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天生諷
著者:天生諷(あもうふう)
極々平凡な会社員。毎日楽しい出来事はないかと、心の中で模索しながら生活をしている。旅行と昼寝をこよなく愛し、読書とゲームが生きる原動力となっている。群馬県在住。
小説/推理

世は並べて事も無し アノ子の理由(18)

[連載 | 完結済 | 全20話] 目次へ
体育館に集まったギャラリーを前に、ついに真理の推理が披露される。志保の飛び降り自殺、ムマの強姦事件、見えない犯人による殴打事件、美術室での爆発――。何がどう繋がっていただろうか?
 七章 Quod Erat Demonstrandum(証明終了)

 杏子の掛け声により、体育館に緊張の糸が張り詰めた。見えない糸を手にしている人物。珠洲真理は皆に突きつけた鉄扇を手の中で回転させ、自らの肩をトンッと叩いた。
「……珠洲君。私は田島さんを保健室に連れて行くから」
 美保が泣き崩れる田島を立たせ、その場を立ち去ろうとする。真理は開いた扇子で首筋を扇ぎながら、流し目を美保ではなく田島に送った。
「田島、帰っちゃうのか?」
「何を言うの珠洲君! 貴方がそんな悪ふざけをするから! 田島さん、大丈夫だから、あれは珠洲君のイタズラだから」
 美保の反論を予想していたのだろう。真理は扇子を勢いよく閉じた。パチンッと、甲高い金属音が体育館の濃密な空気に響いた。
 田島は扇子の音に反応し、僅かに顔を上げた。
「田島の受けた屈辱、悲しみ、恐怖は俺じゃ消せない。朝輝だって、杏子だって、そこにいる真壁先生にも保健の先生にも消せはしない。良い所、美辞麗句を並べ立て、仮初めの安心を与えるだけだ。俺は、田島の受けた傷を乗り越えるチャンスを与えることが出来る」
「……本当?」
 田島は涙を拭った。肩を掴む美保の手を振り払い、縋るように真理を見つめる。
「約束する。だって、以前に杏子が約束しただろう? 『絶対に大丈夫だ』ってね」
 真理は横に並ぶ杏子にウインクする。杏子はバツが悪そうに口をへの字に曲げた。
「でも……」
 美保は不安そうに田島の横顔を見つめる。生気を失ったかのように、田島の顔は青白かった。
「大丈夫だよ、先生。すぐに終わる。今の時刻は、五時半。確か、今日の日没の時刻は十八時三〇頃。うん、丁度日没までには終わる。小説で言えば、残すのは最終章ってとこか」
「珠洲、本当にこの事件に終止符を打てるのか?」
 松下が尋ねる。
「もちろん。その為に俺が来た。この茶番劇に幕を下ろしにね」
 真理はポケットに入っていたモノをアサギに放った。アサギはそれを両手でキャッチする。
「フラッシュメモリーだ。アサギ、それをタブレットに入れて、プロジェクターで壁に映し出してくれ」
「ああ、少し待て」
 目を細め、真理は西日を見た。低い位置にある太陽だが、まだ校舎の上にある。
「えっと、私はこっちよりで良いかしら?」
 コソコソと、朝輝が真理の横に来る。杏子は、ちゃっかり真理の横に並んだ朝輝を睨み付けた。
「貴様、何故こっちに来る」
「何故って? 私は真理に頼まれたのよ。ほら、此処にいる人、みんな私が集めたんだから。時間稼ぎだってしたのよ? 迫真の演技だったでしょ〜。他にギャラリーがいないのも、私が張り紙を貼ったし、S−NETで嘘の情報を流したの。謎解きは、夕方五時から神社で行うって。あっ、もちろん、松下先生に許可を貰ってね。今頃、何も知らない人達は校舎北の神社でアンタの到着を待っているわよ」
 ペラペラと喋る朝輝の口を無造作に手で押さえた杏子は、真理に真偽を確認する。手の中で、モゴモゴと朝輝が何かを言っていた。息が出来ないのだろう、顔を真っ赤にしていたが、杏子は知らぬ顔で放置している。
「ああ。俺が朝輝に頼んだ。俺が到着するまで時間を稼げって。お前達はまともな世間話一つ出来ないんだ、場を持たせることは出来ないだろう?」
「確かにそうだが、あれはいささかやり過ぎだろう」
 杏子は青い顔をした朝輝を突き飛ばすように離した。
「ちょっ! アン子! アンタ、私を殺す気!?」
「殺す気だと?」
 杏子は汚物を見るかのように冷たい視線を朝輝に注ぐ。
「殺すつもりだったに決まっているだろう」
「アンタね!」
 掴み掛かろうとする朝輝を、真理の扇子が止めた。アサギの準備が整ったのだ。
「漫才はそこまでにしとけ」
