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天生諷
著者:天生諷(あもうふう)
極々平凡な会社員。毎日楽しい出来事はないかと、心の中で模索しながら生活をしている。旅行と昼寝をこよなく愛し、読書とゲームが生きる原動力となっている。群馬県在住。
小説/推理

世は並べて事も無し アノ子の理由(20)

[連載 | 完結済 | 全20話] 目次へ
エピローグでは、探偵倶楽部の正式な発足の顛末が語られる。そしてカーテンコールでは美保と静かに語り合う真理の姿が――。これにて世は並べて事も無し連載終了!
 エピローグ 御陵高校探偵倶楽部発足

 四月二四日 木曜日

 授業終了のベルが鳴って暫く後、杏子は正義部の部室を訪れた。
 真壁志保が自殺して、今日で丁度一ヶ月。節目となる今日。事件は解決したが、心は晴れなかった。
 正義部の存続は杏子の方から辞退した。杏子の知らせを聞いた松下は、意外そうな表情を浮かべていたが、「そうか」と素直に頷いてくれた。少しくらいは引き留めてくれても良いものだと思ったが、実際、杏子は教員達に何一つ良い所を見せられなかった。結局事件は真理が解決し、杏子はそのお荷物でしかなかった。
 正義を唱えるのは簡単だが、実践するのは難しい。今回の一件で、その事は身に染みて分かった。何より、正義は人それぞれにあり、個人差があると言う事も。今なら、真理が事件を途中で降りた気持ちが良く分かる。今回の事件、解決してもそれで救われた人は誰一人としていなかった。
 心の傷を暴き、抉り、打ちのめす。最終的に残ったのは、打ち拉がれた関係者だけ。彼らの姿を見て、杏子の思う正義と、実際に行われる正義とのギャップにショックを受けたのも事実だ。
「部活がなくとも、何とかなる」
 それでも、杏子はこれからも変わることなく自らの正義を唱え続けるだろう。それで人が救える、救えないかは別として。少なくとも、杏子は人を救おうと努力を続けるだろう。
 東光が作った探偵倶楽部の看板はすでに取り外されていた。始める時は非協力的なくせに、辞めるとなるとこれ程までに協力的になる学校のシステム。看板の掛かっていない部室を見て、杏子は溜息をついた。
 扉を開ける。
 昨日まで此処にはアサギがいた。東光がいた、そして真理がいた。
 今は、誰の姿もない。部屋の片隅に置かれた清掃用具入れと、長テーブルが一つだけ。テーブルの上には杏子の私物が段ボールに入れられて置かれていた。ティーセットを入れたサイドボードも何処かへ行ってしまっている。捨てられてはいないだろうが、きっと何処かへ移動させられたのだろう。
「広いな……」
 四人でいる時は、窮屈だとさえ思った部室。それが、何もなくなった今、感じるのは狭さではなく広さだ。
 足を踏み入れる。
 慣れた紅茶の香りは、今までのままだ。まるで、それだけ取り残されたように、香りだけが杏子を迎えてくれた。
 杏子の私物は小さな段ボールに乱雑に詰められていた。これといってプライベートな物など無いから気にはしないが、それでも許可が欲しかった。せめて、自分の手で片付けたかった。
「……寂しいものだな」
 ずっと一人だった。仲間は欲しかったが、こんな正義オタクで口先だけの自分を理解してくれる人など、誰もいないと分かっていた。この部活さえあれば、一人でも良いとさえ思っていた。真理と東光、アサギの三名は事件を解決してくれる助っ人だと分かっていた。分かっていたのに、こうして事件が終わり、一人きりで部室に佇んでいると、四人でいた時のことだけが思い浮かぶ。
 段ボールに詰められた私物の上に、東光が書いた探偵倶楽部の看板が置かれていた。杏子は、ただの破材で作られた看板に、指先を這わせた。
 無口で強面だが、実は誰よりも優しく、常識のある遠藤東光。最後まで彼の存在に慣れることはなかったが、真理にいつも弄られている東光を見ると、自然と頬が緩んでいた。彼のズバ抜けた記憶力と強面は、事件の解決においても大いに役立った。
 コスプレマニアで悪人を気取るアサギ。幼馴染みである彼女と接点を持てたことは、何よりも大きな収穫だったろう。彼女の心の内を聞き、本当に救われた。自ら所属する仮面のサバトがムマの温床だったことを知り、多少なりともショックを受けている様子だったが、彼女なら心配に及ばないだろう。
