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城本朔夜
著者:城本朔夜(しろもとさくや)
自称「心のカメラマン」。被写体は、見えなくて、水のようにいつも動いているもの。究極に目指すのは、世にも美しい芸術作品。でも好きなのは、なんの変哲もない「スナップ写真」。撮ったあと、ちょっと変わっているのが撮れていたりすると、嬉しくなって、誰かとシェアしてみたくなります。
小説/SF

生態刑(2)

[連載 | 完結済 | 全5話] 目次へ
強制収容所とおぼしきプレハブ小屋の一室で目が覚めた“ぼく”は逃げ出した。殺されるかも知れない……。しかし、犬のじんのすけに止められ危うく難を逃れる。連行された先で「つかまった本当の理由をみつけなさい」と言われる。期限は三週間。収容所での生活に“ぼく”は……。
「助けて!」
 自分の声に驚いてハッと気づくと、ぼくは見慣れないふとんの上に寝転んでいた。
 夢だったのか。息をつく。何者かに殺されそうになる、怖い夢だった。けれど夢は断片的で、もはやはっきりとはどんな夢だったのか、覚えていない。校庭を走っていたこと、父さんや母さんの行方を心配していたこと、牛の顔をしたやつらに捕まったこと。焦燥感がこの胸にリアルに焼け付いている。夢だったことを体に納得させて、ゆっくりと夢の恐怖から抜け出してくると、ぼくはあおむけに寝転んだまま首を動かし、辺りの様子をうかがった。
 天井は白だったが、薄汚れて灰色がかっている。細長く白っぽい蛍光灯が一本、ぼくとにらめっこをしている。右側に視線を移すと、天井から足元、足元から左側にかけて、ぐるりと三方を、茶色い麻布が床までカーテンのようにかかっている。そしてぼくの頭の上の窓からは、薄明るい光が差し込んでいた。
 ぼくはガバッと起き上がり、窓に近づいてみた。変哲もない普通の窓。
 窓の外に見えるのは、たぶんここと同じであろう、緑色をしたプレハブ小屋が一棟。接近して建っている。
(ここはどこだろう?)
 強制収容所。そんな言葉がうかんでハッとする。
(殺される前の、一時収容所?)
 ぼくの胸がドキドキと高鳴っている。まるで、さっき見た悪夢の続きみたいだ。
(殺されるのはいやだ!)
 そうだ。ここから何とかして逃げ出さなければ。今にもまた、やつらがやってくるかもしれない。ぼくは、震える手を必死に押さえながら、おそるおそる窓の横の、麻のカーテンを、ちらりとめくってみる。そこには、同じようにふとんが一組置いてある。ぼくがいる所と同じつくりだ。窓だけはない。シーツが乱れ、掛けぶとんが無造作にめくれ上がっていて、いかにもだれか住人がいる様子が、一目でわかった。
(ぼくと同じようなのが他にもいるんだ)
 少しホッとした。今すぐ、命をとられることはないかもしれない。なぜなら、こうして無造作にふとんが置かれているっていうことは、ここに寝ていた人は、またここで寝るために帰ってくるからだ。
 きっとここは、ぼくみたいのが寝泊まりしている宿泊施設なんだ。
 ちょっと気が楽になって、右へと続く麻のカーテンを次々に開けていった。まるで堂々巡りの不思議な迷路に迷いこんだかのように、同じ小部屋が続いていた。だれも人はいない。
(みんな、どこに行っちゃったんだろう?) 
