小説/SF
葬送のフーガ(6)
[連載 | 連載中 | 全17話] 目次へ
インターリム。中間性。男でも女でもない性。戸籍上の性別を決める期限はあさってに迫っていた。レイはどうするつもりなのだろうか。そして、ユノの罪が明らかとなり……。
ユノ(一)
わたしは混乱を払おうと頭を振りながら、ドアの方へと向かっていった。でもそれは室外へ出て行くためではなく、部屋の灯をつけるためだった。
レイもそれは予想していなかったらしく、わたしがドアの脇のスイッチを入れて戻ってくると、意表を突かれた顔をした。
「おい、ユノ……」
困惑しながら制止する声を無視して、わたしは再びベッドの上に這い上がる。そして、剥き出しになったままのレイの肌に触れた。はだけたパジャマの下の素肌は、セリトさんほどではなくても白くなまめかしい。改めてこうして見てみると、それは十八歳になる男の体とは思えなかった。
「……女の人、っていうわけでもないのね」
ぺたぺたと胸の辺りを触って確かめてみたけれど、かすかな膨らみさえもない。まったくの真っ平らだった。
「上にも下にも臓器(なかみ)にも、性を決定するものは何もないんだ。おまえ、中間性(インターリム)を見るのは初めてなのか?」
その問いに、わたしは小さく頷いた。
「そうね……確かに、周りにはいなかったわ」
中間性という言葉が世間に定着したのは、わたしたちが生まれる数年ほど前だったという。
男でも女でもない、性別を決定する要因を持たずに生まれてくる子供たち――それが中間性。遺伝子の変異によって、性染色体が不完全になってしまったことが原因とされている。
昔はほとんどいなかったのに、時とともに性別のない子供の出生率が増加した。それで、次第に「中間性」という単語が社会に浸透するようになったのだ。
だけど、たとえ識別できなくても戸籍には男か女のどちらかしかない。それで新法により、性別を身体的に判断できない場合は十八歳までに自分の意思で決めなければならない、と定められた。つまり、法律上「中間性」と呼ばれるのは、十七歳までの子供だけなのだ。
ということは、レイは戸籍上の性別は決めているのだろうか。
「レイの誕生日はいつ?」
「あさって」
「嘘、もうすぐじゃない! それじゃ、手続きは済んでるの?」
「……いや、まだ」
そう答えるレイは、実に歯切れが悪かった。どうしてだろう。もう期限はそこまで迫っているのに。
「でも学校では男子として登録されてるのね。他のみんなは知ってるの?」
「とりあえず先生たちだけだと思うよ。誰にも何も言ってないから」
そうだったのか。レイは確かに小柄で華奢だけど、男の子でないかもしれないなど、まったく考えもしなかった。
きっとそれは他のクラスメイトも同じだろう。知識は持っていても、この世に男と女以外の性があることなど、普段は忘れてしまっているのだ。
「学校には僕以外にも中間性の人間がいると思うよ。誰もそんなこと、自分で言わないから知られてないだけで。学校側も、そういうのが差別の対象になったらまずいから、お互いの性別が知られないような工夫をあれこれしてきたんだ」
「工夫って?」
「例えば、水泳の必修廃止。制服の廃止と体操着の改良。身体的特徴を強調することは禁止だからね。あと、男子トイレの全面個室化。今じゃ信じられないけど、昔の男の人は結構開けっぴろげだったらしいよ」
そう言いながら、レイは小さく笑った。それは苦笑というよりも、自分自身に向けられた嘲笑のようだった。いつも毅然としているレイの、どこか後ろ向きな表情をわたしは初めて見た。
「だから、僕が性別のない中途半端な人間だなんて、誰にも知られてない。法律に守られてるおかげだね」
「……そういう言い方はレイらしくないわ」
「僕らしいってどういうこと? 僕がどんな人間か、ユノは知ってるのか?」
そう訊かれては、わたしも返す言葉がない。レイの性別さえ知らなかったことは事実なのだから。だけど、そんなふうにからんでくること自体、いつものレイとは明らかに違っていた。
「――あなただって、何もわかってないじゃないの」
レイの発言を聞いている内に、わたしはだんだん腹が立ってきた。
確かにレイは中間性として生まれてきた。こればかりは人間の身ではどうしようもない。後々、法律上の性別は自分で決められたとしても、その性を物理的にまっとうすることは一生できないのだ。
そして、そのことをレイは後ろめたく感じているらしい。気持ちはわからないでもない。でも、世の中に同じ境遇の人は大勢いる。それなのに、レイは自分だけが不幸だとでも思っているのだろうか?