『漫才じゃない』完璧にハモらせた二人を無視し、真理は壁に映し出された映像を見た。
 体育館の壁には、これまでに起きた事件が年表のように記されていた。二段に分けられた映像は、上段に日時を、下段に内容が書かれていた。
「これから、俺と東光が事件のあらましを読み上げます」
 真理は東光を見て、頷いた。
 杏子と朝輝のやり取りで、一瞬和んだ雰囲気になった体育館だが、真理の言葉が紡がれる度に、緊張感が増していく。
 まず口を開いたのは、東光だった。
「三月二三日から二四日の未明、真壁志保が校庭の時計台から飛び降り自殺をする。
 三月二四日、早朝、真壁志保の遺体が発見される。同時に、時計塔に『天よりの死者、降臨し望みを叶えん』という血文字が記される」
 東光が朗々とした声で読み上げる。頷き、変わって真理が読み上げる。
「三月二五日、警察が志保の体から、男性の精液と指紋が発見する。その指紋と精液から、相手は野木政志であると判明。強姦致死で十年間服役し、六年前に出所した男だ。オカルト全般に精通し、すこぶる頭の切れる頭脳犯で鬼畜だ。彼の指紋は学園中にあった。新しいものから、古いものまで、ね」
 ピクリと、田島の体が震える。真理は田島を見つめ、更に続けた。
「残念ながら、野木政志の行方は今でも掴めていない」
 真理が言葉を切ると、それが合図であるかのように東光が語り出す。
「時間は飛んで。四月一四日、放課後。校庭で再び事件が起きる。橘ヒカルが中庭にて見えない何者かに襲われる。
 そして、同時刻。中庭の時計塔に、『天よりの死者、降臨し望みを叶えん』という文字が再び書き記される。この一文を誰が書いたのか、その場にいた四名、橘ヒカル、矢上雄平、三木歌音、伊藤空太は見ていない」
 今度は真理だ。
「更に、同じ四月十四日、放課後。田島麗華が、ムマによって強姦される」
 真理の言葉に田島は俯くが、先ほどのように取り乱したりはしない。深呼吸をした後、田島は毅然とした表情で顔を上げ、小さく頷いた。
 再び東光だ。
「四月十七日、放課後。伊藤空太がグランド脇にある倉庫で見えない犯人に襲われる。やはり、この事件も目撃者無し。殴られた本人も、やはり何も見てはいない。この事件は、警察沙汰にはなっていない。
 時間は二日飛んで、四月十九日、放課後。美術室で謎の爆発が起きる。窓ガラスが割れ、釣り下げられていた巨大なカンバスに赤い文字が記される。内容は以前の二件と同じ、『天よりの死者、降臨し望みを叶えん』というものだった」
「んで、同じ四月十九日、放課後。音楽室で御厨杏子がムマによって強姦されそうになる」
 確認するように、真理は杏子を見る。驚いた一同の視線を受けながらも、杏子は怯むことなく「ああ、その通りだ」と答えた。
「杏子、貴方……」
 朝輝が歩み寄ろうとするが、杏子は「うざい」と無下な言葉を投げかけた。
「それで、四月二三日。本日に至る」
 と東光は締めた。
 勢いよく扇子を開いて、真理は皆の注意を集める。彼の一挙手一投足が、場の空気を引き締める。
「先ほど上げた中で、東光が語った内容は真壁志保に繋がる事件です。俺が読み上げたのは、ムマの関連する事件。こうして見ると、この二つは何の接点が無いように思える。だけど……」
 真理はアサギを振り返って頷く。アサギはテンポ良くプロジェクターの映像を切り替えた。
 映し出されたのは、S−NETの文面だった。それは、志保が在籍していたとみられるS−NET、ミューズの最後の書き込みだった。
「まず最初、杏子は正義部存続という、全くもって非生産的な目的の為に俺と東光、アサギをこの事件に巻き込んだ」
「非生産的ではない」
 腕を組んだ杏子が真横で反論するが、真理は全く無視。杏子の言葉が聞こえなかったかのように、話を続けた。
「その内容というのは、四月十四日に起きた一連の事件を解決する。そうすることで、正義部の有用性を証明し、存続させると言う事だった。だけど」
 真理は言葉を切り、疲れたように杏子を見る。
「私は偶然にも。本当に偶然なのだが、私と真理は生物室の控え室で、アサギの使っていた棺桶の調子を調べていた。あの狭い棺桶に、二人で仲良く入ってな」
 最後の部分を強調した杏子は、朝輝を見て口元を歪ませる。途端、朝輝が顔を真っ赤にして口を開いたが、それよりも先に杏子は続けた。
「そうしたら、私は田島女史と、そこの貧乳が話している内容が聞こえたのだ」
「……そこの貧乳ってのは、私なのよね?」
