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天生諷
著者:天生諷(あもうふう)
極々平凡な会社員。毎日楽しい出来事はないかと、心の中で模索しながら生活をしている。旅行と昼寝をこよなく愛し、読書とゲームが生きる原動力となっている。群馬県在住。
小説/推理

世は並べて事も無し アノ子の理由(7)

[連載 | 完結済 | 全20話] 目次へ
朝輝の依頼内容を知り、事件解決を引き受けた正義部――もとい、御陵高校探偵倶楽部。一度に二つの事件を受けて、難しいが無理とは思わない真理だった。警察関係者からの情報により、学園に強姦魔の指紋が発見されていたことを知る。そして志保もまた強姦されていた。二つの事件の関連は?
三章 学園の敵は女性の敵!

 四月十七日 木曜日

 カーテンの向こうから聞こえて来るくぐもった声。低く押さえられた声の為、何を言っているのか良く分からなかったが、女性が泣いているのだけは理解できた。
「……なあ」
「しっ、静かに」
 ツンッと鼻につく化学薬品の匂いに混じり、甘いシャンプーの香りが漂ってくる。グッと密着してくる杏子から、制服越しに体温が感じられた。
 ここは北校舎一階にある生物準備室。
 アサギが使用していた棺の中に強引に押し込まれたのは、三分前の事だった。
 登校してきた真理を待っていた杏子は、すぐさま真理を捕まえると、何の説明もなく生物準備室へと連れ込んだ。
「耳を澄まして、話を聞け」
 朝の光が生物準備室に入り込んでくる。棺の底にある暗幕の如きカーテンの向こうは闇に包まれており、真理と杏子が入ってしまうと、身動きが取れないほど狭くなってしまう。
 闇の中に差し込む一条の光は、保健室側に掛けられた遮光カーテンの隙間から漏れてくる。
 女性特有の柔らかい肉質を腕に感じながら、真理は意識を保健室へと向ける。カーテンの隙間から覗いた目に写り込んだのは、見慣れた長いポニーテールだった。
「……朝輝か?」
 後ろに控える杏子に問いかけると、杏子は「ああ」と頷いた。
「どうしてまた。お前達は仲が悪かったんじゃないのか?」
 真理の問いに、闇の中の杏子はフッと笑った。その吐息が首筋に掛かり、真理はぞくっと体を振るわせた。こうして狭い場所に女性と二人でいると言うだけで、真理は妙な興奮を感じてしまう。いや、大半の男がそうだと真理は思う。ここが学校で無ければ、果たして真理の自制心が正常に機能したかどうか微妙だった。
「それでもだ。仲が良かろうと悪かろうと、正義は執行しなければいけない。悪は見過ごせないだろう」
 ズイッと更に体を密着させてくる杏子は、カーテンの隙間から保健室の中を伺う。
 ゆっくりと息を吐きながら、真理も耳を皿にして、保健室から漏れてくる僅かな声に意識を集中させた。

 大丈夫よ……私に任せて……

 ……でも、でも……私は……顔向けできない……

 大丈夫。……は、貴方の事を嫌いにならない……

 だけど、私は……汚れてしまった……穢されたの……

 ……初めてだったのに

 まさか、と思った矢先だった。
 保健室に踏み込もうとする杏子を、真理は慌てて引き留めた。何かを言おうとする杏子の口を塞ぎ、担ぐようにして生物準備室へ戻った。後ろ足で棺の蓋を閉め、ジタバタと藻掻く杏子の口を解放した。
「何をする! 放っては置けない!」
「お前、内容を理解できたのか!? 俺達が出て行ってみろ! 朝輝へ相談していた子が、どんな思いをすると思う!」
「……ッ! 放っておけというのか!」
「……自分の立場を考えろ。今は人の心配している時じゃないだろう? 正義部の存続が、お前の第一目標じゃないのか? よそ見をしていたら、解決できる物もできなくなる!」
「高名な刑事が言っていた! 事件に大きいも小さいもないとな! それに、女性として放っては置けないだろう! 部活も大事だが、困っている奴を放っておけない! それが、私の正義だ!」
「マジか?」
「マジだ!」
 真理は異を唱えたが、杏子は引き下がろうとはしなかった。空気中を舞う埃が、強烈な朝日を反射してキラキラと輝いていた。
 杏子は頑なだった。光輝の宿る眼差しには一寸の迷いもなく、真理を真っ直ぐ見つめてくる。真理が何を言おうと、杏子は引き下がらないだろう。彼女にとって、事件の大小、優先順位は関係ない。自分が不利な立場になろうとも、困っている人を放っては置けないのだろう。
「真理、お前の意見なぞ関係ない! この内容を、東光に知らせろ! 彼の判断に任せる」
「東光の?」
「そうだ。お前は東光のバーターだろう?」
「……ああ。そう言う設定だったっけか」
 杏子もアサギも、数多くの事件を東光が解決してきたと思っている。あえて指摘はしなかったが、そろそろその考えを正しておかないと面倒な事になりそうだった。
「あのさ、実は……」
 言いかけた時、始業開始のチャイムが鳴り響いた。杏子は真理の言葉を聞かず、「宜しく頼んだぞ」と言い残しサッサと教室へ戻ってしまった。
 一人埃と薬品の臭いが充満する生物準備室に残された真理だったが、不思議な充実感に満ちていた。一度に二つの事件、それも、大きな事件を解決する事になったとしても、嫌な感じはしない。難しいとは思うが、無理だとは思わなかった。この根拠のない自信は、杏子から伝染したのかも知れない。
「ま、何とかなるか」
 ポリポリと頭を掻いて生物準備室から出るのと、保健室から友人を伴って朝輝が出てくるのがほぼ同時だった。