 そして……。
 杏子はテーブルに両手を突いた。
 珠洲真理。最初から最後まで、驚かされる人物だった。一緒に時間を共にするまで、杏子もアサギも東光の腰巾着、パシリだとばかり思っていた。だが、一番の切れ者であり、非常識だが思慮深く、無闇に人を傷つけない優しい心を持っていた。男性の苦手な杏子も、彼の中性的な表情と物腰に、意識することなく接することが出来た。
「真理……」
 体育館に現れた真理。彼が涙を拭ってくれた瞬間、真理の存在は杏子の中で仲間から、別のものへと変化した。胸が温かくなるような、締め付けられるような気持ち。自分の変化に戸惑っていたが、杏子は素直にその気持ちを受け入れていた。
 今はその三人もいない。三人は三人とも、普段の生活に戻ったのだ。杏子も、普段の生活に戻っただけだ。そのはずなのに、心の中にポッカリと穴が開いてしまった。
「………」
 頬から熱い固まりが零れ落ちた。驚いて手を触れると、涙が溢れていた。流れ出す涙と共に、胸の奥に押し込めた感情が口から溢れ出る。
「……寂しい……一人は、寂しい……」
 拳を握り机を叩く。空しい音が、部室に響く。
「真理……真理……!」
 何度も真理の名を呼んだ。彼が創り出す不思議な空間。彼がいるだけで、この部室の雰囲気がガラリと変わる。今なら分かる。彼は事件の関係者だけではなく、杏子も救おうとしてくれた。田島麗華に向けられていた言葉、それは、杏子にも向けられていた。
「何で、私は……馬鹿だ……」
 全てを理解した時。隣に真理はいなかった。何故、もっと早く彼の気持ちを知ることが出来なかったのか。東光なら分かったのか、アサギなら分かったのだろうか。
「真理……」
 もう一度真理の名を口にした時、ガラリと背後の扉が開いた。
「ん? 何だよ」
 涙でクシャクシャになった顔を背中越しに向ける。扉の前には真理が立っていた。彼は杏子の顔を見ると、「あっ」と息を飲んで。ピシャリと後ろ手で扉を閉めた。
「どうした真理?」
 東光の声が廊下から聞こえる。真理は優しく杏子を見つめたまま、「満室だよ」と答えた。
「真理……!」
 杏子は真理に飛びついていた。彼の首に手を回し、顔を胸に押し当て声を殺して泣いた。
「杏子、どうした……?」
 真理は優しく杏子の背中を叩く。まるで、子供をあやす父親のように。
「どうもしない……! お前は黙って立っていれば良いのだ!」
 真理の胸で涙を拭い、杏子は思い切り息を吸い込む。鼻に入ってくる真理の香り。それは、この部室と同じでお馴染みの香りだ。いつの間にか、真理の存在は杏子の中で無くてはならないものになっていた。
 真理は所在なさそうにしていた手を、ゆっくりと杏子の背中に回した。
「ったく、お前は泣いてばかりだな」
「女の涙は武器だ。流して恥ずかしいものでは無い」
 杏子の言葉に真理は軽く笑った。真理の手が、優しく杏子の背中を撫でた。先ほどまで感じていた寂しさが、嘘のように消えていく。
「東光、何をしているのじゃ? 退け!」
 無遠慮に扉が開いた。杏子は慌てて真理から距離を置いた。目尻に堪った涙を袖でぬぐい取り、乱れた制服を直した。
 真理の背中からひょっこり顔を覗かせたのは、頭から包帯をグルグル巻きにした小さな女の子だ。全身に巻かれた包帯で、身長と性別程度しか判別が出来ない。
「……なんじゃ杏子。遅かったな」
 包帯の下から漏れるくぐもった不満そうな声。聞き慣れた声に、杏子は包帯少女が誰だか分かった。
「……お前、アサギか? 今度はミイラ男、いや、ミイラ女になったのか?」
 コクリと包帯少女は頷く。
「そうじゃ、妾じゃ。妾はエジプト王家の血を引く、ナターリャ・エルハドル・ダラーじゃ」
「また、適当な名前を名乗りやがって」
「黙れ便所虫。貴様が口を開くと、回りが排泄物臭くなるわ」
「あ〜そうかよ……」
「黙れと言っておるだろう。妾の言が聞けぬとあれば、死刑ぞ?」
 ミイラ少女に言われ、真理はウンザリと天を仰ぐ。
「それよりも杏子。此処は引き払うことになった。私物はアサギが纏めてくれた。他のものは俺と真理で新しい部室に運び込んである」
「新しい、部室……?」
 状況が理解できない杏子は、東光を見上げた。前は萎縮してしまったが、今はこの強面を前にしても平静でいられた。
「そうじゃそうじゃ。その便所に蠢くウジ虫が用意したのじゃ」