「お、おいユノ、今度は何するつもりだよ!?」
わたしはレイの声など聞こえないふりをした。レイは慌てて止めようとしたけれど、わたしの動きの方が早かった。
わざわざ部屋の明かりをつけに行ったのは、このためだったのだ。ベッドサイドの小さなランプでは、はっきりと見えないだろうから。
レイは言葉をなくし、ただじっと見つめていた。わたしはパジャマも下着も脱ぎ去って、レイと同じように下腹部を露わにした。そして、そこにはくっきりと古い手術痕が残っている。
わたしはおもむろにレイの手を取ると、その古傷にあてがった。強ばったレイの指先の感触が、わたしの皮膚を通して伝わってくる。
戸惑いながらじっと見つめてくるレイに、わたしはゆっくりと告げた。
「これはね、わたしの罪の証なのよ」
「……罪?」
そう、とわたしは頷く。そこでようやく手を離してあげると、レイは恐る恐る引っ込めた。自分とたいして変わらないのに、人のものを触れるのは気が引けるのかもしれない。
「――人殺しの罪」
簡単なその言葉に、レイは目に見えて息を呑んだ。
「どう……いうことだ……?」
「あなたが生まれつき性別を持たないと言うなら、わたしも生まれつき女じゃなかった。女性に必要な臓器――子宮がないまま生まれたのよ」
わたしは言いながら、いまだはっきりと残る手術の痕をさすってみせた。この傷口の下が、ちょうど子宮の位置にあたるのだ。
「そう、これは移植手術の痕。そしてこのお腹に入ってる子宮の持ち主は、手術の後で死んだわ。わたしが殺したのよ」
「そんな……子宮を摘出したって命には関わらないだろう? 何で殺したことに――」
「この持ち主はね、わたしを女にするためだけに生かされてたの。だからお役御免になったところで殺されたのよ」
言いつのろうとするレイを遮って語った言葉は、しかし意味不明なものだったろう。案の定、首を傾げてレイは訊ねてきた。
「いったい……誰なんだ? その持ち主っていうのは……」
「わたしの双子の妹よ。あの子は――リノは脳が未発達なまま生まれたの。他の内臓は全部完璧だったのにね」
わたしの妹リノが生まれた時、頭蓋の中身は人間に満たないものだったという。放っておけばすぐにも死んでしまうところだったのに、彼女は生かされた。生命維持装置をつけられたまま、十年間。
それは、極秘でわたしに子宮の移植手術をさせるためだった。子宮以外はすべてそろっていたわたしの欠陥を埋めるために、リノは生かされ続けたのだ。特に一卵性双生児なら、DNAはまったく同じ。拒絶反応もないからと、都合の良い代用品扱いをされたのだ。
そしてわたしが手術に耐えられる歳になった時、リノの命は費えた。我が家にそんな子供はいらないからと、出生届すら出されていなかった妹。彼女は人間として葬られることすらなく、証拠を残さないよう原子レベルにまで完全に分解されて消えてしまった。
わたしが一緒に生まれてこなければ、あえて生かされることも殺されることもなかったはずなのに。わたしの生が、リノの命を弄ぶ結果になったのだ。
「でも……それはユノのせいじゃないだろう?」
「たとえ願わなかったとしても、わたしのせいであることは間違いないわ。わたしがリノを殺したのよ」
「ユノ……」
レイはわたしの名を口にしたけれど、その後の言葉が続かなかった。何と言って良いのか自分でもわからないのだろう。
さっきまで自分を不幸であると全身で訴えていた背中が、今は何だか小さくなっているように見えた。
「ねえ、レイ。押しつけられた性よりも、自分で選べる性の方がよっぽどいいんじゃないかしら。あなたはそう思わない?」
その問いかけに対する返事はなかった。
わたしは答えを待たず、脱ぎ捨てた下着とパジャマを再び着直してベッドから降りた。裸のまま廊下でセリトさんと出くわしても困る。一方、レイはわたしに半分脱がされた姿のまま、乱れを直そうとする意思もないようだった。
とはいえ、わたしも服を着せてあげるほどお人好しでもない。そのままにして部屋を立ち去る直前、ドアの前で最後の質問を放った。
「それで、レイはこの先も男として生きるつもりなの?」
「……ああ、そうだよ」
数拍の沈黙の意味を、わたしはあえて訊ねなかった。