 一時間余りの昼休み。普段の杏子は一人で食事を済ませ、読書して時間を潰していた。だが、今日は違った。真理に誘われて向かった屋上には、東光とアサギ、そして朝輝が円形のベンチに腰を下ろしていた。
 こちらを見て露骨に顔を顰める朝輝だが、真理と東光に言い含められているのだろう、余計な事は口にせず、膝の上に置いた弁当を箸でつついていた。
 真理と東光は学食のパンとコーヒー牛乳という簡素な昼食。アサギはスープが真っ赤に染まっている唐辛子入りのカップ麺に、血のように赤いクランベリージュースだった。
 杏子はベンチに腰を下ろすと、持参した弁当を取り出した。杏子の持ってきた弁当を見て、「おお」と真理が声を発した。
「お前、凄いな! 今日は誕生日か何かか?」
「いいや、私の誕生日はまだまだ先だ。この弁当がどうかしたのか?」
 杏子は三段重ねの重箱をテーブルに置くと、それぞれを並べた。一段目にはごま塩の振られた俵型のおにぎり。二段目には、ローストビーフに伊勢エビや伊達巻き、卵焼きなどの惣菜が並び、三段目にはフルーツとスイーツ、サラダが入っていた。
「お前、ガチでお嬢様だったんだな。マジでリスペクト。それ、一人で全部食べるのか?」
「ああ、そうだが。いつも量が多くてな。私一人では食べきれるわけもない」
 物欲しそうな視線が四方から注がれる。僅かな逡巡の後、杏子は重箱をテーブルの中央へ押した。
「……食べても良いぞ」
「マジで! サンキュー! 俺、この肉!」
「すまん。俺はサラダを貰う」
「殊勝な心がけじゃ、儂はフルーツを。やはり、ブラッドオレンジじゃな」
「じゃ、私はコロッケね」
 ちゃっかりと朝輝まで手を伸ばすが、杏子は止める事はしなかった。
 学校でも家でも、いつも一人での食事だった。こうして皆で食事をするのは、本当に久しぶりの事だ。
「東光、真理から話は聞いたか? もう一つの事件もついでに解決しようと思うのだが」
「ム。俺は別に構わない。真理さえ良ければな」
「頼むわよ、真理!」
 東光と朝輝が真理に意見を求める。真理は小さなガラスの器に入っているクリームブリュレのカラメルをスプーンの裏側で割りながら、唇を尖らせた。
「東光に朝輝、一体どういう事だ? 何故真理に意見を求める」
 常々感じていた事だったが、東光は自ら主導して何かを決める事はない。常に、真理の意見に従っている。
「儂の情報じゃと、真理は東光のどうしようもない取り巻きのはずじゃが。二人の関係を見ていると、どうもそうとは思えぬ」
 クエスチョンマークを頭の上に浮かべる杏子とアサギ。その様子を見ていた朝輝が、「フフフ、二人の目は節穴ね」と、不適に笑いながら無遠慮に杏子の重箱に手を伸ばした。
「学園の殆どの生徒は気がついていないけど、唐変木の東光君に事件を解決するだけの能力はないわ! 今まで学園で起こった事件、先月新聞に載った事件も、全部真理が解決したのよ!」
 伊勢エビに齧り付き、高らかと宣言する朝輝。
 杏子は真理を見つめた。確かに驚いたが、それほど大きな驚きはなかった。思い返せば、真理にその片鱗はあった。
 初日に正義部で紅茶を出した際、彼は紅茶の香りだけで全てを看破した。そして、昨日。真壁美保と志保の父、真壁蒼燕の話をした際も、彼は杏子もアサギも知り得なかった事をさも当然の如く話していた。
 真理の言動と東光の態度に違和感はあった。だが、杏子の先入観は感じた事を無視し、東光を頭の中で名探偵に仕上げていたのだ。
「どちらかというと、東光君がバーターなのよね」
「……」
 巨躯を僅かにすぼめて学食のコッペパンを口に運ぶ東光。心なしか、彼がショックを受けているようにも見えるし、口の減らない朝輝に殺意を覚えているようにも見える。
「朝輝、言い過ぎだ。お前と違って東光はデリケートなんだよ。東光は唐変木でも俺のバーターでもない。……そうだな、例えるなら、外付けハードディスクドライブ」
「ああ、そうね。真理は何も覚えないしね。東光君がいなければ、事件解決できないのは事実だし」
「……二人とも、全くフォローになっていないぞ」
 東光のぼやきに、真理も朝輝も声を上げて笑う。
 三人の様子を眼を細めて見つめていた杏子は、改めて真理に切り出す。
「真理、改めて頼む。朝輝の依頼も一緒に解決してくれないか?」
 牛乳パックを口に加え、真理は空を仰ぐ。雲一つない青空。その下に広がる御陵高校。外からは見えない深く暗い闇が、この学校に満ちている。
「一つ、条件がある」
「なんだ?」
 真理はアサギを見て、杏子を見た。
「正義部は名乗りたくない。部の名前はGHDCでどうだ?」