「お前、下系が好きなんだな。ま、東光の言った通りだ。松下先生に頼んで、新しい場所を確保して貰った。場所は北校舎の一階の西側。第五生徒指導室に探偵倶楽部は引っ越しだ」
 真理が鉄扇で自分の肩を叩いた。
「松下教諭が新しい部室を?」
「真理が交換条件を出したんだ。事件を解決する代わりに、新しい部室を用意すること、とな」
 東光の言葉に、真理は得意そうな笑みを浮かべる。
「数多くある貸しを、少しばかり返却する機会をあげたんだよ。快く、二つ返事でOKを出してくれた。この部室に、四人はちょっと狭いだろう? 俺達の私物も色々と置きたいしな」
「貴様か、早速テレビとゲーム機を持ち込んだヤツは。お陰で電源を増設する必要が出てきたのだぞ?」
「PCを何台も持ってくるお前が悪い。デスクトップ一台とタブレットで十分だろうが。サーバールームでも作る気か、お前は」
「放っておけ!妾の深謀遠慮の思考を、お前達下等な生物に理解できるはずも無いわ!」
 バチバチと火花を散らす真理とアサギ。
「ちょ、ちょっと待て! お前達は事件を解決して、正義部を、探偵倶楽部を辞めたのじゃ無いのか?」
 杏子の問いに、真理達は急に静かになってお互いの顔を見合わせた。
「やはり、お前はアン子じゃな。儂はお前と一所に居ると言っただろうが」
「俺と東光は皆の前で宣言しただろうが、御陵高校探偵倶楽部所属ってさ。それにほら」
 真理は左手に巻かれた腕章を杏子に見せつける。真理だけでは無い、東光も、アサギも、左腕に正義の文字が記された腕章を付けている。
「俺達三人、ちゃんとルールを守ってるんだぜ?部長のお前が、そんなんでどうするんだよ」
 毒気を抜かれた杏子だったが、不意に笑いが込み上げてきた。
「フフフ……ハハハ……!」
 お腹を抱えて杏子は笑った。こんなに幸せなことがあって良いのだろうか。自分の正義はちゃんと届いていたのだ。真理に東光、アサギ。この事件で誰も得るものは無いと思っていたが、杏子はちゃんと得るものを得た。掛け替えのない、大切な仲間を手に入れたのだ。
「じゃ、新しい部室へ行こうぜ。東光、荷物を持ってやれ」
「ウム」
 東光は杏子の私物を軽々と持ち上げると、部室から出て行った。その後を真理とアサギが続く。
 最後に、杏子は部室を振り返った。約一年。半ば占拠する形で倉庫を部室として使っていた。余り良い思い出のない部室だったが、最後に、この場所で最高の思い出を作ることが出来た。
「有り難う」
 杏子は深々と一礼すると、新しい部室へ向けて小走りに駆けていった。


「じゃ、杏子。この看板、お前が掛けてくれよ」
 真理から手渡された探偵倶楽部の看板を、杏子は部室の横の壁に掛けた。人気の無い、静かな北校舎一階の一番端。中庭が一望できるこの部屋は、眺めも広さも、申し分なかった。
 新しい探偵倶楽部の部室は広く、中央に大きなガラステーブルが一つに、三人掛けのソファーがテーブルを挟むように置かれている。
 部屋の東側には扉があり、その向こうは給湯室となっていた。紅茶の入ったサイドボードは、給湯室の扉の横に置かれていた。
 アサギの指摘した通り、大型液晶テレビの前にはゲーム機が置かれていた。アサギの私物と思われるデスクトップ型のPCが三台ほど、置き場所も無く床に放置されている。
「引っ越しご苦労だったな、引っ越し蕎麦とは行かないが、美味しい紅茶を煎れよう」
 杏子は軽い足取りでティーポットと茶葉を持って給湯室へ向かった。杏子が手に取っているのは、スペシャル・レア・ダージリン。100gで諭吉が一人飛んで行ってしまうほどの高級茶葉だ。密封性の高い缶を開けるだけで、花畑を思わせる強いグリニッシュが給湯室を満たした。
 アサギはダージリンのグリニッシュが余り好みじゃないようだが、ダージリンは初めて四人で飲んだ紅茶だ。新しい門出には、相応しいものだろう。
「待たせたな」
 杏子は各人の前に黄金色に輝く液体で満たされた紅茶を置いていく。
「あ、ダージリンか、良い香りだな」
「ふむ……。グリニッシュとか言う香り、余り好きでは無いが、まあ、高貴な妾には相応しかろう」
「すまん」
 真理がソファーに体を埋め、その向かいに東光が、東光の横にアサギが腰を下ろしていた。杏子は真理の隣に腰を下ろした。
