんに(真剣に泳いでいたにもかかわらず)「大丈夫? ビート板使う?」と心配され、それをさらに職場で話して笑われたこと。大体毎日幸せに生きています。そう見えないらしいけれど。上記で勘のいい人ならうっすら察せる通り、書くことにおいてド素人です。
エッセイ/エッセイ

吾輩は司書である(19)

[連載 | 連載中 | 全29話] 目次へ
女子が一人では入れない店にランキングされるお店にも一人で行くという著者。入れないのにはきっと深いわけがある。その複雑な事情を紐解……。
 一人飯

 私の自慢は、ほぼほぼ好き嫌いがないことです。
 出されればだいたいなんでも美味しく頂きます。
 うちの母は料理がうまいので、わりとなんでも食卓に並びます。そのせいで、まるまるっとした成人になりました。この腹の肉はすべて母が悪いと思っています。
 就活のとき、趣味はなんですかというお見合いみたいな質問がたくさん飛び交いましたが、「読書」「サイクリング」「廃墟鑑賞」に次いで「食べる事」が趣味かもしれません。
 飯を食うことにおいて時間と労力を惜しまない。別にそれは高級食品・高級食材にこだわっているとかそういうわけではなく……。
 ワタクシ、六〇〇円のケバブを食いに行くために栃木から六本木に行くとかそういうアレです。世間一般のご意見で説明するなら、

 バカです。

 えぇわかっています。
 わかっていますとも!
 でもやめないもんね!
「お前せっかく遠出するんだから交通費より高いモノ食ってこいよ!」
「てか、なんで六本木でケバブなんだよ!」
 ツッコミは受け付けません。遠くのカッパドキアよりも近くの東京タワー(が、見える屋台)でいいんですよ! 私は!
 ちなみにこの春は突然オムライスが食べたくなって上野駅の「たいめいけん」へ。夏はハンバーグが食べたくなって浅草まで行きました。ヨシカミさん美味いです。
 電車も車も片道二時間くらいなら行動範囲内。先日は「寒ざらし蕎麦」という、まぁその名前の通りの製法の蕎麦を食すためだけに片道五五キロのドライブをしました。蕎麦より深刻なガソリン代!
 お一人様ご飯も特に違和感を覚えません。
 女子が一人で入れない店ランキングにノミネートされる寿司屋・居酒屋・焼鳥屋・牛丼屋・ラーメン屋・多国籍料理屋・中華料理店。むしろ一人で行きます。べつに一緒に行ってくれる友人がいないわけではありません。念のため。
 そもそも何故女性は一人で飲食店に入りづらいと感じるのか。
 適当にググってみました。
「席に通されて料理が来るまでの間のインターバルが苦痛」
「一人のところを見られたくない」
 ……運ばれてきた料理しか見ないのは私だけなのだろうか。
 わからないでもない。
 私自身一人で行きづらい店がないわけではないのだから。
 わからないでもない、のだけれど……。
 君たち、友人・彼氏と来てもごはん食べるまでケータイとか弄っている人も絶対いるよね?
 だったら一人でも変わらなくねぇ?
 ツッコミを入れたい。
 だがしかし、乙女心は沼です。きっと男子には底知れない複雑な事情があるのでしょう。紐解くのは面倒なのでフタをしました。あ、私女子だった。
 ちなみに最近のマイブームは上野のケバブです。
 ふらっと行ってふらっと食ってます。一人で。誰にも気を使わずに飯を食うという幸せも世の中にはあるんです。
 ……だからそんな可哀想なもの見る眼でこっち見るなってばよ。
(つづく)
(初出:2015年10月06日)
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登録日:2015年10月06日 19時30分
タグ : 一人飯

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