「却下だ」
「アン子に同意」
 光の速さで却下された真理は、口から牛乳パックを落とした。無言の東光も反対なのだろう。真理と目を合わせようとしない。
「GHDC? 何よそれ」
「御陵、ハイスクール、ディテクティブズス、クラブの略称だ」
 噛まないように、ゆっくりと、単語で区切って発音した。
「ダッサ」
 朝輝にも切って捨てられた真理。杏子は仕方なくアサギを見る。アサギは小さく肩を竦め、一つの提案をした。
「ならば、此処は部外者である猪女に決めて貰ったらどうだ?」
「ああ、それがいい」
 東光が同意した。杏子も、アサギの意見に賛成だ。正義部と言う名は捨てがたいが、それよりも大事な事がある。名よりも実を取るべきだ。
「猪女ってのには引っ掛かるけど、良いわ、私が決めてあげる。まず、アン子が『正義部』ね。真理はすでに却下されたから放っておいて、アサギは?」
「ファーマ・ルラテルニタテイスじゃ」
「意味分からないし長すぎ、却下ね。東光君は?」
 眉間に皺を寄せるアサギを無視し、朝輝は東光に水を向ける。
「ムッ、単純明快、御陵高校探偵倶楽部だ」
「『正義部』と『御陵高校探偵倶楽部』か……。名は体を表すと言うし、東光君のが良いと思う。と言うか、四つの中じゃ、一番まともでしょう?」
 「まとも」。その言葉の前に、杏子もアサギも、真理も沈黙するしかなかった。若干世間と認識がずれているとされる人種を黙らせる、決定打となる言葉(ワード)だ。
「……良いだろう。真理もアサギも、異論はないか?」
「構わぬ」
「英語を日本語に訳しただけだし、いいよ、それで」
「では、改めて朝輝に問おう。御陵高校探偵倶楽部に、何を依頼するんだ?」
 朝輝は真理を見る。杏子達ではなく、真理個人に依頼をしたいのだろう。
「朝輝、話せよ。杏子はこんな奴だが、正義感の強さは認めてやっても良い。アサギの情報収集能力は必要だ。……それに、女性として放っては置けない事件だ。違うか?」
 僅かな間。朝輝はこの青空のように澄んだ眼差しで、こちらを見つめた。杏子には朝輝に言いたい文句の十や二十は存在している。それは朝輝も同じだろう。だが、それとは別に放っておけない事件を彼女は抱えている。
「良いわ。これは、絶対に他言無用よ」
 朝輝は身を乗り出した。釣られるようにして、真理を覗く三名が中央のテーブルに身を乗り出した。
「私の友人、二年六組の田島麗華ちゃんが、三日前、ムマにレイプされたの」
 杏子は目を閉じ、深呼吸をした。ついに、この事件と向き合う時が来た。
「場所は、南校舎の一階。職員室にほど近い、進路指導室よ」
「田島女史は、何故そんな所を歩いていた?」
「彼女、吹奏楽部で、居残りで練習した帰りだったのよ。吹奏楽部は北校舎の三階でしょう? 練習を終えて、一階に下りて渡り廊下使って生徒玄関に向かう途中で、いきなりムマに腕を掴まれて、進路指導室に引き込まれたんですって」
「抵抗は?」
 真理の言葉に、朝輝は頷く。
「したけど、無理だったって。顔を殴られて、お腹を殴られて。ナイフを首筋に突きつけられて、殺すぞ、って脅されたって言ってた。制服をビリビリに破かれて、ストッキング、ショーツ、ブラジャーも切り刻まれたんだって」
「……虫酸の走る話じゃ」
「……ウム」
 東光はポケットからティッシュを取り出すと鼻を押さえて上を向いた。
「東光、現場を思い浮かべるな。そんな話を聞いて鼻血を出すと、おかしな趣味嗜好だと思われるぞ」
「……ムッ」
 朝輝は苦笑いを浮かべて東光が落ち着くのを待ちながら、胸の奥から重い溜息を吐きだした。
「だからお願い。真理、アン子、犯人を捕まえて」
「当然だ」
 杏子は立ち上がった。卑劣なムマを、これ以上この学園にのさばらせるわけにはいかない。
「御陵高校探偵倶楽部、これより正義を執行し、二つの事件を解決する!」
「だな」
 杏子の言葉に、真理は頷いて立ち上がった。
「俺は、真壁志保の事件の事を警察に聞いてみるよ。アサギ、悪いけどムマの噂を放課後までに調べておいてくれ」
「ああ、任せておけ」
 アサギは立ち上がると、「馳走になった」と口元に笑みを浮かべて屋上から立ち去った。
「真理、警察関係者に知り合いがいるのか?」
「ああ、警察には幾つも貸しがあるからな。その貸しを少しばかり返してもらう」
 真理は悪戯な笑みを浮かべると、東光を連れ立って屋上を後にした。
 残ったのは杏子と朝輝だった。二人は顔を見合わせると、どちらともなく「フンッ」と顔を背け、競争するかのように我先にと屋上から立ち去った。