 杏子はカップを取り上げると、目線の高さに掲げた。それを見た三名が、同じようにカップを掲げる。
「皆有り難う。改めて、宜しく頼む」
「こちらこそ」
 屈託無く真理が笑い、優雅な仕草で紅茶を口に運ぶ。
「ありがたく思うが良い。妾がいれば、百人、いや万人力じゃ」
 グルグルに巻かれた包帯に隠れて、アサギの表情は良く分からなかったが、きっと笑っているのだろう。
 東光は何も言わず、目を閉じて紅茶を味わった。
 静かな一時が探偵倶楽部の部室に流れた。それぞれが、色々な思いで紅茶を味わっていると、遙か彼方からバタバタと足音が聞こえてきた。その足音はだんだんと近づき、部室の前に来るとピタリと止まった。
 自然と、皆の視線が扉の方へ向かう。
「聞いたわよ!真理!」
 駆け込んできたのは朝輝だった。彼女はつかつかと入ってくると、真理の前に仁王立ちになった。
「何だよ朝輝。騒がしいな」
 億劫そうに見上げる真理に、朝輝はズイッと顔を近づける。
「騒がしいなですって? これが騒がないでいられる? アンタ、本当に探偵倶楽部に入ったの?」
「ああ、そうだけど。何か問題でもあるのか?」
「あるある! 問題は大ありよ!」
 バネ人形の様に上半身を元に戻した朝輝は、ソファーを回って杏子の前に立った。
「変な虫が付いたら、困るでしょうよ!」
 敵意剥き出しの眼差しで、朝輝は杏子を見下ろした。杏子は朝輝には目もくれず、静かにティーカップを傾けていた。
「安心しろ。私がいる限り、五月蠅い馬鹿な女は近寄らせない」
「……アンタが変な虫だって言いたいのよ!」
 朝輝は喉の奥で呻いた。
「それはお前だろう。蚊蜻蛉のようにブンブンと私の回りを飛び回りおって」
「なんですって!」
「二人とも、ケンカの原因はそもそもなんだ」
 東光の質問に、キッと杏子と朝輝は厳しい視線を向ける。東光は僅かに怯みながらも、その答えを待った。
「忘れもしない、約三週間前、二年生のクラスの自己紹介で、この馬鹿女が私の正義を笑ったのだ!」
「笑うに決まってるでしょう! 趣味は? と聞かれて、悪者を倒すことです、なんて真顔で答えるんだもの! 逆に、私はアンタのボケに乗ってやったんだから、感謝しなさいよね! 私が笑わなければ、教室の体感温度が氷点下まで下がっていたわよ!」
「何だと! 私はボケてなどいない! クラスの皆は、私の心意気に感銘を受けてリアクションできなかっただけだ!」
「じゃあ、好きな俳優はって質問に、アン子は自分が何て答えたか覚えている?」
「ああ、もちろん覚えているさ! 本郷正義とキッパリと答えてやった!」
「杏子、それは恐らく俳優名ではなく、五聖レッドのキャラクター名だ」
「……本郷正義は俳優名ではないのか?」
 愕然とする杏子に、渋い顔で東光は頷く。朝輝は得意な表情になり、杏子をビシッと指さす。
「馬鹿ね! 五聖レッド? あの俳優は、田中次郎って名前の若手俳優よ!」
「平凡すぎるぞ! それでは正義の味方とは言えん! すぐにでも改名すべきだ! 御厨の財力を使って改名させてやる! 俳優の一人や二人、指先一つでどうとでも出来る!」
 ガチャンとカップをソーサーの上に叩きつけた杏子は、勢いよく立ち上がった。手には携帯を持っている。
「止めなさいよ!そんな事で改名させられたら、死んでも死にきれないわよ!」
 御厨の財力を使えば、道理が引っ込み無理が通ってしまうだろう。
「その財力を、今回の事件に使って欲しかったけどな」
 ポツリと真理が呟くが、杏子は真理を見て不服そうに鼻を鳴らした。
「馬鹿者! 正義は金で買える物じゃ無い! プライスレスだ!」
「ホンットに馬鹿ね! アン子の渾身のボケを受ける事の出来る私を貴重な存在だと思いなさい!」
「何度も言ってるだろう、あれはボケたのではない! 所詮、貴様に私の正義に対する崇高な心など理解できまい! だが、今は此処に私の理想を共に追いかけてくれる仲間がいる!」
 杏子の手は探偵倶楽部の皆を示すが、誰も杏子の声に反応をしない。それどころか、見向きもしない。
「……阿呆が二人じゃの」
 呆れたように、アサギはタブレットの電源を入れ弄りだした。
「真理! とっととこの部活を辞めなさい!馬鹿が移るわよ!」
「それはこっちのセリフだ! 部外者はとっとと出て行け! 此処はもう、私達の部室だ! 入退室の権限は、部長である私にある!」
 杏子に言われ、「うっ…」と朝輝は言葉に詰まる。