「当然だろう、洗濯板。田島女史は、噂のムマに襲われたという。私は思った。もしかしたら、田島女史のように、言い出せないだけで沢山の犠牲者がいるのではないかと。義憤に駆られた私は思った。どうせ正義を執行するのだ、一つも二つも同じだろうと」
「ノリ、軽すぎだから」
 絶妙のタイミングで朝輝が突っ込む。
 一旦止まった杏子の言葉尻を、真理が掴み取る。
「まあ、そんな軽いノリで始めたムマの強姦事件。当初の目的であった血文字と橘先輩の事件を調べていた俺達は、S−NET行き着いた。ここに記されているのは、真壁志保が在籍していたと思われるS−NET、ミューズの内容です。見て分かる通り、記事は三月二十日から、志保が自殺する三月二三日までです。この記事を書いた後、真壁志保は飛び降り自殺をしました」
 真理は言葉を止め、一同を見渡す。美保は顔を背け、橘は唇を噛み締め、両手を握り締めていた。矢上雄平、三木歌音、伊藤空太は何の表情も浮かべずに映し出される映像を見つめていた。
「見て分かるように、この記事の中に『あのS−NET』と言う言葉と、『ムマ』という単語が出てくる。このS−NETの記事が俺達を混乱させた。これまで、二つの事件は別だと思っていた俺達は、二つの事件は繋がっているのではないか、そう思ってしまった」
「そうだな。真理が述べた様に、真壁志保の遺体は性交渉の形跡があった。その事が余計に私達を混乱させた」
 アサギが頷く。
「誰かが仕掛けたミスディレクションに、俺達はまんまとはまった。志保の死は、ムマが関係しているのではないか? 野木政志がムマと関係があるのではないか。そう思ってしまった」
 真理は左手に扇子を打ち付ける。
「しかし違う。この二つの事件に接点は確かにある。だけど、全く別物なんだ」
「違うのか?」
 杏子が驚いたように尋ねる。
「違う。二人がいつまで経っても真相に辿り着けないのは、この二つが関係していると思っているからだ。この二つの事件は、全くの別物として考えるべだったんだ。偶然、ミューズの中の書き込みに、ムマの名前が出てきた。それだけのことなんだ」
「真理、これは志保先輩が在籍していたS−NETなんでしょう? 文面を見る限り、志保先輩はRISだとして、他の三名は誰なのよ?」
 朝輝の疑問はこの場にいる全員の疑問だろう。数秒、間を溜めた真理は「それは、おいおい教えるよ」と、話をはぐらかす。
「確かに、これを見ちゃうと、オルレアンと、ニースと、マルセイユが誰なのか気になるかも知れないけど、その三名とムマは全くの無関係なんだ。先に、ムマの事件を解決しようと俺は思う」
 真理が手を上げると、アサギがプロジェクターの映像を止めた。
「まず、ムマなんだけど、アサギに調べて貰った所、五年ほど前からムマの名前がS−NETで話題になっている」
「当時は、散発的で学園の七不思議的な扱いだったみたい。ムマが多く登場するのは、三年ほど前からよ」
 アサギが答える。
「俺達は、ムマの存在を明確にする為、S−NETを探したが、どうしても肝心のS−NETに辿り着けなかった。S−NETに存在すると思われる結社。その名前も素性も分からないが、ムマが関係しているという噂だけは消える事が無い」
 真理は言葉を止める。
「アサギ、お前なら分かるだろう。ムマとは何だ?」
「何だとは、どういう意味? ムマという存在? それとも『ムマ』という名前の意味?」
「名前の意味だ。仮面のサバトに在籍しているお前なら、分かるはずだ」
 真理に言われ、アサギは眉を寄せ考える。
「三木はどうだ? ムマの意味、お前に分かるか?」
 話を振られた三木は、意外そうな顔をしたが、アサギと目を合わせるとプイッと顔を背けた。
「分からないわ。……私にも分からないんだから、そこのアサギにだって分からないわよ」
 三木の言葉に、アサギは「うっさいわ、ボケ」と、聞こえるように呟く。姿はまともになっても、この辺りはアサギのままだ。この口の悪さはコスプレ時の演技ではなく、素なのだろう。
 少し間を置いたアサギは、確認するように小さな声で答えた。
「『ムマ』とは、夢の悪魔と書く、『夢魔』の事か?」
「ん、三〇点だな。杏子がアン子と呼ばれるように、夢魔はムマと呼ばれている。そして、本来の意味、夢魔を遡ってみると、ナイトメア、『Nightmare』となる」
「ゲームなどに出てくる、馬の幽霊の事か?」