 放課後、杏子はいつものように正義部、いや、御陵高校探偵倶楽部の部室へと向かっていた。一年生の時は南校舎の四階に教室があった為、放課後すぐに向かう事が出来たが、二年生は一つ下の三階に教室がある。どうしても移動に時間が掛かってしまう。
 階段を登りながら、正義と書かれた腕章を腕に付ける。御陵高校探偵倶楽部と名を変えようとも、あそこは杏子の城であり、秘密基地であった。
 奇異な視線を向けてくる一年生達の間を颯爽と抜ける。
 小学校、中学校、高校と杏子は冷たい視線を浴び続けていた。何か悪い事をしたわけではない。ただ、自分の思っている事、考えている事を口にし、実行しているだけだ。あの事件が起きるまで、杏子の回りには沢山の友人がいた。だが、一人、また一人と友人達は杏子の回りから消えていった。アサギも消えていった友人の一人だ。
 最初は寂しかったのだと思う。遊ぶ友達もおらず、いつも一人で教室の片隅に立っていた。苛められているわけでもなければ、無視されているわけでもない。杏子は、いつしか見えない子になっていたのだ。
 最初は自分の置かれた状況に納得出来ず、友人達に声を掛けた。最初は和気藹々と話していたが、やがて友人達の顔からは笑顔がなくなり、露骨に嫌な顔をされるようになった。友情、正義、そう言った物を説いた所で、子供には分かるはずもない。事実、杏子だって分かっていなかった。特撮ヒーローのセリフを口にしていただけなのだから。
 中学に入ると、もはや誰の相手にもされなかった。杏子も自分から他人に近づこうとはせず、静かな学生生活を送った。一人寂しい杏子の唯一の慰めは、やはりヒーローだった。悪を挫き、正義を貫く。人望が厚く、誰からも愛される正義の使者。女の子でありながら、杏子は戦隊物、仮面ライダー、ウルトラマン、果てはアニメにまでドップリと浸かった。
 心に押さえ込んでいた正義の炎は、高校になって炸裂する。一念発起して、正義部を立ち上げたのだ。活動内容は、校内の悪を滅する。文字通り、正義を執行すると言う内容だった。予想はしていたが、反響は驚くほどなかった。S−NETを駆使し、同志を募ったが、やはり誰も反応を示さなかった。
 何とかしなければいけない。正義の腕章を付けた杏子は、放課後校内をふらついた。幸い、御陵高校は事件に事欠かなかった。だが、杏子が事件解決に乗り出し、二日もするとその事件は解決していた。誰かが事件を解決したはずなのだが、当事者に聞いても決まって口は重い。そこで知れた情報が、遠藤東光という聞き慣れた名だった。
 様々な通り名で呼ばれている悪の大王。それが事件を解決したというのだ。俄には信じられなかったが、真理と東光の人となりを間近でみれば得心がいく。事件の関係者の口が重かったのは、言いたくなかったのではなく、真理に口止めされていたのかも知れない。
 自分に才能がないのは良く分かっていた。数式を解くのと、謎を解くのとは質が違う。知識を溜め込んだ所で、実際の謎は解けない。それでも、杏子は諦めずに這いずり回った。正義こそ自分の存在意義であり、生きている理由だからだ。様々な矛盾を抱えながら、杏子は今日に至った。
 人の為だとのたまっているが、結局は自分の為。その為に真理を駆り出し、アサギに協力を要請した。それでは何の意味もない。分かってはいるが、正義部が無くなると言う事は、自分の居場所が無くなると言う事だった。
 探偵倶楽部の部室前に来た杏子は、ドアノブを握り締めた手を止めた。ふと、視線を上げて扉の上を見る。そこには、『御陵高校探偵倶楽部』と、溜息が漏れてしまうほど見事な文字で書かれた看板が下がっていた。
 杏子はドアを開ける。見慣れた部室に、東光、アサギ、そして真理がいた。
「表の看板なんだが」
 中に入った杏子は、言いかけて言葉を止めた。真理の足元に置かれた段ボールの中には、書き損じた看板が山のように突っ込まれていた。看板に書かれた文字は、ミミズが這ったような文字で、お世辞にも上手いとは言えなかった。
「あれは、誰が書いたんだ?」