「ほらほら、私達はこれから部員と共に楽しいお茶会をするんだ。部外者がいると、楽しめないだろう」
 二の句の継げない朝輝を尻目に、杏子は再びソファーに体を埋める。
「さ、用が済んだのなら、サッサと出て行け」
 肩に付いたゴミでも払うかのように杏子は手を振る。
 ギリギリと歯を噛み締めた朝輝は、肩を怒らせて出入り口へ向かった。ドアノブに手を掛けた朝輝は、荒い呼吸で立ち止まった。
「なんだ? まだ我が探偵倶楽部に用があるのか?」
 勝ち誇った杏子の声に、朝輝はガバリと振り返った。
「……ッ! 私も! 私も探偵倶楽部に入る!」
「却下」
 光の速さで杏子は却下した。
「何でよ!」
「何でもだ!」
 真理の頭上で、二人の女性の火花が飛び散る。真理は頭越しでやり取りされる会話に全く興味を示さず、目を細め、窓の外を見つめた。
「そもそも! 四人じゃ部活として認められないでしょうが!」
 叫ばれた朝輝の言葉に、杏子の表情がハッと青ざめた。真理もピクリと反応し、東光は閉じていた目を開いた。
「………」
「………」
「………」
「ま、そこの拡声器の言う通り、規定では五名から部活動として認められると書いてあるな」
「……アンタ達、馬鹿でしょう?」
 朝輝の言葉に、誰も返す言葉が見つからなかった。
「杏子、入れてやれば?」
 暫く立った後、真理は呟いた。松下に見得を切った手前、人が足りなくて部活として認められない、では余りにも格好が付かないのだろう。
「そうじゃのう。お色気担当のサービスキャラ兼、茶坊主は必要じゃろ」
「私、サービスキャラじゃないんだけど……。まあ、お茶汲みくらいはしてあげるわよ。不本意ながらね!」
 期待の籠もった瞳で、朝輝は杏子を見つめた。真理も、東光も、アサギも杏子を見る。
 悔しそうに口を一文字に結んだ杏子だったが、ふぅっと溜息をつくと。
「皆がそう言うなら、仕方が無い」
 渋々頷いた。
「やったぁ〜! これで、真理と一緒にいられるね!」
 朝輝は杏子と真理の間にストンと腰を下ろした。
「おい! 何故私と真理の間に座る!」
「え〜? だって、私の座る場所ないじゃない。それに、これ三人掛けのソファーでしょう?」
「そうではない! 真理と私の間に入るなと言っているのだ!」
「何でよ? アン子、あんたまさか、真理に気があるんじゃないでしょうね?」
「なっ…! バ、馬鹿なことを言うな! そ、そ、そ、そんな事あるわけないだろう! 私は、私は、ただ、東光とアサギの間も開いていると言っているだけだ!」
 思い切り動揺しながら正面を指さす杏子。それを見たアサギが、スッと腰を浮かせ、東光の横にピタリと寄り添った。アサギが横に来た瞬間、東光の体が震え、石像のように硬直したのが分かった。アサギはそんな東光をチラリと見上げ、唇の端を持ち上げた。
「東光、めんどくさくなるからアサギを意識するなよ。お前の介抱は大変なんだからさ」
「うむ。大丈夫だ。心頭滅却すれば……」
「そうじゃそうじゃ。いくら妾が包帯だけで、下に何も付けていないからと言って、おかしな想像をするでないぞ」
 その言葉に、ピクリと反応したのは真理だ。東光は今にも湯気がでそうなほど顔を真っ赤にして目を閉じていた。
 確かに、包帯で巻かれた体は、美しいほどくっきりと体のラインが浮かび上がっている。ブラジャーも、ショーツのラインもでていない。唯一露出している部分が目と口の部分だけなので今まで気がつかなかったが、改めて体を見てみると、とてもエロい。
「真理! ジロジロ見るんじゃないわよ!」
 隣に座る朝輝に耳を引っ張られた真理。それを見ていた杏子も、この時ばかりは朝輝に同調する。
「そうだぞ残念ブルー、ジロジロ見るな!」
「んだよ。女性の魅力的な所に視線がいっちゃうのは、神が男に与えた罪の一つだ。そのくらい許せよ」
「下半身男の言う通りじゃ。だが、これからこういうサービスキャラは、淫乱ピンクがいるから、其奴にやらせるが良い」
 タブレットから視線を上げたアサギは、正面に座る朝輝を見てニヤリと意地の悪い笑みを浮かべた。
「淫乱ピンクって何?」
 怪訝な表情で、朝輝は真理に尋ねる。
「探偵倶楽部のコードネームみたいなものだな。杏子が情熱レッド、アサギが根暗ブラック、東光がメタボイエロー、んで、朝輝が淫乱ピンク」