「杏子、それは違うよ。『Nightmare』の『mare』は牝馬という意味で、そのまま牝馬と誤解される。その誤解が、悪魔じみた馬のイメージや、馬に乗る騎手を連想させるんだ。本来の意味で言えば、インキュバス、若しくはスクブスだな」
「それもゲームで知っている。チャームというイヤらしい魔法を使ってだな……」
「杏子、茶々を入れるな。まあ、合いの手を入れてもらった方が説明はし易いけど、もう少しまともな合いの手は入れられないのか?」
「これでも真面目にやっているのだがな……」
「真理、アン子と話しているだけ時間の無駄よ、さっさと先を勧めて頂戴。そのインキュバスとスクブスが、一体どうして仮面の男、ムマと関係しているのよ」
「ああ、そうだったな。西洋のオカルトでは、インキュバス、英語で『Incubus』と言うのは、悪霊であり悪魔の顕(けん)現(げん)であって、眠っている女性とセックスすることにより、悪魔を生ませるとある。眠っている男性と交わるのは、スクブス『Succubus』と言う事になっている。
 面白いことに、インキュバスとスクブスに関して言えば、夥しい量の文献が生まれているんだ。その中でも、一三世紀のトマス・アクィナスは『三位一体論』で、インキュバスとスクブスは、両性具有の悪魔だと言っている。彼は、この悪魔は男性の体から精液を抜き取り、それを女性の体に注入できると言っているんだ。実際にいたら知らずに妊娠だもの。本当にいたら、これ程はた迷惑な悪魔はいないね」
 真理は笑うが、誰も笑うものはいなかった。
 全く意味の分からない説明。ムマから悪魔学へ流れるように話は移行していった。説明されれば、夢魔もインキュバスの事も分かるが、それが事件とどのように繋がるのかさっぱり分からない。結局、誰にも邪魔されることなく、真理は流暢に話し続ける。
「なんやかんやで、インキュバスとスクブスは、しばしば議論の的となったわけだ。中世ヨーロッパ、キリスト教圏では禁欲的な生活をしていた人も多かったんだろう。インキュバスとスクブスの話題は尽きなかったはずだ。今なら生理現象の一言で済まされる夢精をしたら、やれインキュバスが出た、となってしまうんだからね。こんなご時世、特に面白い意見を述べているのが、シニストラリと言う人物だ」
 真理は、チラリとアサギを見る。アサギは、真理が言おうとしている事の意味が分かったのだろう。ゴクリと唾を飲み込んだ。
「ルドヴィコ・マリア・シニストラニはフランチェスコ会の修道士で、アヴィニョンの大司教の、司教総代理にまでなった人物だ。彼は、『デーモンの本姓について』という本を出していて、シニストラニ曰く、インキュバスとスクブスは実際には悪魔ではなく、ディアカの様な幽霊の同義語であると述べている」
「ディアカってなんだ?」
 真理の独壇場に足を踏み込んだのは、伊藤空太だ。彼は感情の掴めない眼差しを真理に注ぐ。真理は口元に薄い笑み浮かべ、アサギに顔を巡らせる。一同の視線が、真理からアサギへと注がれた。
 溜息をつき、アサギは真理の横へ並ぶ。
「良いだろう、真理のように上手く出来るか分からないが、私が説明してやる」
 凛とした細い声が、静まりかえった体育館に響く。
「ディアカとは、アメリカの心霊主義者、アンドルー・ジャクスン・デイビスが生み出した言葉だ。デイビスが言うには、サマーランドと呼ばれる霊の土地に住みながら、地上の人間の生活を乱す事の出来る『道徳的な欠陥と不浄な性質』をもつ霊の大集団の事を指す。取り分け、ディアカは降霊会(サバト)に引きつけられると言われている」
「……と、言うわけなんだ」
 真理は胸を張り、鉄扇を開いて口元を隠した。
「………」
「………」
「………」
 深い沈黙が体育館に降りる。この中で話を理解できているのは、真理とアサギだけだろう。東光は腕を組み、目を閉じている為、起きているのか眠っているのかさえ判断できない。
「……ちょっと待て、真理。と言うわけ、とは何だ?」
 しらけた視線を一身に受ける真理は、杏子の質問に眉を歪ませた。
「だから、説明しただろう? ムマの所属するS−NETの名前さ」
「だから、そんな物何処にあった? 例えあったとしても、そんなジミーなS−NETなど、誰も知らないぞ!」
 杏子の言葉に、真理は渋面を浮かべる。体育館にいる全員を見渡して、杏子と同じように頭に疑問符が浮かんでいることを確認する。
「……実は、意外に有名なS−NETなんだよ」
「サバトの名の付くS−NETは、探してみると一つしかない」