 右だけではなく、どのカーテンもまんべんなく開いてみる。初めは恐る恐るだったのが、最後には警察の家宅捜査官のような大胆さで、大げさにカーテンを開けていった。
 もうほとんどのカーテンをめくったのではないかと思われる頃、このプレハブ小屋──とは言っても、体育館の半分くらいの大きさはあるだろうか――の出入り口を見つけた。
 観音開きのアルミ製のドア。上、三分の一に曇りガラスがはめこんである。耳をすませるが、何も音は聞こえない。 
(外には、だれかいるのだろうか)
 だれもいないでほしい気持ちと、だれか、たとえばここの住人のような人がいてくれたらいいという気持ちがせめぎあい、ぼくを緊張させた。
 ノブを握った手が汗ばんですべり、うまく回らない。手がこわばって思うように動かないのとあいまって、ドアノブが、ガチャガチャと必要以上の音をあげた。そのとたん、
「だれだ!」
 というくぐもった声がして、向こうからドアが開いた。


 戦闘服とも作業服ともつかない、ベージュ色の服を着た牛顔の男が、ぼくの前に立ちふさがった。頭の中で、はずれを知らせるブザーの音が聞こえた気がした。ぼくは、たちまち直立不動の人形のようになって、男を見つめた。
「ああ、おまえは今日、ここへ入った第五百三十一号だな? 今しばらくここを出ることは、禁止されている。今、お前の調書について誤りがないか事実関係を調べているところだ。係のものが行くまで、おとなしくもとの場所で待っていろ」
 急には身体が動かない。すると、
「何だ? 便所にでも行きたいのか? それなら、ここを、まっすぐ行った突き当りだ」
 牛顔は、ぼくの左側を指差した。その後、きびすを返すと、ドアを後ろ手に閉めて、ぼくの視界からいなくなった。
 どういうことだろう? ぼくの罪が死に値するものなのか、決めているってことか?  ここにいる人たちは、審議が終わってからの、生き残り組なのかも。だとしたらもし、ぼくの罪が重いものだったら、すぐにここから連れて行かれて、最悪のことだってあるかもしれない。
 さっきのぬか喜びが、たちまちのうちに暗転する。それこそへびの生殺し状態だ。ぼくは胸が苦しくなってくるのを感じた。空っぽの胃もしくしくと痛む。
 さっきの場所へもどった。五百三十一号と小さく書いてある札を見つけ、その場所に腰を下ろす。
 どうにか気持ちを落ち着かせようと、のびをしたり、肩を回したりして、固まった身体をやわらかくしようとするけどうまくいかない。結局、ダンゴムシのように身体を丸め、その場につっぷした。
(窓から逃げよう)
 待つのはいやだった。何かしていなければ、心が壊れてしまいそうだ。
 ぼくは、鉄格子も何もはめられていなかった窓のことを急に思い出し、立ち上がった。窓ガラスを横に引いて身を乗り出し、あたりにだれもいないのを見定めると、サンによじ登る。猫のように身軽にはいかないが、なるべくそのつもりで静かに窓の向こう側へ降りた。向かい側に立っているプレハブ小屋との間にできた細い通路を、左へ進み、小屋の陰から行く手の様子を探る。ぼくの視界には、ありきたりな田舎の風景が広がっていた。
 田んぼや畑、固まりになって見える木立、アスファルトの道と、遠くに見える山。そして濃い灰色や、茶色っぽいオレンジの屋根のかかった民家。ぼくが今立っているところは、空き地に仮に建てられた工事現場の事務所。そんなイメージだ。にしてはこのプレハブは二棟もある上に、結構でかいのだが。
 一瞬、死んだじいちゃんの田舎へ来たような錯覚にとらわれた。広がっている風景はあまりにものどかだった。でも、これなら、最初にだれかに見つからなければ、町の中にまぎれて、逃げられそうだ。
 人目につかないよう、気を配りながら、向かい側のプレハブの壁に沿って移動する。もう一方の角から、右側をのぞくと、やっぱりこっちにも観音開きの入り口があり、このプレハブ二棟は、同じつくりで、背中合わせのように建っていることがわかった。こっちには見張りは立っていない。
 こっちのプレハブの前は、五メートルほど向こうまで、刈りこまれた雑草におおわれている。木立の垣根の向こうに、アスファルトの道が見える。民家らしき屋根も見え隠れしている。
 あそこまで走ろう。あの道に出たら、ただの通行人みたいにして歩けば、大丈夫だ。ぼくはそう勝手に判断して、走り出した。だけどその道に出ても、歩みをゆるめることはできなかった。出た道を考えもなく、左に曲がってなおも走っていく。時々、角をどちらかに曲がってバリエーションをつけながら、やみくもに走った。途中、数人の人間に出会った。反射的に顔をそむけるが、ぼくを呼び止めるものはいなかった。
 畑にも人の気配はあった。あまりに平凡な田園風景。ふいに自分がなぜ走っているのかわからなくなって、足をゆるめる。走っているときには気がつかなかったが、いくつもの砂袋をつけているかのように身体が重くなっていた。空腹でフラフラのくせに、急に走ったからだ。
「それ以上行くと、大変なことになりますよ」
 突然、後ろから声がして飛び上がった。しまった。つけられていたんだ。
 おそるおそる、声の方をふり返ると、そこには、一匹の犬がいた。全身うす汚れたコーギー犬だ。ぼくが前から飼いたいと思っていた犬。犬がしゃべった。一瞬ドキッとするが、考えて見れば牛顔の人間――アレを人間とすればの話だが――がいるくらいだ。犬がしゃべったってどうということはない。
「え? 今なんて言ったの?」
「それ以上は、行かない方がいいですよって言ったんです。サトくん、もどりましょう」
 犬はぼくの名前を知っている。何者だ、こいつ。なんでこの先へ行ったらだめなんだ? 