 定位置の席に腰を下ろした杏子は一同を見渡した。仏頂面した真理に、タブレットとノートブックの画面を見比べているアサギ。東光は腕を組んで目を閉じていた。
「珠洲真理のプロフィールに早速追加じゃ」
 杏子の問いに答えるように、アサギが喉の奥で笑う。
「珠洲真理、極めて不器用。推理しかできない推理馬鹿。以上」
 どうやら、あの書き損じは全て真理がやったようだ。ならば、誰が看板を書いたのだろう。キャラからして、アサギではないだろう。プリンターを使うというのならまだ分かるが、あれはどう見ても手書きだ。
「東光だよ」
 投げ遣りに真理が答える。
「ゴミ捨て場から使えそうな破材を拾ってきたんだが、持ってきた分、全てをミスりそうだったからな。最後の一枚を俺が書いた」
「どーせ字が下手ですよ」
「まあ、そう怒るな。良いアイデアだった」
「ああ、私もそう思う。……いいな、こう言うのも」
 しみじみ呟いてしまった杏子。気がつくと、隣の席の真理も、向かいのアサギも、こちらを見ていた。東光は目を閉じている。
「アン子は、友達が欲しいのか? 寂しい女じゃな。永遠の生命を持つ儂は、寂しさにも慣れたわ」
「友達が欲しいわけじゃない! 私が欲しいのは、仲間だ!」
「仲間と友達、何処が違う?」
 皮肉に口元を上げたアサギ。
「俺は分かるな」
 隣の真理は顎肘を突きながら東光を見た。
「俺と東光みたいな関係を、仲間って言うんだ。一緒に帰ったり、ゲーセン行ったり、飯食ったり、友達っていえば友達だけどさ。何て言うのかな、仲間は自分の体の一部みたいな、そんな親近感があるんだよな。絆、っていうのかな」
「絆じゃと? なんじゃそれは? 食い物か?」
 アサギが茶々を入れるが、真理は笑顔で答える。東光も目を開け、コクリと頷く。
「例えばさ、部活ってあるだろう? あれは友達と言うよりも、仲間だよな。先輩後輩の上下関係はあるけど、強い絆で結ばれている。個々で競争はしているけど、向いている方向は同じ。俺達もそうだろう? 杏子も、アサギも、東光も、心にある正義、見つけ出そうとしてる真実は違うかも知れない。だけど、俺達はこうして一つの目標に向かって頑張っている。俺達は、もう絆で結ばれた仲間さ」
「……」
 不快そうに口をへの字に曲げたアサギだったが、反論せずに画面に目を落とした。
 杏子は頷いた。一時とはいえ、同じ時を同じ場所で、同じ目標に向かって歩める仲間が出来た。それだけで満足してしまいそうだ。杏子はパンッと両手で頬を叩くと、「よし!」と気合いを入れて顔を上げた。
「では、始めるぞ。真理、警察関係者から情報を仕入れる事は出来たか?」
「ああ、バッチリ」
「アサギ、ムマについて下調べは済んだか?」
「儂を誰だと思っておる? ついでに、S−NETで真壁志保について書かれた書き込みも調べておいたわ」
 杏子は頷く。
 まずは、真理の話から始まった。
「俺は知り合いの刑事に聞いて、真壁志保の自殺の話を聞いた。
 状況から見て、真壁志保は自殺。壁に書かれた血文字は皆が知っている通り、『天よりの使者 降臨し望みを叶えん』って内容だった」
「血文字は誰の血だったのじゃ?」
 真理の話をタブレットに打ち込みながら、アサギが尋ねる。
「志保の血だ。警察は、彼女が血文字を書いてから、飛び降りたと言っている」
「それは確かなのか」
「……警察はそう思ってるみたいだな。実際、現場検証からは他殺を立証するような物的証拠は発見されなかった。それに、自殺する動機もあったみたいなんだ」
「動機とは何だ?」
 心の奥が重くなるのを感じていた。すでに志保は死んでいる。それなのに、彼女の死の真相に触れようとすると、不思議と心が軋んだ。
 真理は一旦言葉を切ってから、続けた。
「彼女から、男性の体液が発見された」
「……」
「……」
「……」
 静まりかえる探偵倶楽部の面々。視界の端で、白い巨体が揺れた。見ると、東光の上半身が不自然に上下していた。
「……東光、めんどくさいから、お前は変な事を想像するな」