 アサギの言葉に、体育館にいる全員が「あっ」と声を上げた。この学園で、時雨アサギの奇行を知らぬ者はいないだろう。そして、彼女が所属しているS−NETも。アサギを見て、誰もがあのS−NETを思い描いたはずだ。
「そうよ、私の所属する『仮面のサバト』、主催者のハンドルネームはディアカ。仮面のサバトこそが、ムマの温床だったわけね」
「ああ、アサギは俺に説明したよな? S−NETの中でも、取り分け匿名性が高いS−NETだと。発足自体は五年ほどしか立っていないが、着実にメンバーを増やしていると」
「発足は、ムマの噂が流れ始めた頃か」
「俺がムマがサバトのメンバーだと確信したのは、彼らが付けている仮面さ」
 真理は自らが投げ捨てた仮面を手にする。白いのっぺりとした仮面だが、目の部分が鮮やかに赤く染められている。
「サバトのメンバーは、一目でそれと分かる合図があるだろう」
「いつだったか、真理に話したわよね。サバトのメンバーは、コスプレ(・・・・)をする」
「だな。アサギの様にずっとコスプレしてるヤツは皆無だろうけど。事実活動する時、一部の男性メンバーは皆この仮面を付けていたはずだ」
「一部の男性メンバーとは?」
 嗄れた声で高嶺が聞いた。彼は、興味深そうに真理を見る。
「このサバトこそ、噂のセックスサークル。フリーセックスのS−NETだからだ」
 体育館にどよめきが走る。

 パンッ

 少し強めに鉄扇が左手に振り下ろされた。皆、その音で口を閉ざす。
「サバトには、大きく分けて二つのグループが存在している。一つは、アサギの所属する、普通のオカルト関係を取り扱うS−NET。もう一つは、特定の人物たちでセックスを楽しむグループ。後者のグループは、常に十名程のメンバーがおり、先輩から後輩へと受け継がれ、その際に仮面も一緒に引き継がれる」
「珠洲君、私を襲ったのは、サバトのメンバーなの?」
 田島は真理に尋ねる。真理は一拍間を置いてから、首を横に振った。
「いや、確かにムマは、仮面のサバトのメンバーだ。だけど、田島さんを襲ったのも、杏子を襲ったのも、この学園の在籍してるメンバーではない。そもそも、仮面のサバトは、本物のムマの行為を隠す為に作られたと言っても過言ではない」
「だけど、ムマはフリーセックスをする集団でしょう?」
 真理は頷く。
「その通り。だけど、それは強姦する、という意味じゃない。彼らは、お互い合意の上でセックスをする。純粋に、セックスを楽しんでいるだけだ」
 真理は言葉を切り、鉄扇を一名の女性に突きつけた。女性は銃を突きつけられたように戦き、美保の影に隠れた。
「そうですよね、橘先輩。貴方はサバトのメンバーであり、ムマの相手をしていた」
「……違う、私は……私は……」
 橘は必死に否定しようとしているが、次の言葉が出てこない。真理は追究を止め、再び皆に向かって声を張り上げる。
「本当の強姦者は、仮面のサバトを作り出した人物なんだ」
「S−NETを隠れ蓑にしたというのか? 誰が、何故そんな手の込んだ事を? それに、サバトが出来たのは、五年前と言っただろう?」
 松下が誰しも思う疑問を口にした。真理は松下に顔を向ける。
「先生からそんな話を聞くとは。先生はS−NETの事を何も分かっていませんね。S−NETを舐めてますね」
「……一週間前まで存在すら知らなかったお前が、それを言うか?」
 杏子のツッコミに、バツの悪い表情を浮かべた真理は、誤魔化すように咳払いをした。
「S−NETは、この学園の関係者ならば、誰だってOKなんですよ。松下先生だって、IDは持っているはずです。生徒主導と言う事になっているけど、実際はハンドルネームだけで情報のやり取りを行っている。だから、誰がやっているかなんて分からない。ま、それが魅力なんだろうけどね。
 本当のムマは、自らの欲望を満たす為、サバトを立ち上げた。恐らく、最初は仮面を付けたメンバーを集め、時間と場所を決め、性交渉に耽っていたんだろう。仮面さえ付ければ、制服を着ていれば誰も生徒である事を疑わない。それに、在校生同士が遊びでセックスするんだ。仮面がないと流石に気まずいだろうからね。だけど、ムマは満足しなかった。彼は、根っからの強姦者であり、サディスティックな性癖の持ち主だったんだ」
「……じゃあ、ムマが強姦を始めたのは」
「普通のセックスじゃ、満足できなかったんだろうね」
 田島は目を伏せる。