「オレ、君につかまったってことなの? 君は警察犬?」
「違いますよ」
 犬は、大きな口がさけたようにして、笑うと、今度は不安そうに首を傾けた。
「ぼくのこと覚えてないんですか?」
「覚えてないって?」
 まったくちんぷんかんぷんだ。
「悲しいなあ。飼い主を助けに来たのに、その飼い主に忘れられてるなんて」
 やっぱりわからない。ぼくが無言で返すと
「飼い主殿はこのたびのショックで、半分記憶喪失……」
 何やらぶつぶつひとり言を言ってから
「しかたがない、はじめからやり直しってことで。ぼくは、堀田じんのすけ。ぼくの飼い主である、サトくんを助けに来ました。よろしく!」
 サト君がつけてくれた名前なのに変な感じ…。まだぶつぶつ言っている。
 じんのすけっていえば、ぼくが空想の中で自分の犬につけた名前だ。それと何か関係があるのだろうか? 
 そうはいっても、ぼくはさっきまでの緊張と不安が一気に、陽だまりの中でとけていくのを感じていた。こんなことに巻きこまれてから、三週間ぶりに感じる温かい気持ちだ。今まで、ぼくはこんなにも孤独だった。
 ふいに、こぼれてくる涙を指先でぬぐって、ぼくはその場にしゃがみこんだ。
「大変でしたね」
 気づかうじんのすけを、ぼくは抱きしめた。初めて会うのに、親友みたいだ。太陽みたいないい香りがする。ぼくはしばらく、そうやってじっとしていた。
 ぼくが、じんのすけから離れると、じんのすけがぼくの顔を見て、大丈夫だと思ったらしい。話題が変わった。
「ところで、さっきぼくが忠告したこと。早くもどりましょう」
「う、うん。でもどうして?」
 ぼくたちはもと来た道を歩きながら話をした。
「サトくんの首の後ろに、ついているもの、やっぱり気づいてませんよね?」
「首の? え? どこ?」
 ぼくは手を後ろに回して、首の付け根を探る。なにやら丸い、いぼのようなものが手にさわる。固くて金属のような感触がする。
「うあ? 何だこれ?」
「たぶん、発信機のようなものです。これで、ここのやつらには、サト君の居場所が、手にとるようにわかるようになってるんです。宿泊棟からだいたい二キロ以上離れると、追っ手が派遣される仕組みになってるみたい。ぼく、何人も捕まえられる人、見ましたから」
「つ、捕まえられたらどうなるの?」
「詳しくはわからないですけど、今より悪くなるのは確かだと思う」
 そうだった。親友に助けてもらった気になってたけど、ぼくには重い現実が待っていた。
「ねえ、これ、取れないかなぁ?」
 ぼくは首の後ろに手をやって、もう一度、いぼを探ってみるが、まるでうめこまれているかのように、びくとも動かない。
「簡単に外れるようならつけた意味、ないじゃないですか」
 それもそうだ。軽くいなされて、ぼくはがっかりした。
「オレ、これからいったいどうなっちゃうんだろう?」
 じんのすけはぼくのつぶやきには答えないで、
「ねえ、サト君。サト君は今までどこにいたんですか? サト君の口ぶりからすると、今日はじめてここへ来たみたいだけど、ぼく、サト君がいなくなったことに気づいてから、ここに違いないって思って、このあたりをもう一週間も捜してたんですよ」
「へ?」
 じんのすけが何を言っているのかがわからない。ぼくがどこにいたって、自分の家に決まってるのに。それとも長い間、やつらに眠らされていたのだろうか? 考えてみると、そうとしかつじつまが合わない。
「もしかして、ずっと眠らされていたのかも」
「そうか、それで見つからなかったんですね」
 じんのすけがそう言ったところで、ぼくは気づいた。ぼくたちが歩いている、はるか前方を、だれかがこっちに向かって走ってくる。ぼくの足は止まってしまった。胸がドキドキしてくる。じんのすけもそれに気づいて話を中断した。
 こっちへ向かってくるだれかが、だんだん大きくなってきて、それが二人の牛人間だということがわかった。ぼくの足は、自然に後ずさりを始めた。
「逃げちゃだめです。かえって、悪くなる」
 じんのすけにくぎを刺されてやっと、ぼくはそこに踏みとどまった。
 牛人間がぼくの目の前に来ると、じんのすけは、こっそりついて行くから、というようなことを、さっとぼくに目配せをしてから、ただの通りがかりの犬になってしまった。道のわきの草をかいでいる。
「第五百三十一号、堀田聡だな? ここで何をしている?」
「あ、あの、新鮮な空気をすいに、さ、散歩を」
 二人のうちの一人が疑わしそうにぼくを見た。
「とにかく、変なまねはしないことだ」
 いかくするように言葉を吐いてから、
「これからの、お前の処遇について話がある。我々についてきてもらおう」
 ぼくは、両腕を二人にとられて歩き出した。


 牛顔の二人がぼくを連れてきたのは、木造のこぢんまりした建物だった。田舎の駐在所、というのがぼくの第一印象だ。
