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かたやま伸枝
著者:かたやま伸枝(かたやまのぶえ)
1963年生まれ。NHK教育テレビ「おはなしのくに」原作でデビュー。現在「マイナビウーマン」などWebを中心に作家活動中。また占い師(中野占い館「ランプ」で「碧」名で所属)としても暗躍中。物書きとしても占い師としても、人の心の中にあるイワクイイガタイキモチを掘り出して言葉にすることがライフワークです(占い師としては個人の秘密は厳守します)。2013年 第二回空想科學小説コンテスト、巽孝之賞受賞。
小説/現代

天使の中指(6)

[連載 | 連載中 | 全7話] 目次へ
こんなに物事が自分の思い通りになったことってなかった! その至福感もつかの間に、辻森を襲う不安。勇気をふりしぼってかけたケータイの向こうからは派手な物音が響いた。−−桜子、今行くから待ってろっ!
 それからおれたちは、夜はプチメールはやめてじかに携帯で話をするようになった。
 昼間に何を食べただとか、毎週見ているドラマだとか、おたがいの友だちのことだとか、たわいもない話ばかりだ。
 だけど、その全部が大切だった。
 聞こえてくる声の一音一音が、砂金のようにキラキラと貴重だ。
 たとえば「トマトが大好き」なんてことが、何より大事な情報なのだ。
 しかし……それにしても桜子とは、会えそうでなかなか会えない。
 桜子は仕事、おれは学校とバイト。
 ヤケをおこして仕事先の前で待ってようかともいったのだが、桜子の勤めるエステは某マンションの一フロアを借りきって営業されている、とんでもなく高級なエステらしい。男がウロついてるのがバレたら首は必須だそうなので、やめた。
 毎日が、ものすごく満ち足りていながら、同時にカラカラに乾いていた。
 携帯だけが、おれと彼女を結んでいる。
 こうしておれたちは約六日の間、夜はずっと語り続け、あわただしい朝のおはようコールだけがプチメールになった。


 ヴィーーーン
 その日の午前中も大学の講堂に入るなり、いつものように胸ポケットの携帯がふるえた。
 おれは心臓に押しつけるようにすこし押さえたあと携帯を取り出した。
 午前十時三十五分。

< おはよう >

(努力してるなぁ)
 寝ぼけ眼の桜子が、目に浮かんできた。
 二時限目の終わりが十時三十分。三時限目のはじまりが十時四十五分。
 この間の十五分なら、すこしだけ話ができるといってあるのだ。
 もちろんすぐに、返事を返す。
「おはよー、辻森でーす」
「おっはよー、桜子でーす」
 こんなたわいもない会話でもう、顔がゆるんでしまう。
「今日は夜番だから、これからまた寝る」
「じゃあ、おはようじゃないじゃん」
「そう、ほんとはおやすみなんだよ」
 声って、すごいと思う。桜子の、すこしだけ焼いてある肌やちょっとだけ色を抜いた髪や強く射るような視線が、声を伝ってひどくリアルに感じられる。まるですぐそばにいるようだ。
 だがそんなすてきな桜子とはぜんぜん別の、ひどくイヤな雰囲気が隣からただよってきた。
 沢木が講堂に入ってきたのだ。おれは心持ちヤツに背中を向けかげんにする。
「おう、隣、開いてんだろ」
 声がしたが、無視して桜子と話を続けた。
「昼からバイト?」
「そうなんだよ、ローテーション。また会えないなんて、えらい残念」
 会話を割って沢木のあからさまで大きなため息が、聞こえる。
 そして教科書や金属製の筆箱をバサッ、カチャッと、わざと大きく音をたてて置くのも聞こえた。
 その何もかもが、神経を逆なでする。
 桜子との会話に集中できないのが、めちゃめちゃ腹たつ。
 だが沢木はそれだけではあきたらず、おれの肩を指でつついてくる。
「おまえさあ、講堂では携帯禁止って決まってるだろ? 切れって」
 低い声で圧力をかけるような、バカにするようないわれ方だ。
「ちょっと、待っててね」
 送話口を手のひらで強く握ると、おれはくるりと振り向いてどなった。
「っるせぇっ。そんなに携帯がヤなら、こっち来んなよ! おめぇはいっつも、うっとーしーんだよっ!」
 怒ったおれに、沢木はあきらかに驚いていた。
「な、なんだよ、だって講堂で携帯は禁止だって……」
「いわれなくても講義までには切ってやるって。そんなにイヤなら、おれのそばに来んじゃねぇ。おめぇみたいに、ちょこっと腕力が強いからって、かさにきて高飛車なヤツ、もうガマンできねぇんだよ。おれはずーーっとイヤな思いをしてきたんだ。でももう、おしまいにしてくれ。おれの前にそのツラを見せないでくれ」
 沢木は「頭の中が真っ白になった」という顔をしていた。そして「何いってんのかわかんねぇよ……?」と聞こえないくらい小さくつぶやいる。
「そうだよ。誰だってボコられんのはイヤだからな。だからいままで、もう何年もおとなしくいうことを聞いてきたんだよ。でももうごめんだ。おれはガマンしないで、いいたいことをいう。ヤならくんな」
 沢木は取り出した筆箱や教科書をしまうと、うつろな視線でおれの顔を見てから、座ろうとしていた席から離れた。
 そしてずっと斜め後ろの、おれの視界に入らない場所に消えた。
「ふん」
 おれは強く握っていた携帯を放すと、声を潜めるようにして話を続けた。
「ごめんね、お待たせ」
「ねえ、今度の日曜日か月曜日、空いてない?」
「あ、月曜なら空いてる」
「おっし、なら映画見に行こうよ!」
「うん、いいよ……あ、わるい、教授来ちゃった。詳しいことはまた、夜にでも話しよう」
「うん、じゃあね」
 頭が熱くなってジンジンしていた。けど気持ちは、ものすごくさっぱりしている。
 桜子とはじめてデートが決まったことと、沢木にはじめていいたいようにいえたこと。
 こうなればいいと強く思っていたことが、ふたつとも実現したのだ。
 気分のよくないわけはない。
 思えば、こんなに物事が自分の思い通りになったことって、今まであっただろうか。
 ない……よな。
 教授が教壇に入ってきて、講義がはじまった。
 おれは胸ポケットの携帯を軽く押さえると、となりにイヤなヤツのいない席で、のびのびと講義をうけた。