「そこからは、サバトはオカルトのS−NETとして巨大化していき、メンバーを集めることになる。先輩から後輩へ仮面が引き継がれると言った通り、仮面をもらえるのは、顔見知り同志でのやり取りだから、不特定多数に情報が漏れる事は無い。場所はS−NETの中でやり取りし、後は定刻通りにその場所へ仮面を付けていけば良い。そこから先は、本人達の自由でって事になる。恐らく、唯一の決まり事は、仮面を付けることと、日時を合わせる、その程度の事だったんだろう。本当のムマが動く時、別のムマも一斉に動いていた」
「だから、この間は複数のムマが同時に目撃されたのか」
 アサギが唸る。
「ああ。東光とアサギが美術室に行ってる時間、丁度その時間にムマが活動していたんだろう。だけど、あの爆発騒ぎで学校中が騒然となった。そうなれば、落ち落ち情事に耽っている場合じゃなくなる」
「事実、橘先輩が襲われた際、ムマも目撃されている。橘先輩が中庭で襲われた日、その日に田島がムマに強姦されている。そして土曜日、美術室で爆発があった日に、杏子が襲われている」
 自分の行為をバラされ、橘は冷たい床に腰を落として俯いていた。美保が何かを囁いていたが、橘は微動だにしなかった。
「さて、此処まで話せばもう分かるだろう。本物のムマの特性を俺が話の中で上げたからね」
「犯人は、野木政志だと言いたいのか?」
 杏子が驚いたように呟く。誰もが息を飲み、お互いの顔を見合わせる。このメンバーの中に、野木政志など存在していない。
「ああ、そうだよ。杏子と田島さんを襲ったのはムマは、野木政志だ。そして、野木政志と真壁志保は、昵懇の仲にあったと俺は思っている」
 右手で鉄扇がクルクルと回る。傾いた太陽は、禍々しいほど赤い光を体育館の中に投げかけた。ゆっくりと、東光が西側の入口の前に立った。
 扇子が、ゆっくりと回転し、ピタリと止まった。バッと広げられた鉄扇。桜の花弁が西日を受けて禍々しく輝いた。
「俺の話、たぶん全て当たっていると思うけど、どうですかね、高嶺健治さん。いや、これからは野木政志と呼んだ方がいいかな?」
 ステージの前に立つ野木政志に真理が微笑んだ。近くにいた田島が、小さな悲鳴を上げて高嶺健治だった男から離れた。
 どよめきが体育館に広がる。松下と美保が、生徒を守るように手を広げて立ちはだかった。
「……珠洲君、何を言っている。野木政志は、確か三十半ばだろう。私は、どう見ても六十を過ぎている」
「見た目、ではね。本当の高嶺健治さんは、遠く離れた都内の橋の下で、段ボールの家に住んでいる。知り合いの警察関係者から確認したから確かなはずだ。今の世の中、戸籍だって金で売買できる時代だ。実家が資産家である貴方なら、戸籍を新しく買い、整形することだって可能だ」
「………」
 政志は答えない。ただ、今まで曲げていた背中を伸ばした姿は、とても六十を過ぎているようには見えなかった。暗い眼差しが、松下、美保、東光、真理の順に注がれた。
「……なるほど。やはり、君は危険だったな。いつから気がついた?」
 躊躇うことなく、政志はポケットから小ぶりのナイフを取り出した。それを見た田島は恐怖の余りその場に蹲ってしまったが、真理は眉一つ動かさずに政志の質問に明瞭な声で返した。
「切欠は、志保の遺体から貴方の指紋と精液が採取されたことからだった。貴方は、もともと此処らの出身じゃない。そんな野木政志が、人目の多い学校にまで侵入して凶行を行うとは思えない」
「貴方が! 貴方が志保を殺したの? そうなんでしょう? この人殺し!」
 美保が叫ぶ。政志は憐憫の表情で一人叫ぶ美保を見つめる。
「俺は殺しちゃいない。確かに、最初は一人残って絵を画いている志保を強姦したが、殺してはいない。少なくとも、俺も彼女も、最後の方は合意の上で体を求めあっていた」
「嘘よ! 志保がそんな……そんなはしたないことを……」
「お前だって、同じだろうがよ」
 政志の瞳がギラリと輝く。美保は気圧されたように一歩後退した。
「真壁先生。少し、黙っていてもらえませんか?」
 扇子を閉じた真理は、ゆっくりと夕日に向かって歩く。
「怪しいと感じたのは、貴方がフリーセックスのS−NETの存在を知っていたから。言葉は悪いけど、六十を過ぎたお爺さんがS−NETに興味があるとは思えない。何よりも怪しいと思ったのは、用務員室にあった本だ。あれは、『アブラ・メリンの聖なる魔術書』だろう。生徒から没収したと言っていたが、そんな事あるわけがない。あの牛革の装丁に、背表紙に打たれた薔薇の描かれた特徴的な鋲。あれは、一八九八年にマグレガー・メイザーズによって刊行されたものでしょう? そこらの高校生が手にできる代物じゃない」