 腕をとられたまま、ぼくは中に連れて行かれた。ぷんと、古い木のにおいがする。中に入るとすぐに、比較的大きな古い木の机が置いてあり、そこに牛顔の男の人が座っていた。牛顔の人はどれも同じ顔をしていて、見分けがつかないが、この人もきちんとしたスーツを着ているところ以外は、他と変わらない。
「第五百三十一号、堀田聡を連れてまいりました」
 背中をトンと押され、机の前においてあるパイプいすに座るよう、うながされた。がちがちになった身体を何とか折り曲げ、ぎこちなくいすに座ると、スーツを着た牛顔が口を開いた。
「さて、君がここへ連行されて、丸一日が過ぎたが、気分はどうかね?」
 丸一日だって? 長い間眠らされていたんじゃなかったのか? 一瞬頭が混乱したのと、口がこわばっているのとで答えられない。
「いや、いい質問ではなかった。お腹がすいて、気分がいいどころの話ではないことは我々もよく知っているところだ。前置きはこれくらいにしておいて、本題に入ろう」
 牛顔は軽く湯飲みからお茶を飲む。口をうるおしてからまた、話し始めた。
「調書によると、君は十数回にわたり自宅付近のスーパーで、食べ物を万引きした。そうだね? 今回ここへ送られてきた主な理由はそのことだ。まずはそのことについて話をしよう。君から、言い訳というか、何か申し開きしたいことはあるか?」
 ある! あるぞ! ぼくだって好きでドロボウなんかするもんか。ぼくは、このときとばかりにまくし立てた。
「オレ、あ、いや、ぼく、仕方なかったんです。突然、父さんと母さんがいなくなっちゃって、しかも二人ともぼくにグリーンマネーのグの字も置いていってくれなかったんだ。どこにも頼るとこなくて、お腹がすいてすいて、どうしようもなくて、それでつい」
「やってしまったというわけか? 」
 牛顔は、真意を探るようなするどい目つきでぼくを見ている。しばらく間があいて、
「ではきくが、なぜ、捕まったと思う?」
 何が言いたいのだろう? 当たり前のことを。ぼくは、牛顔の真意をはかりかねた。
「なぜって、…お金を払わずに、食べ物を盗んだドロボウだから」
「では、グリーンマネーが手元にたくさんあるとして、スーパーで君は何でも好きなものを買って食べてもいいと思うかい?」
 いいに決まってる。でも、口ぶりからしてそうではないのだろうか? 一生懸命考えをめぐらせる。
「……わからない」
 そう答えたあとで、給食が粗末なものになっていたことを思い出す。
「動物は……食べたらいけないの?」
「そんなことはない。でも、君が捕まえられたのはそのことに関係がある。質問を変えよう。動物を食べてはいけないとして、それはなぜだと思う?」
 ぼくは、はっきりと答えた。
「かわいそうだから」
 牛顔は短く頭を横にふり、うつむいた。自信があったのに、どうも答えはちがうらしい。ぼくも一緒にうつむいてしまった。
 牛顔は、自分の目の前の書類に何かを書きこんで、ふうむ、と息をもらした。ぼくへのテストは終わったのだろうか? 結果は――悪いに違いない。
 牛顔は、しばらく間をおいておもむろに話し始めた。
「君のこれからのことだが、君がまだ分別のつかない子供だということ、罪を犯したのにはある程度、仕方がない要素がふくまれることをかんがみて、これより三週間の猶予を与えよう。ここには、最低限、暮らしていける設備がある。三週間、ここで働き、自分がつかまった本当の理由を見つけなさい。
 三週間後、もし理由がわからなかったときには……命の保障はないとだけ言っておこう。もし理由がわかったら、わかった時点で申し出ること。最後に面接をして間違っていると悲しいからな。ここまでで、何か質問は?」
 とりあえずの命はつながった。ぼくは、ほっと息をついた。その瞬間はそのことで安心してしまって、質問なんて出てくるものではなかった。それになにやら複雑で、頭の中がすぐには整理できない。とっさに、
「ないです。……あの、今のところは」とだけ言った。
「そうか。ではこれから、君にある映像を見てもらおうと思う。これは、君の記憶から引き出した忠実な証拠映像だ。君が大人なら、こんなものは見せないし、三週間の猶予もなかったところなんだよ。いやわたしも、君にヒントばかりたくさん与えたりして、子供にはやっぱり甘くなってしまうな」
 牛は、愉快そうに笑った。
 スーツの牛顔の指示で、ぼくは頭に機械をつけられた。以前、バーチャルリアリティーのことをテレビで紹介していた。そのときに見たような最新鋭風の機械だ。シールドのようなものが視界をさえぎった。ぼくは、緊張気味に何かが始まるのを待っていた。
 目の前にぱっと映像が現れた。ぼくが、食べている。うまそうにわき目もふらずに。まるで飢えた狼だ。そして思い当たった。これはあの日の自分だ。
