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麻梨
著者:麻梨(あさり)
銀魂と廃墟と三浦しをんさんと箱根駅伝をこよなく愛する性別♀。最近の悩みは仕事帰りに寄ったプールで監視員のおじさんに(真剣に泳いでいたにもかかわらず)「大丈夫? ビート板使う?」と心配され、それをさらに職場で話して笑われたこと。大体毎日幸せに生きています。そう見えないらしいけれど。上記で勘のいい人ならうっすら察せる通り、書くことにおいてド素人です。
エッセイ/エッセイ
【電子書籍】吾輩は女子大生である
女子大生、麻梨の日常と就活、就職までを記した悪ノリエッセイ22編。下着ドロにあった友人とその後の行方、理解してもらえない趣味など日常のあれこれに始まり、企業説明会、「お祈りメール」こと不採用通知について、「私服でお越し下さい」という面接などの就活エッセイも。「初めて人にいうんだけどさ」と前置きされて、なぜか性癖をカミングアウトする友人たち、人泣かせの彼女たちを潜りぬけ、見事、内定をつかめるか麻梨!

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吾輩は女子大生である


冒険パンツ

 私の中学時代の友人は山形・青森・東京・静岡・大阪などことごとく地元を離れている。
 生活力がなさそうな人に限って家を出ているものだから、新聞の死亡欄とかチェックした方がいいのだろうかと心配をしていた。
 そんなお節介をよそに、彼・彼女たちが地方に散って十ヶ月。年明けに会った様子だと、まぁそれなりに上手くやっているんだなぁと感心する。
 その矢先にパンツ冒険事件は起こった。

 東京に住む友人Aちゃんはあまり電話が好きではない。
 私達のやり取りは当初手紙という、明らかに暇を持て余している関係なのだが、その彼女から電話がかかってきた。アパートのコインランドリーで服を洗濯していたら、下着・シャツ・パジャマがなくなっていたらしい。
 私は「うわ、本当にいるんだな下着ドロ!」なんて軽いショックを受けながら「それでどうしたの」とおそるおそる聞いた。
「半分は干した」

 ……はい?
 思わず耳を疑った。
 半分ってなんですかAさん。
 聞けば、彼女がコインランドリーで洗濯した衣類は何日か溜めていたものらしい。
 一時間ほどして戻ってきたら、洗濯層の衣類が半分になっていたそうだ。
 そう、ハーフ。つまり、二分の一。
「洗濯機の上に、洗濯ものを運ぶためのカゴ(買い物カゴのような)を置いといたから、間違えたってことはないと思うんだよね。だってなくなったのは半分だし」
「まぁそりゃそうっすよねぇ。下着だけ盗まれたとかじゃないの?」
「下着はネットの袋に入れて洗っているんだけれど、半分なくなっていたよ。あと、毛玉のついたパジャマもなくなっていたの」
 ちなみに、盗まれた方の下着は買ったばかりのものだった。
 着古したシャツと真新しい靴下もない。
 ここまで来ると何を基準に盗まれたのか意味がわからない。そもそも盗まれたのではないなら半分だけかいつまむってのはどんな間違いなのだ。
 彼女は管理人さんに報告して、とりあえず盗まれなかった方の洗濯物を複雑な気持ちで干したそうだ。そしてその翌日。管理人さんがなくなったはずの洗濯物を見つけた。
 そう、帰ってきちゃったのである。
「あり得ないよね。もとの洗濯機の中になくなった下着とかパジャマ全部帰ってきているの。半分だけ乾いていて、半分生乾き。しかもネット袋のファスナーが全部開けられていて、下着が外に出ているし!」

 Aちゃんはぷりぷり怒っていたが(ほぼ笑っていたけれど)これはもう第三者としても笑うしかないだろう。
 少なくとも半分の衣類が確実に干されていたのは事実である。
 ちなみに警戒心が薄いのか女子力に欠けているのか、彼女はその帰ってきた下着も普通に着用している。メンタル強いっすねAちゃん。
 彼女は「一度盗んだなら返すなよ!」と言っていた。
 下着ドロ(仮)も盗まなかった下着……。興味本意だが、今度見せてもらおうと思っている。
(続きは電子書籍で!)
登録日:2014年07月19日 15時04分
タグ : 女子大生 就活

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