「すでにあの時から私を怪しいと思っていたのか?」
「……いや、まだ怪しいとまでは思っていなかった。ただ、引っ掛かってはいた。野木政志はオカルトに精通していたって話だったからね。それに、アンタは志保と親しかったんだろう? 貴方が話してくれた志保の話、それは本当だと俺は思った。だから困惑した。志保が自殺した理由。それが全く理解できなかったから」
 真理は足を止めた。今度は、夕日に背を向けて歩き出す。
「でも、先週の土曜日、俺は美術室でその理由を突き止めた。志保の自殺の理由が分かった時、ムマの事件と殴打事件が別物だと言う事が理解できた」
「だから事件から降りたのか? 何故、戻ってきた?」
「杏子がいたから。理由はそれ以上でもそれ以下でもない」
 政志は真理から杏子に目を向ける。杏子は怯むことなく、その視線を受け止める。
「その女が襲われれば手を引くと思ったが、俺の誤算だったか……」
「当然だ。私の正義はその程度の事では挫けぬ。私を止めたければ、この心臓の鼓動を止めることだな!」
 自らのふくよかな胸に、杏子は親指を突き立てた。
「アサギが怪我をし、杏子が襲われ時、俺は自分の甘さを悔いた。俺と東光だけならば何て事は無いトラブルだけど、二人が巻き込まれてしまったことに、この事件の根の深さを思い知った。それと同時に、この事件は放っておいた方が良い。そうも思えた」
 真理は扇子の要から細いナイフを取り出した。夕日を受け、キラリと輝くナイフを指先でクルクルと回す。
「このナイフに付いていた血痕は野木政志のものと一致した。それで、アンタへの疑いは確信に変わった。野木政志はこの学園にいる。それを考えれば、行き着く先は一つしかない。
 野木政志、オカルト、ムマ、仮面のサバト。この四つのワードを組み合わせれば、犯人は自ずと分かる。だってそうでしょう? 貴方は五年前から、用務員としてこの学校に住んでいるんだから。色々な所から指紋が採れても全く不思議じゃない。真壁志保が自殺した際、学園の至る所から指紋が発見された。それは、野木政志がこの学園にいるから。隠れているのではなく、住んでいるから」
「なるほど。君を惑わす為に仮面のサバトの情報を与えたけど、それは逆効果だったか」
「まあ、結果的にはね。一つ、聞いて良いですか? アンタ、何を思って女性を強姦している?」
 真理の目が細められる。
 政志は「ハッ」と笑いながら、田島を、杏子を見た。
「その傲慢な顔が、苦痛に歪むのが面白い。それにな、強姦された女ってのは、一瞬にして雰囲気が変わるんだ。翌日には、オドオドと恐怖に怯え、おののき、卑屈になる。その顔を見るのが最高に楽しんだ! この学校は最高だった。強姦されたヤツが、翌日には学校に来ているんだからな。仮面を被っているから、俺が横に居ても、俺が犯人だと気がつかない。まったく、最高に笑えたよ!」
「ふ〜ん、アンタ、一度死んだ方が良いね。そんで、生き返らなくていいや」
 西側出口の前に立つ東光を政志は確認した。ゆっくりと、政志は歩き出した。向かう先は、西側ではなく北側の出口。進路上には真理がいる。
「政志。アンタには三つの選択肢が用意されている」
 政志の行動に気がついていないのか、彼に背を向けた真理はナイフを扇子の要に差し込んだ。
「一つ目、大人しく警察に引き渡される」
 野木政志が足音も無く駆けだした。杏子とアサギが息を飲んだ。
「二つ目、東光にボッコボコにされて警察に引き渡される」
 政志がナイフを突き出したままトップスピードで走り出した。
「止めろ! 真理!」
「ダメ! 止めて!」
 東光と朝輝が叫んだ。この場にいる一同が最悪の事態を想像しただろう。
「三つ目……」
 政志が真理の背中に迫った。東光が駆けるが、間に合うはずもなかった。
「死ね!」
 政志の絶叫が響き渡った。

 ゴキィッ

 振り向きざま、真理の手にした鉄扇が勢いよく振り上げられ、政志の手首を砕いていた。ナイフが宙に舞う。それに合わせて、鉄扇が空高く放たれた。桜の花弁を散らしながら、鉄扇が体育館の天井スレスレまで上っていく。
「真理ィ!」
 東光の叫び。だが、真理は無視した。右拳を握り、それを恐怖で顔を引きつらせた政志に放つ。

 ドンッ!