 学校が終わると、矢尾といっしょに帰った。
「実はさあ、バイトの口があるんだけど、のってもらえないかなあと思って」
「え、どんな?」
「んーとね、ある小さなコンピューターの会社なんだけど……」
 矢尾がいうには、要するに時間中ずっとネットサーフィンをしてればいいのだそうだ。そうして「いい」と思うサイトをピックアップする。または、おもしろいやりとりやネットバトルのおこっている掲示板をいち早く見つける、そんなことらしい。
「時給は最初、千二百円で、メルマガなんかに流せるようないいサイトを見つけられたら、一件五百円の歩合がついて……」
「え、千二百円! おれそんなにインターネットにくわしくないけど、いいの?」
「うん。いや正直、この仕事は誰にでもすすめられる仕事じゃないんだよ。のめり込み過ぎるヤツは続かないし、なまけものだと、ツテになったおれの信用が下がる。パソコン嫌いなヤツは論外だし」
「そっか、とりあえず応募してみるわ」
「ああ、こっちも助かるよ。じゃあ会社の人に連絡しとくから」
「よろしく。ところでさ、三宅なんかはさそわなかったの」
「あいつさ、今、体悪くしちゃってそれどころじゃなさそうでさ……」
「なんだ、風邪でもこじらせちゃったのか。おい、時間作ってこんど見舞いにいってやろうぜ」
 矢尾の顔が、苦いものを口にしたように曇った。
「……なあ、辻森はその後、桜子さんとどうなった?」
「ん、んーっと……」
 あれからおれも矢尾も、学内のどこであっても花見の話はさけてきた。
 いや逆に、うーんとしたことはしたのだ。
「あの胸はたまらない感触だった」とか「ったくおまえも好きだよなあ」とか。
 だけどそれは、あくまで核心にふれない程度の、いや核心にふれないための悪ふざけだった。
 顔を見るたびつい、愛梨ちゃんの胸をつかんでいた矢尾が……思い出すまいとすればするほど浮かんでしまうのだが、それを追い払うための照れかくしでもあったのだ。
 矢尾は今、あえてそれを聞いてきている。
「こんどの月曜日、初デートだよ。あの日……カラオケの日に桜子の部屋に泊まったけど、おれ結局寝ちゃって何にもしてないんだ」
 話をすると矢尾は、ちょっと安心したような、でも思い詰めたような顔で話しはじめた。
「これは、絶対にいわないでくれって、三宅に念押しされてんだけど……」
「あ、ああ。他のヤツには絶対いわない」
「もう絶対にな……あいつ風邪っていったけど、実はそうじゃないんだ」
「え、いったいどうしちゃったの?」
「ビョーキなんだよ、あっちの。しかも一種類じゃないんだ。ヘルペスと何とかと……トリプルでビョーキにかかって、レーザーメスでアレ切ったんだ」
「シエーッ!」
「モロ彩菜ちゃんにうつされたって。実家にバレると怒られるから、保険証も使えなくって金もエラいかかったらしいし、三宅はあれですごい繊細だから、今は落ち込んでひとりで旅行に出かけてるよ」
「すっげー。ムチャクチャかわいそうだな」
「頼むよ。誰にも、あと当人にもぜーーったいにいわないでくれ」
「わかってる」
「でだ。おれがいいたいのはもうひとつ、なんで三宅がそうなったかだ」
「あ……」
「彩菜ちゃん、エステティシャンなんかじゃないらしい」
「……じゃあ、何なのさ」
「何かわからないけど、風俗らしくて……」
「うそだ!」
 いや。ホントは、ずっと前からわかっていたような気もする。
 桜子の部屋に入ったときの、あの落ち着きの悪さ。矢尾にいわれたことで、今まで感じていたズレのすべてが、腑に落ちたような気分になる。
「辻森さ、おまえ、平気なの?」
 こたえる言葉はなかった。
 ずっとずっと、その可能性は極力考えないようにしてきたのだ。意識にのぼらせることすら、恐れてきたのだ。
「もうそれ以上、いわないでくれ。彼女は違うよ。絶対違う」
「ならいわないけど。でも彼女には、あんまり深入りしないほうがいいと思う」
「ありがとう……おれ、今日はもう帰るわ。履歴書、書いておくから連絡たのむ」
「ああ、助かる」
「何いってんだよ、助かってるのはこっちなのに」