「うむ。朝輝にピッタリだな。明日から、スカートの裾は腰までにしてくるように」
「裾が腰って……パンツ丸見えでしょーが!」
 やいのやいの始めた二人を放って置いて、真理はガラステーブルの上に花を置いた。赤い小さな花が、ボールのように寄り添っている。
 真理は花の茎を纏め、輪ゴムで結び、切り口をアルミホイルで包んだ。和紙を広げ、その上に花の束をおいた。
「ん? 真理、何よその花」
「花束でも作るのか?」
 杏子と朝輝は口げんかを止めて真理の手元を覗き込んだ。
「この花は美女撫子っていうんだ。花束を渡したい人がいてね……」
 真理の言葉に、杏子と朝輝は顔を見合わせる。
「ちょっと! 誰よそれ! 相手は女なの?」
「誰に花束を渡すのだ? 私は何も聞いていないぞ!」
 矢継ぎ早に飛び交う質問に、真理はウンザリした表情を二人の女性に向ける。
「男に花束をやる趣味は無いよ。それに、カーテンコールじゃ、観客が劇の出演者に花束を渡せるだろう? それよりも、何か事件が無いのか?探偵倶楽部なんだから、事件の解決でもしてろって」
 真理はアサギに向かって顎をしゃくる。突っ慳貪にあしらわれた二人は、真理の様子が気になりながらも、仕方なくアサギを見た。アサギはタブレットからS−NETに接続し、何か事件がないかを調べ始めた。
「真理、俺がやろう。花が痛んでしまう」
 真理は花束を包む和紙を何度も何度も折り直していた。それを見かねた東光が、真理から花束を受け取ると、見事な手際で花束を作り上げていく。
「ふむ、面白い事件が一件あるの」
 タブレットを見ていたアサギが、興味深そうな声を上げた。
「フラワーアレンジメント部からで、大切に育てていた美女撫子が、花壇からごっそり無くなっていたそうだ」
 皆の視線が、良いタイミングで東光が作り上げた花束へ向かう。
「……ん。事件は解決じゃな」
「そんな目で見るなよ。イタズラで花を取ったわけじゃ無いんだ。こうして、花束になって人の手に渡るんだ、本望だろうよ」
 真理は花束を受け取ると、立ち上がった。
「んじゃ、行ってくる」
「待て! 私も行くぞ、真理!」
「そうよ、私も行く!」
 釣られるようにして杏子と朝輝も立ち上がった。
 真理は困ったように二人を見ると、東光とアサギに視線を送る。
「杏子、ここに部員名簿がある。朝輝に記入して貰い、松下の所へ持って行け。そうすれば、正式に部として認められる」
「今でないとダメなのか?」
「早めに提出するようにと言われている」
 逡巡した杏子だったが、東光の頑なな眼差しに負け、仕方なくソファーに腰を落ち着けた。
「淫乱ピンク、茶のおかわりじゃ。サッサと持ってこい」
「え〜!」
「お茶汲みくらいすると、数分前に言っておったのは何処のどいつじゃ?」
「む〜……!」
 恨めしそうにアサギを睨んだ朝輝は、ガックリと肩を落として給湯室へと消えていった。
 真理は目で東光とアサギに礼を言うと、部室を後にした。


 カーテンコール 世は並べて事も無し

 夕方五時。傾き掛けた夕日はまだその力を衰えさせることなく、目映い光を投げかけている。春の日差しは強いが、夏のような荒々しさは無い。受けるものを優しく包む、そんな優しい光だ。
 時計塔の扉は開いていた。真理は東光が纏めてくれた花束を手に、時計塔を上っていく。先ほど、中庭から探偵倶楽部の部室を見る事が出来たが、杏子も朝輝もこちらに気がついていなかった。包帯に包まれたアサギと目が合ったのは、恐らく偶然では無いだろう。
 ヒンヤリと冷たい階段を真理はゆっくりと上っていく。人一人が通るのがやっとの薄暗い階段に照明はなく、所々に設けられた採光窓から差し込む光が唯一の光源だ。
 階段を上り終えた真理は、重い鉄扉を押し開いた。錆びたヒンジが甲高い悲鳴を上げる。黄色い光が真理の目を射貫いた。真理は目を細めながら屋上へ出る。春の甘い風が、真理の鼻腔をくすぐった。
「ああ、やっぱり此処にいた」
 太陽を背にして、一人の人物が立っていた。その人物は、ゆっくりとこちらを向いた。逆光によりその人物はハッキリと見えないが、真理は笑みを浮かべた。恐らく、その人物は真理の登場を半ば予想していただろう。驚いたような、困惑したような表情を浮かべているに違いない。
「昨日、体育館で俺は今回の事件を、大樹からでた枝と、それに巻き付いた蔓に例えましたよね。蔓はムマ、枝は真壁志保。今回、その枝と蔓を断ち切ったわけですけど、肝心要の大樹が残っている」