「た、体液というのは、その、男性のあれ、だよな? 志保は、その……誰かに強姦されていたのか?」
 思わず杏子は聞いていた。真理は首を傾げて「それは分からない」と、完結に述べた。
「志保が強姦されたのか、それとも、恋人とそう言う行為に及んだ後だったのか、それは俺にも分からない。でも、警察関係者は志保の体と、学園から一つの指紋を発見した」
「誰の指紋じゃ?」
「野木政志の指紋だ。志保の体に残されたDNAから、それが野木政志の物だと断定された」
「……だから、誰じゃ、その野木政志というのは。学園名簿には、そんな奴の名前はないぞ?」
「学園名簿にはないだろうけどな、ネットで検索すればすぐに出てくる。強姦致死で服役していた、現在三五歳の男性だ。六年前、十年の刑期を終えて出所している。正確は極めて残忍で、頭も切れる。野木はオカルトにも精通しているらしくてな、彼の蔵書には様々なオカルトの書籍があったそうだ」
 一同の視線がアサギに注がれる。アサギは眉間に深い皺を寄せながら、「なんじゃ?」と声を荒げた。
「……別に、オカルト自体が悪いって訳じゃ無い。ただ、今の世の中そっち方向に傾倒しているヤツは、少し問題があるのも事実だ」
「真理、それはお主も同じじゃろう? むしろ、闇の知識に関しては儂よりもお前の方が精通しておる」
「俺の場合は、知識として得ているだけだ。魔術を現象としてではなく、知識としてみていけば、ゲームの中で使うような魔術は存在しないと言う事が分かる。魔術というのは、自分に、他者に対して掛ける催眠のようなものだ」
「そうじゃのう、その事については否定せん。で、その野木と言う男は、どちら側の人間なのじゃ? まさか魔術の為に女性を犯しているのか?」
「いや、アイツは俺と同じだな。知識としてオカルトを有しているだけだ。女性を犯すことよりも、恐怖に戦く姿を見る事が興奮するみたいだ」
「最悪じゃの」
「まさか、そんな奴の指紋が御陵高校にあったというのか!」
 思わず杏子は腰を上げた。
「ああ、そのまさかだ。指紋は本当にそこら中にあったんだ。新しい物から、古い物まで、本当に多くね。最近学園に侵入してきたような物じゃないと警察は断定して、春休みの間、虱潰しに学園を捜査したけど、野木政志の姿は確認できなかった」
「……真理、志保は……強姦されたから自殺したのか?」
 深呼吸をして気持ちを落ち着ける。イスに腰を下ろし、真理に向き直る。東光は相変わらず手を組んだまま目を閉じており、アサギはタブレットから目を上げて真理を見つめていた。
 二人の女性の視線を受けながら、真理は暫し考え込むように唇を尖らせていたが、小さな吐息と共に懐から取り出した鉄扇で肩を叩いた。
「……違うと思う。彼女に、強姦された形跡はなかった。俺はね、もっと別の所に志保が自殺した原因があるんじゃないかって思う。そして、それを解明すれば、自ずと今回の事件は解決すると思うんだ」
「警察は、野木政志の行方を追っているのか?」
 東光が片目を開けて尋ねる。
「ああ、学園にいない事は確認されたらしい。教師達にはその事を伝えてあるけど、もちろん生徒達には内緒だ」
「だろうな。強姦に殺人を犯している奴が校内に潜んでいるとなれば、パニックを起こす可能性だってある」
「建前はな。実際は生徒の混乱と言うよりも、マスコミに漏れる事の方が問題だったんじゃないかな。自殺と組み合わせると、かなりのコンボだからな。来期の入学生が激減、既存生徒の親が精神的苦痛で裁判なんて事だってあり得る。学校としては、隠せる物なら隠しておきたいって所だろう」
「……なるほどな。では、アサギ、そちらはどうだった?」
 アサギは黒いローブからハンディータイプのプロジェクターを取り出してタブレットに接続した。東光が無言で立ち上がり、カーテンを閉めて部屋の明かりを暗くする。よくよく考えると、東光は細かい所にまで気の回るタイプのようだ。昨日、不覚にも涙を流してしまった時、ハンカチを差し伸べてくれたのも東光だった。その辺の女の子よりも気が利く。