 死にそうにお腹がすいて、はじめて万引きをした日。映像があまりにもリアルで、思わずよだれが出てくる。ここにいるぼくも同じように、死にそうにお腹がすいていた。
 映像は続く。繰り返し万引きを重ね、盗んだものを食べるぼくが、リアルに動いている。ぼくは合計、十六回罪を犯した。回を重ねるごとに、ぼくの表情には切迫感がうすれ、最後には当たり前のようにすましている。ぼくの食べた物は決まって肉類。そのほとんどがハンバーグだ。それをメインにご飯や少々の野菜。
 すべてが終わるとその後に、こっけいな映像が映し出された。
「何だ、これ?」
 壊れたと思って、思わず抗議の声をあげる。すると、
「これは君がこの三週間に食べたものすべてだ」
 落ち着いた口調からして、スーツだろう、牛顔の声がした。
「え? うそだ! いくらなんでもこんなに食べてないよ」
 けれど、牛顔は無言で、うそではないのだといわんばかりだ。
 目の前には、おびただしい数のどんぶりが一面においてあった。ざっと三百から四百。それぞれにこんもりと白いご飯が乗っている。
 映像が消えた。
「どうだ? 何かわかったかい?」
「うそだ。ぼくをだましているんだ」
「どう思おうが、君の勝手だが、これは事実だ。私も多くは語るまい。何かわかったら、遠慮なく申し出てくれ。では健闘を祈っているよ」
 スーツの牛顔が、ぼくの後ろにひかえている牛顔に目配せした。
 ぼくは、さっきの二人組みにまた、腕をとられると外へ出るよううながされた。戸口で、じんのすけが一部始終を聴いていたらしい。ぼくが出て行くと、さっと身をひるがえして、再び、通りがかりの犬を演じていた。


 牛顔の二人は、ここへ来たとき入れられていたプレハブ小屋までぼくを連れてくると、やっと腕を離した。そのうちの一人が、胸のポケットから茶色がかった四ツ折の紙を取り出し、ぼくに渡した。
「これがこの付近の地図だ。ここに書かれている所より先に行くと、脱走とみなし、すぐに追っ手がかかる。脱走した者の明日はないと思ってくれ。お前には三週間の猶予期間が与えられた。明日から、八時間の強制労働がお前に課せられる。朝八時に迎えが行く。それ以外は何をしようが自由だ。だが罪を上ぬりするようなことは避けた方が賢明だぞ。よく考えて行動しろ」
 牛顔たちはみんな、声までそっくりだ。ぼくは無言でうなずくと、渡された地図に目を落とした。二人はぼくを置いて去っていった。
 その場で立ったまま、地図を読んでいると、ぼくの後ろをゆっくりとついてきたのだろう、じんのすけがぼくの足にまとわりついた。ぼくは、すぐにしゃがんで、じんのすけにも地図が見えるようにしてやった。
 地図の中に、食堂や浴場、それから洗濯場などの文字を見つけた。この場所に隣接してそれらはあった。牛顔たちは、食事や着替えなどどうしたらいいのか何も説明せずに行ってしまったが、それは、何もかも自分の力で探せという意味なのだろうと解釈した。
「チェ、不親切だなぁ。わからないことだらけだよ」
 じんのすけに向けて、なんとなくグチを言ってみるが、捕まる前のぼくの気分にくらべたらこんなこと、たいしたことはなかった。 
 牛顔の親分みたいのがぼくに出した命に関わる宿題が、重くのしかかっていたけれど、何とかなるって気がした。一人じゃない、じんのすけがいるだけでぼくは心強かった。
 地図の上でぼくが今日、脱走をはかった道をたどってみた。じんのすけが呼び止めてくれた付近で地図は終わっている。じんのすけの方へ目をやり、じんのすけが現れてくれたことに、あらためて感謝した。そうでなければ、今頃ぼくはここにいないだろう。
「腹がへって、死にそうなんだ。まずは食堂に行ってみよう」


 炊事場は、別のプレハブ小屋の中にあった。たくさんのテーブルやいすが、ところせましと並んでいる。そろいのものではなく、いらなくなったものの寄せ集め、という感じだ。奥の方に、四角い小窓と壁で仕切られた調理場があるらしい。小窓からお世辞にもきれいとはいえない流し台、調理台、ガスレンジなどが見えている。中にはだれかがいるようで、食事の支度をする物音が響いている。小窓から中の様子を探ってみると、何人かが後ろ向きで作業をしているのが見えた。
 小窓の横の壁に紙が二枚はってあった。それらには、食事時間や、食事を準備する当番の名前が書いてある。当番表にはところどころ、訂正の横線が引いてあり、代わりに別の人の名前が書いてある。ここを晴れて出られた人か、それとも……。
「時間決まってるみたいですね?」
 じんのすけが気の毒そうにぼくに言う。
「うん、今何時かな?」 
 ぼくは、部屋の中を見回した。やっぱりどこかで拾ってきたようないかさない時計が目にとまり、四時少し過ぎを伝えていた。
「もうしばらくのしんぼうですね」
