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青島龍鳴
著者:青島龍鳴(あおしまりょうめい)
青島龍鳴と申します。メタ化されたものしか受け入れられないこの時代で、黴の生えたような古臭いものばかり書いている時代錯誤作家です。既刊本「But the world is beautiful」。
小説/ホラー
【電子書籍】北の国の黒い刺客 眠太郎懺悔録(その三)
帝家の当主、梅岩の結婚式に出席した眠太郎たち。帰り道、微かな声が聞こえるが気にもとめない眠太郎。だが、それは最悪の災厄の序曲だった。次の日、葵を高校に連れて行くのが日課の眠太郎は、強力な遠隔の呪を受けて倒れてしまう。一方、葵は眠太郎を気にかけつつも、牧師に片思いするナオミに協力しようと教会に赴くが、そこに現れた牧師からは葵にしか感じられない悪臭を発していた。明らかに邪鬼に憑かれているか邪鬼そのものだったのだ。かつて北の国で起こした眠太郎の恐ろしい過ちが明らかとなる。己を許すことが出来ない彼は返ってきた刃にどう立ち向かうのだろうか? 闇に巣くう邪鬼を祓う退魔師の闘いを描いた眠太郎懺悔録第三弾!

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北の国の黒い刺客 眠太郎懺悔録(その三)


 第一章

 それは、月の明るい静かな夜のこと。

 帝家(みかどけ)の結婚式が行われた後、近くの飲み屋で二次会が催された。
 帝家といえば国内でも有数の家柄であった。闇に蔓延(はびこ)る魑魅魍魎(ちみもうりょう)を退ける役目を密かに政府から背負った一族である。全国の百名を越える霊的能力を備えた者たちを統べる、古くから伝わる名家であった。
 都内に構えられた広大な敷地を占める屋敷の、東の対と呼ばれる場所で式は執り行われた。東の院・一の院とも呼ばれるこの空間では、帝家でも格式高い儀礼が行われる。朱塗りの柱と金の屏風が眩い絢爛(けんらん)な社に、数十人の退魔師と政府の重鎮の集う豪華な神前式だった。
 事情に通ずるものでなければ、この式にどうして国会議員や高級官僚が名を連ねているのか分からなかっただろう。現に、役人のうちでも新参者の中には挙動不審に周りを見渡している姿もあった。この家系が国にとって絶対に欠いてはならないものである理由は、ほとんどの者が具体的には知らない。

 この結婚式はあまりに堅苦しいものだったため、誰もが一刻も早く式が終わることを望んだ。古くから決められた伝統行事とはいえ、一時間以上も立ちっぱなしで祝辞を聞かされるのだから全ての参列者に負担がかかってしまう。
 新郎である帝家の当主である帝梅岩(みかど ばいがん)が新婦である円(まどか)が貧血で倒れかけたとき、素早く対処して円を抱えた。この美談一つでもなければ、危うく『最悪の結婚式』と評されてしまうところだったろう。

 二次会の面子は六人。
 龍崎葵(りゅうざき あおい)は式の主役の一人、新婦の円の妹だった。帝家に古くから仕える“四大家”と呼ばれる家柄の子である。龍崎、木霊、月森、円角寺。この場には葵の他にも四大家の跡取りの多くが顔を連ねている。
 セミロングの栗色をした髪が瑞々しい葵は、今日の結婚式での感動を反芻して放心気味だった。誰もが疲労の色を隠さなかった結婚式で、唯一涙を流したのは彼女だった。つい数か月前まで少女マンガばかり読んでいた双子の姉が、いつの間にか若奥様だ。世の中、本当にわからない。
 まだ高校生の葵はオレンジジュースばかり飲んでいる。とはいえ酒が飲めなくても、周りの年長者たちの乱れぶりを見るだけでも楽しい。右肩にかかった髪を掻き上げると、隣席に座る丸坊主の頭が見えた。

 木霊硯冶郎(こだま けんじろう)は木霊家の嫡男である。彼の家系は実を言えば人ではない。人に化ける術を得た狸の一族である。
 剃頭(ていとう)に丸眼鏡、腰から垂らしたベルト。彼のあまり格好良いとはいえないトレードマークは全て人化術の未熟がゆえの産物だ。頭髪を創製することが出来ない点は、元々寺生まれなので言い訳は立つ。ただし視力を人間並みに上げられないのと、尻尾を隠し切れずにベルトに化けさせるしかないのは、明らかに技術力の不足を表している。
 飲み会だというのに焙茶(ほうじちゃ)ばかり啜っているのも、酔えば人化の継続を保証できないからだ。集中を欠いて鼻の脇からヒゲが飛び出ることなど、しょっちゅうなのだ。そんな禁酒を通さざるを得ないこの狸族の若者がこういう場に来るのは、とある女性の隣席に座る以外に目的はない。