 ムリに笑顔をつくって矢尾と別れた。バカじゃないかと思ったが、それからずっと泣きそうだった。
 まだ明るかった。三時ごろだろうか。五時からバイトだからそれまで少し時間がある。
 自分の部屋のドアを開けてほっとしたとたん、桜子の「もしかしたらの仕事」を想像してしまい、トイレに駆け込んで吐いた。
 すこし牛丼の味がする酸っぱ臭い液を手の甲でぬぐいながら、妄想はとめどもない。
 毎日毎日、ビデオの女たちと同じように、床に這いつくばるようにして、何人もの男の相手をする桜子。その姿は、想像の中でも妙に板についている。最低だ。
(落ち着け。もしぜんぜんちがったら……すっげぇバカみたいだぜ)
 トイレから戻ると、当たり前だが、部屋はいつもとかわりがなかった。
 深呼吸をすると、いつもの何倍もの勇気をふりしぼって、桜子にケータイをかけた。
 コール二回、三回、四回、五回……つながらない。
 いつもだったら、あきらめてまた時間がたってからかけるのだが、今はそれができなかった。それに留守電にもしていないから、いるんじゃないだろうか。
 十一回、十二回、十三回……我ながらどうかしている。
 あ、出た。でも声が聞こえない。

 ゴゾッ、ゴゾゾゾゾッ……

 マイクが布にこすれるような、リアルな音がする。
 耳をすますと、遠くから声が聞こえた。
「……何だよ、オトコかよ……オレの他にオトコがいるんだろう。やっぱりそいつも客なのか……」
「うるさいわねっ、何がオレの他によっ……アンタなんか、あたしの何でもないでしょうっ! 鍵、返しなさいよっ、勝手に合い鍵なんか作って!」
「何だ、ふざけるなこのバカ女!」

 ガタンッ、バシャンッ……ガッチャーン……

 人が暴れたような音のあとに、食器棚の倒れたような派手な物の壊れる音がした。
 桜子の部屋……桜子が、誰かに襲われている!?
「桜子、今行くから待ってろっ!」
 おれはさっきまでの不安をあっさりと捨て、スニーカーを突っかけるとケータイを片手にしたまま、桜子の家まで走り出していた。

(初出:2001.07)
(つづく)
(初出:2001年07月)
登録日:2010年06月15日 17時20分
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