わたしは混乱を払おうと頭を振りながら、ドアの方へと向かっていった。でもそれは室外へ出て行くためではなく、部屋の灯をつけるためだった。
レイもそれは予想していなかったらしく、わたしがドアの脇のスイッチを入れて戻ってくると、意表を突かれた顔をした。
「おい、ユノ……」
困惑しながら制止する声を無視して、わたしは再びベッドの上に這い上がる。そして、剥き出しになったままのレイの肌に触れた。はだけたパジャマの下の素肌は、セリトさんほどではなくても白くなまめかしい。改めてこうして見てみると、それは十八歳になる男の体とは思えなかった。
「……女の人、っていうわけでもないのね」
ぺたぺたと胸の辺りを触って確かめてみたけれど、かすかな膨らみさえもない。まったくの真っ平らだった。
「上にも下にも臓器(なかみ)にも、性を決定するものは何もないんだ。おまえ、中間性(インターリム)を見るのは初めてなのか?」
その問いに、わたしは小さく頷いた。
「そうね……確かに、周りにはいなかったわ」
中間性という言葉が世間に定着したのは、わたしたちが生まれる数年ほど前だったという。
男でも女でもない、性別を決定する要因を持たずに生まれてくる子供たち――それが中間性。遺伝子の変異によって、性染色体が不完全になってしまったことが原因とされている。
昔はほとんどいなかったのに、時とともに性別のない子供の出生率が増加した。それで、次第に「中間性」という単語が社会に浸透するようになったのだ。
だけど、たとえ識別できなくても戸籍には男か女のどちらかしかない。それで新法により、性別を身体的に判断できない場合は十八歳までに自分の意思で決めなければならない、と定められた。つまり、法律上「中間性」と呼ばれるのは、十七歳までの子供だけなのだ。
ということは、レイは戸籍上の性別は決めているのだろうか。
「レイの誕生日はいつ?」
「あさって」
「嘘、もうすぐじゃない! それじゃ、手続きは済んでるの?」
「……いや、まだ」
そう答えるレイは、実に歯切れが悪かった。どうしてだろう。もう期限はそこまで迫っているのに。
「でも学校では男子として登録されてるのね。他のみんなは知ってるの?」
「とりあえず先生たちだけだと思うよ。誰にも何も言ってないから」
そうだったのか。レイは確かに小柄で華奢だけど、男の子でないかもしれないなど、まったく考えもしなかった。
きっとそれは他のクラスメイトも同じだろう。知識は持っていても、この世に男と女以外の性があることなど、普段は忘れてしまっているのだ。
「学校には僕以外にも中間性の人間がいると思うよ。誰もそんなこと、自分で言わないから知られてないだけで。学校側も、そういうのが差別の対象になったらまずいから、お互いの性別が知られないような工夫をあれこれしてきたんだ」
「工夫って?」
「例えば、水泳の必修廃止。制服の廃止と体操着の改良。身体的特徴を強調することは禁止だからね。あと、男子トイレの全面個室化。今じゃ信じられないけど、昔の男の人は結構開けっぴろげだったらしいよ」
そう言いながら、レイは小さく笑った。それは苦笑というよりも、自分自身に向けられた嘲笑のようだった。いつも毅然としているレイの、どこか後ろ向きな表情をわたしは初めて見た。
「だから、僕が性別のない中途半端な人間だなんて、誰にも知られてない。法律に守られてるおかげだね」
「……そういう言い方はレイらしくないわ」
「僕らしいってどういうこと? 僕がどんな人間か、ユノは知ってるのか?」
そう訊かれては、わたしも返す言葉がない。レイの性別さえ知らなかったことは事実なのだから。だけど、そんなふうにからんでくること自体、いつものレイとは明らかに違っていた。
「――あなただって、何もわかってないじゃないの」
レイの発言を聞いている内に、わたしはだんだん腹が立ってきた。
確かにレイは中間性として生まれてきた。こればかりは人間の身ではどうしようもない。後々、法律上の性別は自分で決められたとしても、その性を物理的にまっとうすることは一生できないのだ。
そして、そのことをレイは後ろめたく感じているらしい。気持ちはわからないでもない。でも、世の中に同じ境遇の人は大勢いる。それなのに、レイは自分だけが不幸だとでも思っているのだろうか?