 杏子と真理の間に光が走り、背後の壁にタイムテーブルが映し出された。
 歴史の教科書で良く目にするような、縦の箇条書きにされたタイムテーブルだった。上方に年月日が記され、下方には目撃された場所と時間が記されている。
「三年前の五月頃から、ムマが目撃されているという噂が多かったのじゃが、調べてみると、五年前のS−NETの掲示板でムマの名前が上がっておる。それは散発的で、本当に噂の域を出ない物じゃったのだが、三年前の五月から、S−NETでムマの名前が爆発的に増えた」
 杏子はタイムテーブルの中程、丁度三年前の五月からムマの目撃情報が増えている事に注目した。
 ムマが目撃されるのは、放課後のみだった。早朝や授業中に目撃されたという報告は、一度としてない。放課後、五時から六時の間に、決まって学園の敷地内で目撃されている。北校舎、南校舎に問わず、様々な場所で目撃されている。中には、同時刻、別の場所で目撃されている場合もある。
「ムマは一人じゃない、と言う事か?」
「報告を信じるとするならば、そう言う事じゃな。五年前から活動していると言う事は、生徒の何人かはムマだった可能性がある。じゃが、注目すべきはそこじゃない」
「実害がない。あるのは目撃例だけで、何かを盗まれた、暴力を振るわれた、そう言った事が何一つ無いな」
「そこの推理馬鹿の言う通りじゃ。二年前まで、ムマに実害はない。強姦されたという話が出てきたのは、丁度二年前からじゃ。それ以降も、ムマの目撃情報は相次いでいる」
 身を引いた杏子は、俯瞰した眼差しでタイムテーブルを見つめる。二年前から現在に遡って、目撃情報は年十回と少し。乱暴されたという噂は、年に二回ほどだ。単に、乱暴されたと本人が言わないだけなのか、それとも、実際に実害が少ないのか。
「どちらにしろ、二年前から実害が出ている。これは、何かムマに変化があったと考えても良いかもしれない。それに、『仮面』と『放課後』という共通項があり、更にムマは複数人いると思われる。もしかすると、これはS−NETの結社かも知れないな」
 東光は杏子とアサギを見て、最後に真理に確認を取るように見つめた。
「東光の言う通り、それが一番可能性として高いんじゃないのかな。俺はS−NETに関して、この前仕入れた程度の情報しか知らないけど、五年間目撃されて続けているって事は、何らかのグループと見るのが妥当だろう」
「そうじゃのう。儂も東光の意見に賛成じゃ」
「ならば、ムマは結社から探ると良いかもしれないな。で、志保についてもS−NETで書かれた事があったとアサギは言っていたが」
 アサギは頷く。タブレットの画面を一つ叩くと、壁に映された映像が変化した。今度は、箇条書きにされた真壁志保の噂話だった。
「真壁志保に着いての書き込みは、七件じゃ」
「七件か。S−NETの実名晒しは無しじゃなかったのか?」
「実名晒しは基本的にNGだ。だが、誹謗中傷する内容じゃない時は、スルーされる事が多い。もっとも、誹謗中傷する内容が記されている所もある。実際二千からなる結社を、教諭達が管理するのは至難の業だろう。放置されている場所が沢山あるのが現状だ」
「ちなみに、儂の名前で検索すると、約二一〇件の誹謗中傷。杏子は二八七個。真理は意外と少なく、五個。東光は……」
 一旦言葉を止めたアサギは、隣に座る東光にニコリと笑った。キュートな口から付け八重歯が覗く。
「一〇八七件と、恐らく学園トップだろう」
「お、ダントツ一位じゃないか。何でも一番って事は、素晴らしい事だぞ、東光」
 カラカラと真理は笑う。真理の笑顔と対照的に、タダでさえ険しい東光の顔が更に険しくなった。
「……何故だ。高校に入って、何一つ悪い事はしていないのだが」
「存在する事自体が悪って事じゃろう」
「……気にするな、東光。私もアサギもそうだったが、君は誤解されやすい。実際、毎日罰則を受けているくらいだしな」
「……ムウ」
 東光の非難がましい視線を受けた真理は、扇子を広げて回避する。杏子は相変わらずの二人のやり取りに口元を緩めながら、掲示板の内容を見た。