 黄木真由(おうき まゆ)は結婚式には呼ばれず、二次会からの出席だった。
 今どき珍しい烏の濡れ羽色の髪が、滑らかな曲線を描く背中にかかっている。華奢な中にも丸みをしっかり帯びたバランスの良いスタイルのせいで、帝家に仕える若者なら誰もが浮いた妄想に駆り立てられたことがあるほどだ。
 彼女の出自は霊的能力に優れた家系の生まれではなく、強い力に恵まれているわけでもない。退魔の業界では“外生まれ”と称される彼女で、お役目といえば魔除けの香を売る店の経営者に過ぎない。だが整った顔立ちと謙虚な性格のために、本日の面子から色々と一目置かれている。このような場には欠かせない特殊能力の一種とも見紛う酒豪ぶりに加え、隣席の親友からの信頼が厚い。

 月森有紀(つきもり ゆき)は葵や木霊と同様に、四大家の跡取りと名高い女性である。
 親友の真由とは対照的なぽっちゃり体型の彼女だが、愛嬌のある朗らかな表情が皆を和ませる。
 出自は傍系だが、本家に跡取りがいないことと月森一族でも特別な力を持っていることから、月森家の後継者として期待を一身に受けている。ただし生来暢気者(のんきもの)の彼女は、重圧など感じていない。
 それが良いことなのか悪いことなのかは微妙なのだが、隣席の暢気のベテランと名高い先輩に倣っているのが現状だ。

 大北梨絵(おおきた りえ)は葵の伯母にあたる。飲み会が大好きな癖に下戸なので、烏龍茶などのノンアルコールしか飲まない。その割には一番盛り上がっているのだから不思議だ。
 退魔師のキャリア三十年を越える圧倒的な最年長なのだが、見た目の年齢差はさほど感じさせない。外見と実年齢が非常識にかけ離れているために、禁術によって若さを得た代償として肝臓を持って行かれたとも邪推されている。
 そんな梨絵の瞳は隣席の男に釘付けになっていた。目は驚嘆のあまり大きく見開いている。

 三年眠太郎(みつとし みんたろう)。
 出自は真由と同様、帝家とも四大家とも縁がない外生まれである。それどころか紆余曲折(うよきょくせつ)あって、親元どころか本名すら定かではない。昔話の登場人物を捩(もじ)った冗談みたいな名前は、仮名が定着したものだ。
 飲み会に誘われた時、性分が冷淡でいつも退屈そうに欠伸(あくび)ばかりしているこの男は全く乗り気でなかった。真由と梨絵の二人がかりで引きずられるように、たまには付き合えと無理矢理参加させられた。真由がゴリ押ししたのは、木霊が飲めもしない癖に参加したのと同じ理由からだ。梨絵が一緒になって引っ張ったのは真由への友情半分、やりこめてやりたい意地悪が半分だった。どうせ、酒が飲めないから嫌がっているに決まっていると高をくくったからだ。

 ところが。
 眠太郎は上背百九十センチの巨体という見た目を裏切らず、ピッチャーのビールを一気に飲み干してしまったのだ。
「うわばみ……」
 梨絵は二の句が告げなかった。酒が飲めない彼女からすれば、全くもって異常としか思えない。
「ちょっとあんた、大丈夫なの?」
 眠太郎の右隣に座った葵は、まず心配した。
 この男の肉体は、通常の人間のものとは違う。複数の邪鬼が寄せ集まった、群体なのだ。腰まで伸びた長髪を覆う緑色のバンダナは、後頭部にあるもう一つの顔を隠すためのもの。左腕は白蛇、右腕は肉塊の邪鬼、足は鼠の群れが化けている。今でこそ眠太郎の力で制御されているが、酒の力がそれを揺るがすかもしれない。木霊が自らに危惧したことより、遥かに危険な事が起こる危険も否めない。
「……うまいもんだな……」
 眠太郎は、皆とは違うところで驚いた顔をしていた。顔の上半分を覆ったサングラスが鼻までずり落ちた。酒を口にしたことがないような表情をしているが、この男なら本当にありえそうだ。
「……平気なの?」
 有紀が恐る恐る訊いた。今になって思えば、この特異な肉体を持った男に酒を飲ませるなど、軽率にも程があった。
「幸いにな、俺の体は人間と出来が違う。この程度の毒素なら即座に回復できる」
 眠太郎は梨絵が嫉妬で叫びそうになるような言葉を平然と吐いた。
 有紀の心配は的外れだったようだ。それにしても、なんとまあ便利な体だろう。一同は五人揃って呆れ果てた。
「凄いじゃないですか眠太郎さん、素敵ですよ。どうぞ飲んでください」
 頬を赤く染めた真由が、眠太郎のそばに置かれたグラスにワインを注いだ。
 なぜ真由の顔がワインのような色なのかを悟った木霊は、憤怒のあまりに焙茶の入った湯呑みを叩き割る衝動にかられたが、そもそも非力な彼にそんな腕力はなかった。
 眠太郎は勧められるままに杯を干した。
「これも、うまい」
 眠太郎は、素っ頓狂な声をあげた。サングラスの奥の目が、どんなにまん丸になっているのか想像するだけで、真由は可笑しくなって口元を隠して笑った。
「もしかして眠太郎さん、お酒は初めて?」
 眠太郎は黙したまま頷いた。
 この男にこんな可愛い一面があったことを知り、真由はますます頬を赤く染めた。
 その顔が美しく映れば映るほどに、木霊のメガネの奥の瞳は怒りに燃え上がった。