 食事は六時からと書いてあった。食事は朝と夕方の二回だけだった。そういえば、と思ってぼくはきいた。
「じんのすけは、メシ、どうしてたの?」
「ぼくは自由だから。狩をしてるんです」
「狩?」
「そうです。猫とか、鳥とか。今回の法律で、家畜制度は廃止になったでしょう? はじめのうちは自由がうれしくて…」
 じんのすけはぼくに気を使っているのか、上目づかいに表情をうかがいながら続けた。
「その、家出しちゃったんですけど。ご飯のことも自分ひとりじゃどうにもならなくて、ゴミ箱あさるのもあんまり気が進まなくて、それで、二、三日後に家に帰ったんです。そしたら、サト君が牛の顔をした人たちに引きずられるようにして、車に乗せられて行ってしまったって、近所の犬が言うじゃありませんか。ぼくびっくりしました。それで、ここにいるに違いないって思って、旅してきたんです。その間に狩は少しできるようになりました。やれば何とかなるもんですね。それにしても、サト君たちと別れてから、もう三週間もたつんですねぇ」
 じんのすけの話は、ところどころわけがわからない。時間の経過が何だか合わない。ぼくは、昨日ここへ来たのだし、その前は家にいた。それにやっぱり、じんのすけはぼくの飼い犬ではない。きっとだれか、他の飼い主と勘違いしているんだ。ぼくは勝手にそう結論づけて、この違和感はもう気にしないことに決めた。
「そうか、オレも、山とかへ行って、じんのすけみたいに狩りをすればよかったのかもしれない」
 けれど、じんのすけは頭を横にふった。
「そんな、甘いもんじゃありません。今のサトくんほどじゃないかもしれないけど、ぼくも実は、めったに狩りは成功しなくて、お腹すいてるんです。でも、捕まってしまうよりはよかったかもしれませんね」
「そうなんだ」
 ぼくはさっき、見せられた映像のことを思い出していた。だいたい、一日一回のペースでの食事。あれでもぼくは食べ過ぎだって言うのか。じんのすけとぼくとでは、この三週間、どちらがお腹いっぱい食べられたのだろう? やっぱりぼくか。それにしてもなんであれがごはん三百杯分になるのかさっぱりわからない。


 お腹はぺコペコだけど、時間までまだしばらくある。じっとしていても仕方がない。他のところを見学に行ってみよう。
 ぼくらは、一通り、生活に必要な施設を見て回った。浴場のすぐとなりに洗濯機がかろうじて置いてある場所があり、そこの棚に作業服が積まれているのを見つけた。これはだれかのものなんだろうか? さわっていいものかどうか悩んでいると、後ろから洗濯機を使いに来た、若い女の人が入ってきた。
「もしかして新入り? そこに積んであるの、二組だけとっていいらしいわよ。交代で着て、汚くなったらここの炭と塩で洗濯すんのよ。サイズ見てあげようか?」
 女の人は、僕のかたわらによると、棚の中を物色しはじめる。
 ぼくの背格好を見ながら、作業服のサイズを探してくれているこのお姉さんを見つめながら、ぼくはなぜか、母さんのことを思い出していた。
「これでも、ちょっと大きいかな? だけど仕方ないわね」
 ハイ、と手渡された作業着を受け取りながら、ありがとうございます、とお礼を言った。
 作業服を手に持って、浴場を出てくると、ぼくはじんのすけにずっと気になっていたことを話してみた。
「ねえ、オレの父さんと母さん、どこにいるか知ってる?」
「わかりません。でも、ぼくはやっぱりここにいると思います。サト君を探しながら、もちろんお父さん、お母さんも探してたんです。ここにいるみんなを見て気づいたんだけど、ここでは、家族はバラバラにされるみたいです。宿泊棟もここだけじゃなくて、何か所もあるみたいだから、まだ捜しに行っていないどこかにいるかもしれません」
 じんのすけがそう言ってくれたので、なんだか安心した。ここへ来てからぼくも、母さんたちはここにいるのかもしれないと思っていたからだ。
 ぼくは、早くも勝手に父さんや母さんもここにいるのに違いないと決め付けていた。そして、父さんや母さんに一刻も早く会いたかった。
「でも、明日から何だか知らないけど、強制労働っていうのがあるんじゃ、オレ、母さんたちを捜すのは難しいかなぁ……」
 実際、偶然でも起きなければ、母さんたちに出会えそうもない。
「なんだ、そんなこと」
 じんのすけはその言葉を打ち消すように言った。
「何のためにぼくがいると思ってるんですか。言ったでしょう? ぼくはサト君を助けに来たって。サト君のお父さんやお母さんだって、このぼくが捜してきてあげますよ! なんたって、ぼくにはこの鼻があるんですから。大丈夫、すぐに見つかりますよ。サト君は安心して待っててください」
 じんのすけの黒々と光る鼻が誇らしげだ。
「じんのすけ……」
 ぼくには、そんなじんのすけが、旧知の親友のように頼もしく感じられた。