 1 真壁志保、ついにコンクールで金賞! 血筋ってパネェー!
 2 真壁っち、表彰式でも涼しい顔。クールビューティーって言うんだなwww
 3 今日も真壁は男を振ったらしい! 誰か、真壁越えをしてくれ! 挑戦者求む!
 4 あの糞ヤロー(某用務員)に笑顔で対応している真壁! マジ女神に見えたわ!
 5 真壁は凄い。私なんてあのセクハラ野郎に笑顔で答えるなんて出来ない!
 6 真壁は裏表のない人間。だけど、姉の美術教師は少し好きになれない……
 7 真壁姉妹が美術室で口論。ちょっと入れる雰囲気じゃなかった……

 最後の書き込みは、先月の頭、三月二日の放課後に書き込まれていた。
「ふ〜ん。これだけを信じるなら、美術の才能はもちろんの事、中身も出来た人だったみたいだな」
「じゃな。儂たちとは一八〇度反対側の人間と言う事だな。告白してきた男を振るなど、リア充の中のリア充、要するに儂等の敵じゃな」
 杏子と真理がアサギを見る。アサギは視線を受けると、ハッと我に返った。頬を赤く染め、タブレットに視線を落とす。
「別に、儂はもてないからと言ってひがんでいるわけではないぞ! その手の人間には、興味を抱かれておる」
「別に、何も言ってないだろう?」
「ええ、何も言ってないわね」
 バツの悪そうな表情を浮かべ、アサギはプロジェクターを落とし、窓を開けて明かりを付けた。黄色く染まった光が窓から入り込む。グラウンドから、部活動をしている生徒達の声が微かに聞こえてきた。
「真壁の交友関係までは分からなかったが、彼女と関わりのある人物の名は二人出てきたな」
「姉の真壁美保と、某用務員。某用務員とは十中八九、高嶺健治じゃな。五年前から住み込みの用務員として勤務。セクハラで幾度か学校から注意を受けておる」
「……高嶺さんか。少し、誤解を受けやすいと言えば、受けやすいよな」
 真理の声に、東光は「ウム」と頷く。
「真理、高嶺用務員を知っているのか?」
「ああ、いつも世話になっているよ。俺と東光が壊したりしたものを直してくれる」
「……八割方は真理が壊しているのだがな」
「でも、二割は壊してるのだな。普通の生徒は学校の設備を破壊したりはしない」
「……」
 東光は沈黙した。
「杏子、とりあえず、高嶺さんと真壁先生にもう一度話を聞いた方が良いな。特に、七番目の項目、口論していたって言うのが気になる」
「私もそう思う。提案があるのだが、二人一組で捜査をしないか?」
 四人でゾロゾロと歩いても良いのだが、それだと余りにも非効率だ。一人で行動するには、杏子達は余りにも不向きだ。ヘタをすれば、門前払い。東光以外、誰も話を聞いてくれないだろう。二人一組ならば、相手も杏子達の捜査に協力してくれる可能性が高いと思える。
「んじゃ、俺と杏子、東光とアサギのコンビでどうだ?」
「無難じゃな」
「俺もその組み分けが良いと思う」
「ええ、分かったわ」
 こうして、二人一組に分かれて調査を行う事になった。
 杏子と真理は、用務員の高嶺へ話を聞きに行き、東光とアサギは美保へもう一度話を聞きに行く事になった。
(つづく)
(初出:2012年10月)
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登録日:2012年10月21日 13時27分

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