 真理は言葉を止めた。漸く目が慣れてきた。太陽を背にした人物は、責めるような眼差しで真理を見つめていた。
「そう怒らないで下さい。別に、貴方を糾弾しに来たわけじゃ無い。助けに来たんですよ、真壁美保先生」
 真理は美保の隣へ行った。手摺りに手を乗せ、太陽の下に輝く街並みを見つめた。
「……分かっていたのね」
「ええ、まあ……」
 真理の手にした花束を、美保は寂しそうな眼差しで見つめた。
「だけど、私は何もしていないわよ。今更証拠も何も出ないでしょう」
「だから言ったでしょう? 俺は先生を糾弾しに来たんじゃ無いって。助けに来たんですよ。今回、不幸な人が沢山でた。手に届く範囲で救える人がいたら、救いたいと思うのが普通でしょう」
「………」
 美保は何も言わす、真理と同じ方向を見つめた。
「あの夜、真壁志保はまだ生きていたんでしょう?」
 春の風に乗せて、真理の言葉は隣に佇む美保に届いた。美保は小さく頷く。
「この時計塔から飛び降りたのは、志保の意志だろうけどね。だけど、どう考えても助からないのは明白だ。この高さから落ちたら、如何に下が土の地面だとしても、助かりはしない。それを見た貴方は、流れ出る血を使って、壁に血文字を残した。あの血文字は即興だったから、何の意味も無かった。ただ、血文字を残すことが必要だった。志保が残したと思わせることが、大事だったんだ」
「ミューズの皆と同じよ。志保は私の腕の中で息を引き取ったわ。飛び降り自殺というのは、むごいわね。綺麗だった志保を、あんなに醜くしてしまう。私は彼女の死を、ただの自殺には出来なかった。したくなかったのよ」
「彼女が特別だから、ですか?」
「そうね。特別にしたかったのよ。私だけじゃなく、多くの人の特別になって欲しかった。……独り善がりだった、私の我が儘だった。彼女には彼女の人生がある。人格がある。私はそれを見て見ぬ振りをした。志保を自分の一部だと思っていた。私の望むものは、志保の望むもの。志保がいなくなるまで、そう信じて疑わなかった」
 「笑っちゃうでしょう?」と、儚く笑う美保に、真理は何も答えなかった。
「あのまま死んでしまったら、志保はただの落伍者になってしまう。私には、それが許せなかった。私の我が儘の為に、その命を使わせてしまった。だから、私は咄嗟に志保の血を使って血文字を書いたの」
「怪談話でも増やしたかったんですか?」
「それでも良かったのよ。怪談話だろうが、噂話だろうが、皆の中で志保が生き続けていけるなら。せめて、もっと長生きして欲しかった」
「……だけど、死んでしまった。貴方が殺したとは言いません。死は、志保が選んだ道だ。今更俺達が何を言おうと、その結果は変わらないし、変えられない。だけど、生きている真壁先生は、自分自身のことを変えられる」
「……何が言いたいの?」
「自殺は止めて欲しいと言っています」
 美保は目を見開いた。だが、その視線はぶれること無く、遠くに見える街並みに注がれている。
 真理は、静かな声でゆっくりと続ける。
「もう魔法は消えた。真壁志保の呪いはなくなった。だから、ここで真壁先生が死んでも、もう志保は特別な存在にはならない。それにね、先生……」
 真理は花束を美保に差し出す。美保は怪訝な表情で花束と真理を代わる代わる見つめていたが、やがて降参したように花束を受け取った。
「貴方には、俺達生徒を導くという役目がある。貴方は道標なんだ。それは、大変素晴らしいことだと思う」
「……私が何をしたか、知っているでしょう? 今更、君たちを導けって言うの?」
 真理は頷く。
「俺の想像でしか無いけど、ミューズの三人をそそのかしたのは、真壁先生ですよね? そして、先週、中庭に橘先輩を寄越したのも、真壁先生だ。矢上と話をしてこいと言えば、生徒である橘先輩は従わなければいけない。先生は、橘先輩がどうなるか、大体分かっていたんでしょう?」
「……そうね。三人をそそのかしたのは、私だわ。落ち込んでいる三人に、志保は特別になれなかった、と言っただけ。壁に書かれた血文字のことを教えたのも私よ。だけど、今回の事件を全部考えたのは、彼ら三人よ」
「でも、先生は彼らに協力した。美術室の窓ガラスが割れた時、窓枠に付けられていた装置を回収したのも、俺達が調べる前に、カンバスをビリビリに破いたのも、三人を助ける為でしょう?」