 一通り施設を見て回ったが、それでも少し時間は余っていた。遠くまで散歩する気力はなかったので、ぼくらは、食堂の前で六時になるのを待っていた。
 時間少し前から、ぼくと同じように食事ができるのを待つ人が増えてきて、何人かが食堂の中へ入っていった。ぼくもその人たちについて入っていくと、カウンターの前に何となく列を形作っているみたいだった。ぼくもその列に加わった。
 時間が来ると、待ちに待ったご飯が小窓から姿を現し始めた。ぼくも順番に従ってトレーを受け取ると、みんながしているように、適当にあいている席についた。じんのすけに一緒に分けて食べようって言ったけど、じんのすけはぼくに気を使って、
「ぼくはその辺で適当に狩ってきますから」
 と言って、どこかへ消えてしまった。
 ぼくは一人小さく手を合わせ「いただきます」のポーズをとって食べ始めた。
 ご飯は、あの日の学校の給食によく似ていた。ご飯は硬くて、つぶつぶが混ざっていたし、おかずも肉はなく植物性のものばかりだ。量もやっぱり少なめだ。それでもないよりずいぶんましだ。ぼくはゆっくりとよくかんで、味わうようにしてご飯を食べた。ありがたい気持ちがわいてきた。


 ガタンといすを乱暴に引く音がして、一瞬たじろいだ。茶碗を思わず落としそうになり、あわてて持ち直す。音がした方の肩をちょっとひっこめて、横目でチラッとそちらを見やった。
 背の高い二十歳前後の若い男が、放り投げるようにトレーをテーブルに置き、ぼくのとなりの席に座った。作業着を着ている胸元が大きくはだけており、銀の大き目のペンダントが見え隠れしている。肩までかかるような長い髪。見るからに柄の悪い感じで、いすの上にあぐらをかいて座り、いかにもまずそうにご飯を食べている。なぜかすごい存在感だ。
 大人は苦手だ。その上、もし絡まれたらたちうちできないようなこんなタイプなら、なおさらだ。ぼくは、なるべく横を見ないように小さくなって、残りのご飯を食べきってしまうと、そそくさと、席を立ち上がろうとした。そのとき、
「あんた、新入りだね?」
 ぼくの後ろから、割ぽう着と三角巾をつけたおばさんが、立ち上がろうとするのを制止した。
 となりの若い男がぼくに気づいて視線を投げかける。それに気づいて緊張する。
「あたしゃ、今週の食事当番なんだけどねぇ、来週の、当番に一人欠員が出たんだよ。さっそくあんたの名前入れとくけど、いいかい?」
「あ、はい。で、ぼく何すればいいんですか?」
 なぜか男の視線を気にしながら、ぼくは答えた。
「たいしたことじゃないんだ。食事の二時間ほど前に、ここの調理場へ来てくれりゃあいいから」
「……わかりました」
 男はぼくに関心があるのか、ぼくをなめまわすように見ている。何か言われるんじゃないかと、びくびくしていた。
 おばさんの話が終わると今度こそ立ち上がり、早足にその場を立ち去った。結局男に声をかけられることはなく、ぼくはほっとした。


 さっきはどこも、がらんどうだったプレハブの宿泊棟には、たくさんの人たちが帰ってきていた。おのおののスペースがカーテンひとつで仕切られている簡易なものなので、もちろん廊下などはなく、まるで人の部屋を土足で踏み込むような気持ちになりながら、いくつものカーテンをかき分け、自分のスペースへ帰ってきた。見る限り、ここにいるのは男の人だけで、どうやらもうひとつの棟が女性専用ということらしい。
 じんのすけには、食事の後、散歩をしたときに会えたので、ぼくの場所を伝えておいた。後で窓から中に入れてやるつもりだ。
 ぼくは、ふとんの上にあおむけになって寝転び、ちらちらとまたたく蛍光灯をぼんやりと見つめていた。知り合いになった同士が、話している声があちこちから聞こえてくる。
 左側のカーテンが、ふいに開いた。きっとカーテンの右側へ行きたい人が通るのだろう、そう思って気にも留めないようにそちらを見やって、ぼくは驚いた。食堂で出会ったあの苦手な顔が、目に入ったからだ。
 向こうも気づいたみたいだ。けれど、目を合わせたくないぼくとは違って、その男はぼくを見るなり、にやりと笑った。
「てめえが、今度のおとなりさんってわけか。ずいぶんちいせーのが来たもんだな」
ぼくは、あわてて起き上がり、ふとんの上に正座して男に向き直った。こうなったからには、絶対に敵に回したくはない。
「ぼ、ぼく、堀田聡といいます。よ、よろしくお願いします」
「ふうん。で、てめえ何してここへぶちこまれたんだ?」
 男はその場に立ったまま、ぼくを見おろしている。
「ま、万引きです」
「チビにしちゃあ、大罪を犯したな。ま、やつらに何を言われたかしらねえが、せいぜい悪あがきすることさ。てめえも、明日からくじ引きか?」
「くじ引き?」
 何のことだろう? 
