著者紹介
紫苑 (c)

紫苑(しおん)

日々の出来事を、ふと書き留めておきたい時がある。何の変哲もない風景に、こよなく愛着を感じる時がある。思わず涙ぐんだり、手を合わせてしまうほど感動を覚える時がある。そんな時は目を閉じて、心のキャンバスに、一枚、また一枚と、自分の生きた証に描いてきた。現在は、二人の成人した娘達と、姉妹のように共同生活を楽しんでいる。なにはともあれ、今が幸せならすべてよし、と充実した日々を送っている。

紫苑の記事

【小説/現代】
  • 断片 (2010年06月22日 16時10分)
    いつからだろう、研二とこんな風に軽口が叩けるようになったのは……。家庭のある女性が罪悪感を覚えながらも取引先の男性に会いにゆく。私小説風に人生のひとこまを記す。
  • 指定席 (2010年06月22日 16時12分)
    どうしても会いたかった。宣告された病名は、彼女を絶望の淵にたたき落とす。懐かしい彼は黙って話を聞いてくれた。それだけでよかった。彼女はスカートを翻し、ふたたび歩みだす。
  • 怠惰な時 (2010年06月22日 16時15分)
    運転手つきの車でゴルフに出かけ、メイドのいる自宅でマッサージをうけながらまどろむ著者。優雅な異国での生活だけれど、なにかが欠けている。真に安らぐことのできない苛立ちが伝わってくるような、気だるさの漂う小説。
  • (2010年06月22日 16時19分)
    誰かとやらなければ、収まらない。ただ、欲望が満たされればそれでいい。だれでもよかった。重い言葉をいう男に、単純な繋がりでしかない、と一蹴するあたし。ただ何度も抱き合うふたり。
【エッセイ/エッセイ】
  • 伝説の人 (2010年06月22日 15時43分)
    突然非常ベルが鳴り響いた。「そうか、押しが足らなかったのか」 筆者は、今度は思い切りボタンを押してみたがベルはおさまらない。間違えて、インターホンの隣にあった非常用ベルを押してしまったのだ。その他、恥ずかしいお話三本。
  • (2010年06月22日 15時45分)
    読んでいて「本当?」と問いたくなるような姑の仕打ち。娘が良いのなら、と罵声に耐えるのは実母でなければできないことだ。今は亡き実母に、作者は何を語りたいのだろう?
  • 百花繚乱〜紫苑の日常〜 第一花 昇華 (2010年06月22日 15時47分)
    全百話を目指す、紫苑のエッセイ「百花繚乱」がスタート。自分の過去にこびり付いてしまった汚れを、実際の汚れに乗せて削ぎ落としたい。徹底した掃除ぶりには、そんな気持ちが込められていた。新しい人生のはじまり。
  • 百花繚乱〜紫苑の日常〜 第二花 沈丁花 (2010年06月22日 15時50分)
    別居を余儀なくされた著者は、数ヶ月ぶりに家族の住むアパートを訪れた。平和でありきたりな空気を切り裂き、決心を語る。若い娘は勝手なことばかり言う。それにしては、あなたの若い頃と同じだよ、と友人に諭されたりもするのである。
  • 百花繚乱〜紫苑の日常〜 第三花 カサブランカ (2010年06月22日 15時54分)
    「どうしても行くのなら、母さんを殺してから行きなさいよ」アメリカ人の恋人を追ってアメリカに行く、という長女を阻止しようと半狂乱に叫んだ――。
  • 百花繚乱〜紫苑の日常〜 第四花 夏椿 (2010年06月22日 15時55分)
    夫が作った借金返済のため、長年住み慣れた家を売却することになり――離婚したものの、家事の出来ていない元夫と娘達のアパートのありさまを見て、とりあえず家族のもとに戻ろうと決意するのだった。
  • 百花繚乱〜紫苑の日常〜 第五花 トルコ桔梗 (2010年06月22日 16時00分)
    元家族四人でテーブルを囲むのは久しぶりだ。しかし、家族を復元できる鍵は自分が持っているような気がして気がとがめていた。不動産屋が置いていったトルコ桔梗の鉢植えには「結婚記念日、おめでとうございます」と書いたカードが差してある。離婚なんてあり得ない、と微笑んでいた二十回目の記念日まで時間を巻き戻せたら……。
  • 希望の芽 (2010年06月22日 16時03分)
    やっぱり生きて何ぼだわ。満開のハナカイドウと小鳥のさえずり、優しい風を受けながら身にしみて感じていた。沙羅と歩いた鎌倉、姑との確執、ジャカルタでの苦い思い出がよみがえる。沙羅の希望の芽を摘み取ったのはわたしだった。ならば……。
  • 少女の恋 (2010年06月22日 16時05分)
    寒い日のデートの思い出が繰り返し現れる。万年少女最後の恋を詩的に語る。
  • 涙の卒業式 (2010年06月22日 16時06分)
    持って産まれたものは人それぞれ。労せずしてそこそこの良い成績をあげる姉をうらやむ妹と妹の努力を評価し触発される姉。そんな二人の成長を暖かく、時には厳しく見守ってきた母のエッセイ。
  • 母の桜 (2010年06月22日 16時08分)
    母が植えた三本のソメイヨシノ。いつのまにか大木に育った満開の桜を見上げる著者。母の思い出とお葬式の一場面が交差する。
  • 喪失 (2010年06月22日 16時14分)
    「バージン」と「信頼できる男」、「大好きだった彼への思い」を一度に喪失した私。トイレで倒れ、男性便器の裏側を目のあたりにしたのがその象徴なのだろう。淡々と語る過去の重い出来事。
  • tetapi(でも) (2010年06月22日 16時17分)
    何にでも「タッピ」と言い訳を連発するメイド。解雇しようにもなかなかボロを出さない。そんな時起きた「シラミ」事件は渡りに船だった……。当時好きではなかった国の思い出を書き留めている。
  • バーチャルな罪 (2010年06月22日 16時22分)
    子どもたちが、はりきって歌っている。気分の沈んでいた著者は、スポンサーとなって、ひっそりとカラオケボックスの隅に座っていた。携帯に出ると、シモヤマの家内と名乗る女性からであった。「わたし全部知ってしまいました。主人とあなたの関係を」