「ご名答、流石ね」
「他にもあるでしょう。野木政志を使って、杏子を襲わせたのは貴方でしょうに」
「証拠はあるの?」
「先生と野木政志がどんな関係にあったか、俺の口から言わせるんですか? 用務員室から、先生のタバコの吸い殻は、沢山ありましたよ。隣の寝室にもね」
「侵入したの?」
「証拠であるムマの仮面と、制服を見つけるのにね。校則違反はお手の物ですから」
「……不法侵入でしょ、それ?」
 呆れた感じで美保は呟く。
「計算外だったわ。まさか、御厨さんが、あそこまで頑張り屋さんだなんて。私は、てっきりただのヒーロー馬鹿だと思っていたんだけどね」
「ただのヒーロー馬鹿ですよ。それも、飛び抜けたね。だけど、彼女の心にある正義は本物だ。そうじゃなきゃ、俺は動きません」
 美保は花束の匂いを嗅ぐと、寂しそうに目線を太陽に向けた。瞳が輝いているのは、太陽の光だけではないだろう。
「幻滅したでしょう?私は教師失格よ」
「幻滅するほど真壁先生のことを知りません。それにね、先生。死んだ人間は変わる事は出来ないけど、生きた人間は、変わることが出来る。矢上雄平も、橘ヒカルも、先生のことを信頼している。もちろん、俺もね」
「有り難う、珠洲君………。いったい、どこで道を間違えたのかしら」
 美保の目から一筋の雫が流れた。黄金色に輝く雫を、真理は見ないように目を背けた。
「絵描きなんて目指さなければ、こんな事にはならなかった。あんな父の元に生まれなければ……」
「……ですね」
 真理は溜息をついた。ずっと考えていた事を、真理は口にした。
「芸術を認められるって、大変ですか?」
 この質問に、美保は「ええ」と答える。
「大変よ。絵だけじゃない、音楽だって、小説だって、その善し悪しは、人それぞれでしょう?幾ら本人が頑張ったって、会心の出来だとしても、周囲から認められなければ、結局は駄作。書きたいものじゃなくても、納得のいかない作品でも、売れるものならば、それで認められる。世間に認められる為には、時代時代の流れに乗る必要がある。折り合いを付けるのが大変なのよ」
「……きっとお父さんである真壁燕璃さんも、大変な思いをしたんじゃないかな?」
「………まさか、父が私達に同じ道を歩ませたくなかったとでも?」
「それは、本人に聞かないと……。燕璃さんは先生達の絵を認めなかった。先生から聞いた限りでは、あえて芸術の道から遠ざけていたようにも思える。幸せの物差しは、人によって違うから」
「……そう、ね」
 ハンカチで涙を拭き取っても、後から後から涙は流れ落ちてくる。真理は傾き、赤みの増した太陽を見つめながら、美保が手にする花について語った。
「先生、その花束に使われている花を知っていますか?」
「これ?花壇に咲いているのを見た事はあるけど」
「それはね、美女撫子って花なんですよ。花言葉は、純粋な愛情。先生には、ピッタリだと思って持ってきたんです」
 美保は笑った。
「志保にでは無く、私に?知ってるでしょう?今日は志保の月命日なのよ?」
「分かってますよ。だから先生は此処にいると思ったんです。だけど、死んだ人間にあげても、反応は無いでしょう?花束は生きた人に送るから素晴らしいと、俺は思います」
「ホント、お人好しね、珠洲君は。私みたいな悪い女にも、こんなに優しくしてくれる」
「これが俺の正義だから。罰するだけじゃ、誰も救われないって知ってるから」
「ありがとう……。色々と、迷惑を掛けたみたいね。大変だったでしょう?」
 愛おしそうに花束を見つめる美保。真理はそんな美保に肩を竦めた。
「別に、いつものことですよ。先生や、ミューズの三人、杏子やアサギにとっては、密度の濃い一週間だったかも知れないけど。俺と東光にとっては、いつもと同じ一週間。世は並べて事も無し、ってヤツですよ」
 真理はそう言うと時計塔を後にした。
 一人に残された真壁美保の嗚咽が、真理の背中に聞こえてきた。
(了)
(初出:2014年03月29日)
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登録日:2014年03月29日 19時42分

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