「知らねぇのか? て、ことはうわさどおり、ガキにはちったぁ甘いってことなんだな。ま、知らぬが仏って言葉もあるぐらいだ。そのうち、いやでもわかることだし、せいぜい知らないときを楽しむことだな。どうせ、大人だろうがガキだろうが、ここでのたれ死ぬのは決まったことなんだからよ」
 男は言いたいことだけ言うと、カーテンの向こうに隠れてしまった。ぼくは、男の言葉が気になって仕方がなかった。あそこまで言ったのなら教えてくれればいいのに。意地悪な人だ。だけどもちろん、自分からあの人に話しかけるなんてことはできなかった。
 となりでは、早くもいびきをかく音が聞こえている。そのいびきがいつまでも耳について、ぼくはなかなか寝つかれなかった。

 朝起きてみると、じんのすけがぼくのそばにいない。中に入れたつもりが、忘れてしまった。窓の真下にうずくまっているじんのすけを見つけ、ぼくはそのことにはじめて気づいた。
「じんのすけ」
 ぼくが窓から顔を出して、下に向かって呼びかけると、じんのすけはすぐに気づいた。
「今、そこへ行くから待ってて」
「はい、わかりました」
 その声を聞きつけたのか、昨日の男がぼくの所にやってきて、窓から顔を出した。しまった。もっとこっそり話をするんだった。何となくこの男には、じんのすけとぼくのことを知られたくなかった。けれど男はじんのすけを見つけてしまい、こう言った。
「この犬、お前のか? しゃべるのか?」
 仕方なくうなずく。
「生まれつきか?」
 そう言われても、ぼくにはわからない。何せ、昨日出会ったばかりなのだから。
「さあ、わかりません」と頭をふると、ぼくが何か隠していないか、じっと見つめた後で、
「ふうん」
 不審そうにつぶやいて、外へ出て行ってしまった。何かいわくありげでとても気になる。けれど、とりあえず八時になると強制労働とかで、やつらがぼくを迎えに来る。その前に朝食をすませておかなくてはならない。忙しかった。
 ぼくは、じんのすけを連れて食堂へ向かった。今日からは、きちんと決まった時間にご飯にありつける。それだけでぼくの心にゆとりが生まれた。今日からは、じんのすけと二人で分けるつもりだ。
 歩きながらぼくはじんのすけに、さっきのことをきいてみた。
「ねえ、じんのすけ。じんのすけはいつから人間の言葉を話せるようになったの? 生まれつき?」
「ぼくにもはっきりとはわからないんです。サト君一家と暮らしていたときは話せませんでした。それで、別れ別れになってしまって、次にサト君に会ったとき、思わず声をかけたら、意外にも、サト君に通じたって言うか。それまでは、ぼく自身も知らなかったんです。あれがきっと初めてです」
「ふうん」
 何だか不可解だ。そして日を追うごとにわからないことが増えていく気がする。ただでさえ大きな宿題があるっていうのに。だから、じんのすけの言葉を聞いたところで、ぼくにはもうお手上げだった。
 食事を終えると、あと十分で八時になるところだった。ぼくの強制労働というのはいったいどういうものなのか、見当もつかないが、とにかくその間は、じんのすけに父さんと母さんを捜してもらうことをもう一度確認して、ぼくたちは宿泊棟の出入り口の所で別れた。
(つづく)
(初出:2011年04月)
登録日:2011年04月07日 15時06分

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