 政志の顔から赤い花弁がパッと散った。
 花火が打ち上げられたような音が体育に轟く。政志の体が腰を支点にしてその場で二転、三転と高速回転し、顔面を硬い床に打ち付けた。床に落下しても体の勢いは止まらず、見えない糸で引っ張られるかのように体育館の床を飛び跳ね、体育倉庫の扉に勢いよくぶつかった。
 静寂が訪れた。
 真理は落ちてきたナイフを左手に、扇子を右手でキャッチすると、「フンッ」と鼻を鳴らした。
「三つ目、俺に殴られて、病院送りにされた挙げ句、警察に連行される。アンタの選んだ手は、最低の悪手さ」
 傲慢な眼差しを、ピクピクと痙攣する政志に注ぐ真理。そんな彼の後頭部へ、朝輝の容赦ない一撃が炸裂した。
「馬鹿! 何考えてるのよ! 人を殴るなんて! 殺したらどうするつもりなのよ!」
「真理! お前、ワザと誘ったな。俺を西側の通路に立たせ、政志に背を向けたんだな!」
 珍しく東光が血相を変えて声を張り上げた。
「そりゃ、そうさ。こうすることで、少しでも気分の晴れる人がいる。この件に、区切りを付けることが出来る」
 真理は田島へ親指を突き立てる。田島は、真理を見て呆れたように笑っていた。憑き物が落ちたような、清々しい笑みだった。
「どういう事だ? お前の膂力、人間のものとは思えない」
 アサギが驚いた様に真理を見つめる。それは杏子も、他の人達もそうだろう。
「……コイツの体は、リミッターがないんだ。いつでも一〇〇%以上の力を出せる。つまり、常に火事場の馬鹿力をだしているワケだな」
「通常、トレーニングを積んでいる人でも、心理的限界と生理的限界で精々七〇%の力しか出せないんだけどな、俺の場合、生理的限界と心理的限界のバランスが取れていなくって、常にMAXの力が出せるんだよ。……ちょっとした病気なんだよ。手加減するのは、本当に難しいんだ」
「だから、直接殴らないように鉄扇を持っているんでしょうが! それに、こう言うときのために、東光君が付いているんでしょう?」
 朝輝は真理から東光へ矛先を向ける。
「むぅ、すまない」
 素直に東光は頭を下げた。
「と言う事は、東光は真理のボディーガードではなく、ストッパーだと言う事か?」
「言い得て妙だな、杏子」
 真理は屈託なく笑う。
「ああ、コイツを野晴らしにしていたら、それこそ死人が出る。恐らく、有史以来最強の人類種だろうからな」
「褒めすぎでだよ、東光」
 東光の胸元を鉄扇で小突きながら、真理は呆けたようにこちらのやり取りを見ていた一同を見渡す。
「さて、謎解きはようやく半分。これで、一本の大樹に絡みついていたムマという蔓が切り落とされた。今度は、真壁志保の自殺にまつわる、残りの事件の謎解きを始めようか」
 真理は扇子を開くと、優雅に仰いだ。
「んじゃ、第二幕の幕開だ」
(つづく)
(初出:2014年02月13日)
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登録日:2014年02月13日 19時28分

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