「お、おいユノ、今度は何するつもりだよ!?」
わたしはレイの声など聞こえないふりをした。レイは慌てて止めようとしたけれど、わたしの動きの方が早かった。
わざわざ部屋の明かりをつけに行ったのは、このためだったのだ。ベッドサイドの小さなランプでは、はっきりと見えないだろうから。
レイは言葉をなくし、ただじっと見つめていた。わたしはパジャマも下着も脱ぎ去って、レイと同じように下腹部を露わにした。そして、そこにはくっきりと古い手術痕が残っている。
わたしはおもむろにレイの手を取ると、その古傷にあてがった。強ばったレイの指先の感触が、わたしの皮膚を通して伝わってくる。
戸惑いながらじっと見つめてくるレイに、わたしはゆっくりと告げた。
「これはね、わたしの罪の証なのよ」
「……罪?」
そう、とわたしは頷く。そこでようやく手を離してあげると、レイは恐る恐る引っ込めた。自分とたいして変わらないのに、人のものを触れるのは気が引けるのかもしれない。
「――人殺しの罪」
簡単なその言葉に、レイは目に見えて息を呑んだ。
「どう……いうことだ……?」
「あなたが生まれつき性別を持たないと言うなら、わたしも生まれつき女じゃなかった。女性に必要な臓器――子宮がないまま生まれたのよ」
わたしは言いながら、いまだはっきりと残る手術の痕をさすってみせた。この傷口の下が、ちょうど子宮の位置にあたるのだ。
「そう、これは移植手術の痕。そしてこのお腹に入ってる子宮の持ち主は、手術の後で死んだわ。わたしが殺したのよ」
「そんな……子宮を摘出したって命には関わらないだろう? 何で殺したことに――」
「この持ち主はね、わたしを女にするためだけに生かされてたの。だからお役御免になったところで殺されたのよ」
言いつのろうとするレイを遮って語った言葉は、しかし意味不明なものだったろう。案の定、首を傾げてレイは訊ねてきた。
「いったい……誰なんだ? その持ち主っていうのは……」
「わたしの双子の妹よ。あの子は――リノは脳が未発達なまま生まれたの。他の内臓は全部完璧だったのにね」
わたしの妹リノが生まれた時、頭蓋の中身は人間に満たないものだったという。放っておけばすぐにも死んでしまうところだったのに、彼女は生かされた。生命維持装置をつけられたまま、十年間。
それは、極秘でわたしに子宮の移植手術をさせるためだった。子宮以外はすべてそろっていたわたしの欠陥を埋めるために、リノは生かされ続けたのだ。特に一卵性双生児なら、DNAはまったく同じ。拒絶反応もないからと、都合の良い代用品扱いをされたのだ。
そしてわたしが手術に耐えられる歳になった時、リノの命は費えた。我が家にそんな子供はいらないからと、出生届すら出されていなかった妹。彼女は人間として葬られることすらなく、証拠を残さないよう原子レベルにまで完全に分解されて消えてしまった。
わたしが一緒に生まれてこなければ、あえて生かされることも殺されることもなかったはずなのに。わたしの生が、リノの命を弄ぶ結果になったのだ。
「でも……それはユノのせいじゃないだろう?」
「たとえ願わなかったとしても、わたしのせいであることは間違いないわ。わたしがリノを殺したのよ」
「ユノ……」
レイはわたしの名を口にしたけれど、その後の言葉が続かなかった。何と言って良いのか自分でもわからないのだろう。
さっきまで自分を不幸であると全身で訴えていた背中が、今は何だか小さくなっているように見えた。
「ねえ、レイ。押しつけられた性よりも、自分で選べる性の方がよっぽどいいんじゃないかしら。あなたはそう思わない?」
その問いかけに対する返事はなかった。
わたしは答えを待たず、脱ぎ捨てた下着とパジャマを再び着直してベッドから降りた。裸のまま廊下でセリトさんと出くわしても困る。一方、レイはわたしに半分脱がされた姿のまま、乱れを直そうとする意思もないようだった。
とはいえ、わたしも服を着せてあげるほどお人好しでもない。そのままにして部屋を立ち去る直前、ドアの前で最後の質問を放った。
「それで、レイはこの先も男として生きるつもりなの?」
「……ああ、そうだよ」
数拍の沈黙の意味を、わたしはあえて訊ねなかった。
(つづく)
(初出:2015年07月29日)
(初出:2015年07月29日)
登録日:2015年07月29日 20時21分
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