「こら木霊、帝五大美女がこんなに揃ってるんだから、もう少し楽しそうにしなさい」
 湯呑みを歯でかじり始めた木霊の左隣に移動した梨絵が、二マニマ嗤いを含みながら話しかけた。
「余計なお世話です。それに、何ですか五大美女って」
 木霊は憮然としながら質問を返した。
「何ですかも何も、そのまんまよ。帝家に仕える五人の美女、人は麗しき彼女たちをそう呼ぶのであった!」
 梨絵の無闇に楽しそうな様子には、木霊はときどき迂闊(うかつ)にも尊敬しそうになる。
「一人は愛らしき帝家の妻、マドカ……可愛いかったなあマドカちゃん……わたしが嫁に欲しいくらいだわ……。そして妹の、葵ちゃん。きゃわわ。あとあと、有紀ちゃんと、もちろん真由ちゃんと……」
 梨絵は左隣の姪っ子に抱きつきながら、勝手に作った設定を口走った。はにかんだ葵の笑顔は、普段ならば和ませてくれただろう。しかし、今の木霊にそんな余裕はない。
「はいはい。それ、四大美女で充分ですね」
 五人目を誰に指名するつもりか既に分かり切っている木霊は、オチまで聞きたくなかった。
「若い子オンリーじゃダメでしょ。一枠は美熟女入れないと」
 梨絵は当然のように言い切ったが、木霊には何がどうダメなのかわからない。
「そんな熟し過ぎた枠は要りません」
 ただでさえ真由のことで苛立っていた木霊は、言葉をオブラードに包むことができない。
「何さっ! そんなんだからモテないんだぞ、このドーテー!」
 売り言葉に買い言葉。梨絵もムキになって反論した。ここまで来ると、中学生の喧嘩と変わらない。
「梨絵さんは飲み過ぎです。飲み物を没収させて貰います」
 木霊は梨絵の目前から烏龍茶を取り上げた。アルコールを飲めない代わりに、ノンアルコールで酔っぱらえるのが彼女の得意技だ。
「わーん! 葵ちゃん! 木霊のヘタレが虐めるよう!!」
 梨絵が見え見えの嘘泣きとともに、葵に泣きついた。木霊からすれば、五十過ぎのオバサン(この禁句を口にしたら最後、木霊は呪によって去勢される危険がある)が二十歳前の少女に甘える姿は気持ち悪くて仕方がない。だが、梨絵はどういうわけかこのような真似をしても拒否されたのを見たことがない。木霊には実に納得がいかない。
「木霊さん。いくら梨絵お姉ちゃんが可愛いからって、いじめないでください」
 葵の口にはニヤニヤ嗤いが含まれていた。
「何なんですかこのデジャヴはっ!」
 木霊は色々なところで不満が絶えない。

 二重の悔しさに歯軋りをする木霊の向こうで、眠太郎が真由と有紀に酒を注がれ続けていた。二人の女性に囲まれる形に移動した眠太郎は、両側から注がれるビールを代わる代わる飲み乾している。
「ほら眠太郎さん、ダッシュ! ダッシュ!」
 有紀は両手のコップを代わりばんこに飲む仕草を、走行時の肘振りに擬(なぞら)える遊びを仕込もうとしていた。
「こうか?」
 体の大きい眠太郎が空いたグラスに腕をぶつけないように、真由はいそいそと片付けをしながら「こら有紀、変な芸を仕込むのやめなさいよ」と警告しながらも、ビールを注ぐ作業はやめない。
「いいじゃんたまにはこういうのも。はい! ダッシュ、ダッシュ、ここにダッシュ♪ あな〜た〜から〜♪」
 有紀が奇妙な拍子をつけて歌い始めた。高音が不安定で、元がどんな歌なのかも判別できない。
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登録日:2013年10月12日 11時18分
タグ : 眠太郎懺悔録

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